Eighter -Blindness Wizard-
15ther 〜捩れし存在の相貌(ルックス) B〜



#3
 メタノール女学院のグラウンドに手かんなとエランドラがグラウンドでいざ、尋常に死合!ってなったその少し
前、レヴィアはというと……
 ここは、誰もいない教室……そこにレヴィアは一人の女子生徒と共に居た。
レヴィアタン(《キツネザルの使徒》……来たのね……)
 歪めし水晶体(ディストートレンズ)が破壊され、天命(ネフェシュ)が吸えなくなったことでレヴィアはそう確信した。
レヴィアタン(そして、シレントワイザードも……か……)
 ここいらが潮時か……そんなことを考えるレヴィアであった。
塞微刈音(そっくび・かるね)「ねぇ、レヴィア、首尾はどう?……うまくいってるかしら?」
レヴィアタン「……ええ、そうね。全て、うまくいっているわ」
 悪い笑顔でそう返すレヴィア。
刈音(かるね)「ようやく、私の願いが叶う時が来るのね!」
 彼女の願い、それは……復讐!
刈音(かるね)「見てなさいよ!私は、私という存在を知らしめてあげるんだからッ!」
 ここで、少し、彼女について語ろう。
 彼女はクラスの中で無視されてきた。そこにいるのに、いないものとして扱われてきたのだ。
 一体、何が原因でこうなってしまったのか今となっては知るすべはないが、比喩的な意味で透明にされた彼女に
レヴィアは近づいて歪めし水晶体(ディストートレンズ)を与えた。
 その結果、今や物理的な意味合いで透明になりつつあることに気づかず……
レヴィア「そうだ!面白いことを考えちゃった!」
 そう呟くと、レヴィアは指パッチンを一つ。
 ガタンッ
刈音(かるね)「なっ、何!?」
 すると、突如教室が闇に閉ざされたかのように真っ暗になる。電気が消えても、こうはならない。
 だが、それも束の間……すぐに教室に光は戻る。
 ……そして、そこにはレヴィアの姿しかなかった。

フキエル「ここかッ!」
 と、そこへ、フキエルが殴り込んでくる
レヴィアタン(来たわね……)
山咲(やまざき)桜「ようやく追いつきました!」
 そして、桜もまた、到着する
フキエル「お前も大概しつこいな……」
 チッと舌打ちしつつ桜を睨み付ける。
フキエル(だが、コイツの戦闘能力は皆無のはずだ……)
桜「……」
 桜はフキエルを無視して目の前の刈音(かるね)をじぃっと見つめる
レヴィアタン(な、何だ?あの目……まさか、気づいたって言うの?!)
 桜は、あることに気づいた。
 見破られることはないと思い込んでいたレヴィアにとって、それは戦慄以外の何物でもなかった。
フキエル「シレントワイザードの大願のために、お前を捕縛する!」
 一方、フキエルはというと何にも気づいていない様子であり、若干ほっとするレヴィアだった。

#4
 さて、ここで話はかんな VS エランドラに戻ります。
華豈(かあに)春代「それでは、第一ラウンド、開始〜」
 カ〜ンとどこからともなくゴングを取り出し、それを鳴らす春代。
エランドラ「簡単に死ぬんじゃねぇぞ!」
 俺は詰まんねぇ死合なんざ嫌いだからなぁ!と豪語するエランドラ。流石は戦闘バカである。
 ってか、なんでこの人は律儀に司会進行に沿ってバトルを行うのか?……脳筋だからか?
 ともかく、一足飛びにかかるとそのまま大剣を打ち下ろすエランドラ
白拍子かんな「はっ!」
 ギンッ
エランドラ「ほぉ?これを受けるか……」
 力には自信のあったエランドラの一撃を受け止めたことに感心するエランドラ。
エランドラ「だが、今のはほんの古典の調べよ!」
 クラシック音楽かよ!
かんな「私の方もまだ全力ではありませんから……」
エランドラ「面白ぇ!」
 だったら貴様の全力、見せてみろ!と一旦身を引いて距離を置きつつ、かんなを挑発するエランドラ
かんな「では、遠慮なく……鳳鸞舞刃(ほうらんぶじん)!」
 ゴガンッ
 エランドラが距離を置くと同時に神滅超越者を横に薙ぎ払い、斬撃を放つとともに平安を(もたら)す鳳凰を解き放つ
エランドラ「ハッハーッ!舞い踊る炎閃(フランメ・タンツェン)」
 ズドムッ
 緑の炎を纏った剣閃を繰り出し迫る鳳凰を真っ二つに切り裂くエランドラ
エランドラ「どうした?そんな程度じゃこの俺を満足させることは出来ねぇぜ?」
かんな「別にアナタを満足させるために死合っているわけではないので……」
 当然の切り返しであった。
エランドラ「何だと、てめえ、巫山戯(ふざけ)んじゃねぇ!在りし炎の禍(フランメ・ウングリュック)!」
 ゴガアアッ
 謎の怒りと共に、緑の炎の渦を巻き起こすエランドラ。
かんな「巫山戯(ふざけ)ているのは……そっちの方でしょう?」
 すっ
エランドラ「ぬお?!」
 迫る炎の渦を華麗に回避すると一気に間合いを詰めるかんな。
 勿論、ただ間合いを詰めるだけでは終わらない
かんな「龍咬舞刃(りゅうこうぶじん)!」
 キィンッ
 至近距離からの容赦のない斬撃。
 応龍(おうりゅう)に変幻する光の龍がエランドラに炸裂し、盛大に吹き飛ばされるのであった。
春代「おおっと、これで勝負はついたか?!」
かんな(この程度で勝敗は決しないんでしょうね……)
春代「では、テンカウント、言ってみよ〜〜」
一同「い〜〜ち、じゅ〜〜う」
 うぉい!いきなり十になっとるがな!……と思ったら続きがあった
一同「ひゃ〜〜く、せ〜〜ん、ま〜〜ん……」
 テンカウントって十の乗数かよ……
 さておき、エランドラはテンカウントまでに起き上がることはできるのか?
※別に過ぎてもルール無用の死合なんで続行できますが……

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