Eighter -Blindness Wizard-
27ther 〜異例なき殺戮と罰 A〜



#0
 大阪にていがみ合う二つの会社を七罪塔(しちざいとう)が狙っている。
 偶然にもその片方に依頼で寄った與鷹(よたか)は総介からその情報を聞き、作戦を切り替える。
 そして、もう片方の現場には……かなりに逆らえなかったかれんはしぶしぶ死合に赴くことにしました。
※どこの勇〇ぶだよ!
 七罪塔(しちざいとう)がやってくるということはどこからか嗅ぎ付けたシレントワイザードもやってくるということである。
 果たしてEighterはこの死合を制することができるのか!?

#1
 大阪、株式会社センサス前
 まずはかれんとフキエルの死合の方へ
フキエル「シレントワイザードの大願を阻むものには死をッ!ナナ!我が元に帰れ(ヴォレーゲン)!」
ナナ「了解で、あります」
 ビシっと敬礼してからフキエルを守る鎧と化すナナ
フキエル「無限の知識を蓄えし昴なる流水の魔星、その御力、我が剣となりてここに顕現せよ、セラエノ!」
 魔形刀(マナヒョンド)に召喚呪術をもってして水の刃を作り上げると一足飛びにかかるフキエル。
 先ほどかれんが遊んでいるヒマはないと言い出したことでフキエルは怒っていた。
 だから、いつもより威力が上がっているのだが、あえて敵を焚きつけて(いや、水だしてるけど……)不利な上
で死合うとはかれんってやっぱりドMなんですね……と突っ込むものはこの場にはいなかった。
フキエル「圧し潰す水塊(ヴァッサァ・ザックライナン)!」
 ザッパンッ
白拍子かれん「暝鳳極舞刃(めいほうきょくぶじん)!」
 ゴドガッ
 改めて言うことでもないかもしれないが、かれんは炎の技を得意とする。
 何の気なしに火の鳥をぶっぱなしたかれんだが、相手が水の塊をもってして叩き潰しにかかってきたのを思い出
して若干焦る。
かれん(あ、やばっ、これ相性悪い……)
※やっぱりそういうところがドMってことだよ……
フキエル「流石、遊んでいるだけあって余裕だなぁ!」
 火の鳥を水の塊で叩き潰すと間髪入れずに距離を詰めて斬撃を繰り出すフキエル。
かれん「光焔熾(こうえんし)!」
 咄嗟に炎を集めて刃を作り、予兆共鳴者(オーメンレゾナンス)と十字に合わせてフキエルの凶刃を受けるかれん。
かれん「くっ、あまり調子にのらないでよね!」
フキエル「その言葉、そっくり返すぜぇ!」
 そして戦況は膠着する。

#2
 そのころ、エランドラは株式会社センサスを一人歩んでいた。
 見かけるのは殺された社員ばかりである。
エランドラ「おいおい、まさかとは思うが、この惨劇をお前ひとりで巻き起こしたってのか?」
 そして、社長室で茫然と佇む尹楠娜(い・なんな)を見かけて思わず声をかける
尹楠娜(い・なんな)「……」
 振り向いても、何も語らぬ尹楠娜(い・なんな)。
エランドラ「俺もまぁ、昔、百人斬りとか試してみたことはあるが、これはその比じゃねぇな!」
尹楠娜(い・なんな)「シレントワイザードの魔術師か……」
エランドラ「そういうてめぇは何者だ!?」
尹楠娜(い・なんな)尹楠娜(い・なんな)……」
エランドラ「あぁ、そういうのはいいんだよ……てめぇの真の姿と名前を聞かせろって言ってんだ!」
 エランドラは戦闘馬鹿ではあるが、厳密には馬鹿ではない。目の前にいる尹楠娜(い・なんな)尹楠娜(い・なんな)の姿をしているが彼女
ではないことは見抜いていた。
 ドサリッ
 次の瞬間、尹楠娜(い・なんな)はその場にぶっ倒れ、そして、一人の少女が姿を現す。
 言わずもがな場違いな黒き遺物(ネガティヴ・オーパーツ)の最高峰、七罪塔(しちざいとう)が《嫉妬(エンヴィー)》レヴィアタンだ!
レヴィアタン「へぇ……」
 馬鹿だとは思っていたが、違ったみたいだね……と考えを改める。
エランドラ「行くぜぇッ!セラッ!我が元に帰れ(ヴォレーゲン)」
セラ「準備は出来ています」
 ともかく、暑っ苦しい叫びとともに、セラはエランドラを守る鎧と化す。
エランドラ「うぉおお!碧玉の荒ぶる双炎に照らされし灼熱の魔星、その御力、我が牙となりてここに顕現せよ、
シャガイ!」
 ボッ、ボボボボボッ
 魔形刀(マナヒョンド)を手に緑色の炎を集めて大剣を作るエランドラ。
レヴィアタン「恫喝する妬み(ジェラシー・アイスクリーム)!」
 空間をゆがめて攻撃用場違いな黒き遺物(ネガティヴ・オーパーツ)を呼び出すレヴィア
エランドラ「食らいやがれッ!舞い踊る炎閃(フランメ・タンツェン)!」
 ズドンッ
レヴィアタン「凛葬鋩怨(りんそうぼうおん)!」
 ガオンッ
 緑の炎を纏った剣閃がレヴィアに襲い掛かるも、嫉妬の炎がそれを焼き返す。
エランドラ「炎を炎で相殺するたぁ、やるじゃねぇか!」
 ガッハハハハ!と笑うエランドラに対して、何がおかしいんだこいつは!?と言った表情のレヴィア。
 魔性の緑炎と嫉妬の黒炎……勝つのはどっちだ!?


続

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