#5
レヴィアタン「君はあの人の特別にはなれないよ」
デュランダル・ギランバレート「貴様、何を！」
　開口一番、デュランダルの神経を逆なでするレヴィア
レヴィアタン「だって、君は男性だからね……」
　そして、あの人はホモじゃない。だから、最終的には尹楠娜(い・なんな)を選ぶんだよ？
デュランダル「貴様ッ！」
　そんなレヴィアの毒言に激昂するデュランダル。尹楠娜(い・なんな)と同じように、彼もまたレヴィアの前に落ちるのであっ
た。
レヴィアタン（うふふふ……人間(パーツ)風情を操るのは楽しいなぁ……）
　すべての準備は整った。
　あとはコトを成すだけだ
レヴィアタン「じゃあ、行こうか……」
尹楠娜(い・なんな)、デュランダル「はい……」
　死んだ目をした人間が二人。幽鬼のようにレヴィアに従う。

　株式会社センサス、社長室
吾栖喇(あ・すら)「どうした、二人揃って？」
尹楠娜(い・なんな)、デュランダル「ラティオテクノロジー攻略の件で至急お伝えしないといけないことがあります」
吾栖喇(あ・すら)「ふむ、聞こう……」
　只ならぬ気配に圧されつつも吾栖喇(あ・すら)は話を聞こうとする
尹楠娜(い・なんな)、デュランダル「実は……私たち、ラティオテクノロジーに浄解されてしまったんです」
吾栖喇(あ・すら)「はぁ！？」
　いきなりトンチキなことを言いだされて、思わず声を荒げる吾栖喇(あ・すら)
吾栖喇(あ・すら)「お前ら、何を言っているんだ？」
レヴィアタン「クーラティオ……なんとかかんとか、コクトゥーラってね！」
　ドンッ
吾栖喇(あ・すら)「あがっ！？」
　そして、突如背後から走る衝撃に吾栖喇(あ・すら)は吹き飛ばされる。
レヴィアタン「うん、実に上質な天命(ネフェシュ)だ……」
　レヴィアに天命(ネフェシュ)を根こそぎ奪われ、吾栖喇(あ・すら)、事実上死亡。
レヴィアタン「さて、お次はっと……」
　デュランダルにナイフを握らせて吾栖喇(あ・すら)を一突き。
　パチンと指を鳴らすと尹楠娜(い・なんな)は正気に戻る。
尹楠娜(い・なんな)「なっ、あなた、いったい何を？」
　血が止まらない吾栖喇(あ・すら)と血まみれのナイフを持つデュランダルを見て、尹楠娜(い・なんな)がヒステリックに叫ぶ
デュランダル「社長が悪いんですぜ……男のことは男が一番よく分かってるんだ」
　死んだ目のまま、棒読みでそんなことをつぶやくデュランダル。
レヴィアタン「あ〜、吾栖喇(あ・すら)にはソッチの気はなかったけど、デュランダルの方はは本気だったみたいだね」
　そして、ヌケヌケとそんなことを宣うレヴィア

#6
尹楠娜(い・なんな)「貴様を殺して私も死ぬぅッ！」
　怒りに身を任せてデュランダルからナイフを奪い取ると、そのままデュランダルを滅多刺しにする尹楠娜(い・なんな)
レヴィアタン「おっと、危ないところだった……」
　尹楠娜(い・なんな)がデュランダルをブチ殺す前にデュランダルの天命(ネフェシュ)も根こそぎ奪っておくレヴィア。
レヴィアタン「うんうん。こちらもなかなか上質な天命(ネフェシュ)だ……」
　上質な天命(ネフェシュ)を二つも手に入れられてご機嫌なレヴィア。
レヴィア「じゃあ、最後の行軍に行こうか……」
　後は当初の予定通りに株式会社センサス全社員の天命(ネフェシュ)を頂くだけ。
　尹楠娜(い・なんな)と行動を共にして、彼女が社員をブチ殺すその直前に天命(ネフェシュ)だけを根こそぎ食らいつくす。
　だが、しかし、レヴィアの前には大いなる壁が立ちはだかることになるのを、今の彼女はまだ知らなかった。

　ところ変わって、山梨県、富士青木ヶ原樹海
　時間は暫し遡る。
ロズエリク「大導師(グランドマスター)様からの言伝だ……大阪に七罪塔(しちざいとう)が出る」
ネサリウス「ほぉう？」
エランドラ「おっしゃ〜〜、俺がひとっ走り行ってくるぜ！」
ウェステリア「あぁ？てめぇ喧嘩売ってのか！俺が行くに決まってんだろ！」
　やれやれ、また始まったよ……とネサリウスが頭を抱えているような身振りを行っていると、ロズエリクは次の
ように続ける。
ロズエリク「心配するな……二人とも出向いてもらう」
フキエル、ドキエル「え？！それはどういう！？」
　エランドラとウェステリアが額をこすりつけてメンチを切っている間に二人の部下が詳細を問う。
ロズエリク「分からんか？」
ネサリウス「つまり、七罪塔(しちざいとう)がふたつ出てきた……いや、出てくる。と、言うことですね？」
ロズエリク「その通りだ」
　馬鹿どもを差し置いて頭脳派たるネサリウスが静かに呟く。
エランドラ「おっしゃ〜〜、ならばどっちが先に七罪塔(しちざいとう)を持ち帰れるか勝負だ！」
ウェステリア「あぁん、てめぇ喧嘩売ってんのか！」
　すでに謎の勝負は始まった。
　エランドラとウェステリアが逆方向に突っ走る
フキエル、ドキエル「あ、待ってくださいよ〜〜」
　そして、そのあとをフキエルとドキエルが追う。


続