Eighter -Blindness Wizard-
23rder 〜悪夢の果ての教場 D〜
#7
上総介「チッ、今はこんなことをしている場合ではないというのに……」
忌々し気に毒づく総介だが、そんなことをしても状況が変わらないことも事実。
ならば、奴らを倒して先に行くしかあるまい。
ダッ
ウェステリア、ドキエル「なっ、貴様ッ!」
そんな中、かんなは一人、シレントワイザードを無視してグラウンドを駆け抜けていく。
ドキエル「逃がすか!」
梓與鷹(「おっと、お前らの相手はこっちだ」
かんなに任せておけばとりあえずは大丈夫だろう。あとはこの二人を倒すか退かせるかするだけだ
ドキエル「邪魔すんなよな……」
與鷹(「それはこっちのセリフだっての」
ドキエル「大いなる種の住処、超銀河の颶風の魔星、その御力、我が翼となりてここに顕現せよ!イース!」
だったら力尽くだとでも言わんばかりにドキエルも魔形刀(を掲げ召喚呪術を使用。刃が付いた鉤棍(を作り上げる。
総介「よし、そっちは任せた!」
與鷹(「え!?総……」
叫ぶなり総介は青臣(を構えてドキエルに突っ込んでいく。
與鷹(はてっきり、自分がドキエルと死合うものだと考えていたのでちょっとびっくりだ。
※シレントワイザードには対総介究極兵装があるんで、総介が全力を出せないのです。だから、呪装四天王ではな
くその配下を狙う。当然ですね。(いや、当然なの?)
しかし、こうなってしまっては仕方がないと、與鷹(も覚悟を決める。
與鷹(「……テノ、真書須らく翻れ(!」
テノ「だるだる〜〜」
やる気のない掛け声ともに、テノも與鷹(に力を貸すのであった。
ウェステリア「唸る鉄刃(!」
與鷹(「聖狼躱虚(!」
ゴドガッ
ウェステリア「おぐっ?!」
瞬時に間合いを詰めて一刀両断にかかるウェステリアの斬撃を完全回避したうえでカウンターの拳打を叩き込む
與鷹(。
ドキエル「空っ風の刃(!」
総介「臠蒼極連(!」
ズズズンッ
ドキエル「チッ……」
無数の風の刃で総介を切り刻もうとするも、総介は九回の斬撃を放ってこれを迎撃す。
ドキエル(シレントワイザードの大願成就を阻むもの……一筋縄ではいかないということか……)
#8
一方、かんなはというと、先ほど異変が起こった屋上へと駆けつけていた。
朝比奈おろ香「待っていたわよ……」
そこには薙刀を構えた朝比奈愚((中身は言わずもがなレヴィアです)が悪い笑みを浮かべて待っていた。
※薙刀ってマジで『あさひなぐ』じゃないですか!
白拍子かんな「……あなたは、朝比奈おろ香ではありませんね」
おろ香「……なにを言っているのかしら?私が朝比奈愚(以外の何に見えるというの?」
かんな「彼女は自分自身から自分のことを『あさひなぐ』と呼んだことはありませんよ……」
だって、それはニックネームというよりは侮蔑されし名だから。だから、彼女が自分からそんなことを言いだす
のはおかしい。
もっとも彼女が真正のドMなら話は別だろうけど、まぁ、それはおいといて……
おろ香「まぁ、《キツネザルの使途》相手に騙しとおせるなんて思っていなかったけどね……」
いや、場違いな黒き遺物(が、七罪塔(が関わっている時点で、すでに手遅れというこの状況ではそんなことは分か
り切ったことなのだが……
おろ香「それで、どうするのかしら?」
かんな「あなたを止めます!」
悲しげな表情とは裏腹にかんなの決意は固いのだ。
おろ香「私を止める?……あなたにそれができるのかしら?」
……まぁ、魔術師を足止めしてくれていることだけは感謝するけど……と朝比奈愚((中の人はレヴィア)は続け
る。
七罪塔(はまだシレントワイザードを恐れている。
いや、恐れているというのは語弊がある。より正確に言うならば、人を使役する側にある場違いな黒き遺物(を支
配下に置くという謎のアーティファクト、七元徳(を恐れているのだ。
おろ香「ここでやることはすべて終わったのだから、さっさと帰りたいのだけれど……」
でも、こうなった以上、素直に帰らせてもらえそうにはないわねぇ……とため息をひとつ。
かんな「それは嘘ですね……」
シレントワイザードを恐れているのならば、目的を達した時点ですぐに逃げればいい。
だが、朝比奈愚((中の人はレヴィア)は逃げなかった。だから、かんなは嘘だと言った。
朝比奈愚((中の人はレヴィア)としても、可能な限りは七元徳(の情報を得たいということだろう。
さておき、かんなと朝比奈愚((中の人はレヴィア)の死合も始まった。
#9
歴史の墓場、某所
アマイモン「それにしても、あの魔術師連中……どうやって嗅ぎ付けているんだろうね……」
シャイターン「さぁな……もしかしたら《キツネザルの使途》が情報を流しているのかもしれないな……」
一同「まぁ、それはないな」
即否定されるが、サタンとしても、そんなことはあり得ない話だと分かっていた。
敵に情報を流して、そして、その敵とも死合うとかどんな馬鹿かバトルホリックだよと言うことだ。
ルシュファー「ところでレヴィアはあそこに何をしに行ったの?」
アマイモン「五年前の利子を受け取りにって言ってたな……」
ルシュファー「ふぅん……」
自分で聞いておきながら興味ナッシングなルキであった。
あんまりだ。
シャイターン「この様子じゃあ今回も七元徳(の情報は持ち帰ってこられそうにないわね」
アマイモン(本当に、七元徳(とは一体何なんだ……たかが人間(風情に七罪塔(を配下に収めるプログラムを作り出す
ことが本当に可能なのか!?)
しかし、その質問に答えをくれるものはどこにもいないのだ。
END
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