Eighter -Blindness Wizard-
14ther 〜歪みし存在の記録(メモリー) C〜



#5
 メタノール女学院で暗躍する七罪塔(しちざいとう)。それを阻止することは可能なのか?!
 メタノール女学院、校門前
エランドラ「ここか!七罪塔(しちざいとう)のどれかがいるってのは」
フキエル「ちょ、ちょっと待ってください!」
 何食わぬ顔で堂々と学院内に入り込もうとするエランドラを止めるフキエル。
エランドラ「正面突破こそいくさの華……」
フキエル「マテマテ、ちょっと待て〜!」
エランドラ「あぁ?てめぇ、いい加減にしないといくら温厚な俺様でも容赦しねぇぞ?」
 ズゴゴゴゴゴッとすさまじい怒気をまき散らすエランドラに思わず怯んでしまうフキエルであった。
 と、言うか、アンタ言うほど温厚な性格か?!
フキエル「エランドラ様、女子高(あそこ)に我々がそのまま突撃するのはちょっと……」
 女子高に突撃して(社会的に)無事でいられるだろうか?いや、そうはなるまい!
エランドラ「チッチッチッ、甘いぜ!俺がそんなことを考えてないとでも思ったか?」
フキエル「なっ、まさか!?」
 脳筋だと思っていたが、既に策を!?と驚きを隠せないフキエル
エランドラ「誰かの父兄だって言い張れば万事解決よ!ガッハッハッハッハ!」
フキエル「……」
 ちょっとでも感心した自分が馬鹿だったと反省するフキエルだった。
*「全く、お前たちはさっきから何を馬鹿なことをやってるのであ〜〜るか!」
フキエル「なっ、その声は!?」
 その時、突如背後から誰かの声がする。
 と、言うか、言うまでもなくエスティリオである。
 なんでここに(自称)天才が?!とフキエルが振り返ってみると、そこにはホログラムのエスティリオがいた。
エランドラ「エスティリオじゃねぇか!お前、なぜここに?!」
エスティリオ・アリーフ・ザンスパイン「そう、ワガハイこそは希代の大天才、エスティリオ・アリーフ・ザンス
パインなのである!……そしてぇ、君たちが今見ているコレはワガハイの渾身の傑作!嵐流の追弁(ストリーミング・ストーカー)なのである!」
フキエル「は、はぁ……」
 微妙に会話がかみ合ってない……
エスティリオ「ところで、貴様らは一体何であるか、忘れているのか?」
エランドラ「フッ、なんであるかといわれたら、答えてやるのが世の情け」
フキエル「いや、そういうのいいですから……」
 お前は□ケット団かよ!と心の中で突っ込みを入れるフキエルであった。
エスティリオ「いいか!よく聞け!貴様らは魔術師である。そして魔術師ならば、魔導書の力で姿を変えることも
造作もない!」
フキエル「はっ!そうかッ!」
 エランドラはまだイマイチよくわかってないようだが、フキエルが分かっているのでそこは問題ない

#6
 一方、総介らと共にメタノール女学院の近くまでやって来たEighterの面々はというと……
 シレントワイザードがいる校門前とは違う場所の近くにたどり着いていた。
 具体的に言えば、シレントワイザードはいわゆる表門の方に、Eighter一行はいわゆる裏門の方に集っていた。
※場所がバッティングしないのはかんなの超運のなせる技である。
(かみ)総介「さて、ここまでやってきたは良いが、問題が一つある」
梓與鷹(よたか)「問題?」
 そんな問題あったか?なんて思っているとかんなが呟く。
白拍子かんな「ここが女子高だってことですね」
與鷹(よたか)「あ〜〜、それは確かに大きな問題だな……」
 流石に女子高に乗り込むのは躊躇(ためら)われる男性陣であった。
 ちなみに、今、ここにいる女性陣はかんな、かれん、かなり、桜の四人だ。
※なお、余談だが、かれんはかなりに鎖でつながれてしくしく泣いています。どうやってここまでやって来たのか
 よくわかりますね。
白拍子かなり「オ〜〜〜ッホッホッホッホッホ、こんな場所、ウチのかんなとかれんがいれば造作もないわ!」
 かなり姉さんは出撃しないんですね……なんてかれんが考えてると、ギロリとかなりに睨み付けられて委縮する
かれんであった。
 かなりの前で余計なことを考えるからだよ。
かなり「さ、二人とも、コレに着替えて出撃するのよ!」
 と、言ってかなりがババ〜〜ンとどこからともなく取り出したるは天四斗(あまよと)工業のブレザーとどこかしらの学校の
セーラー服だった。
 無論、ブレザーはかつてかんなが着ていた代物である。

 と、言うわけで早速ブレザーに着替えるかんな、セーラー服に着替えるかれん。
かなり「流石、似合ってるわよかれん」
白拍子かれん「え?!そ、そう?!」
 普段かなりにはイジられることはあっても褒められたことがないかれん。
 だが、褒められるのはなんだかどうにも、いい気分……なのかもしれない
かなり「そのまま路地裏でオッサンをホテルに連れ込めば稼ぎ放題よ!」
かれん「嫌すぎるわ!」
 前言撤回、やっぱりイジられるかれんなのであった。
総介「今は遊んでいる場合ではないぞ!」
かれん「いや、遊んでいたのはかなり姉さんであって私はいたって真面目なんですけど!」
 ものすごく釈然としないかれん。
山咲(やまざき)桜「では、行きましょう」
與鷹(よたか)「……ってか、いつの間に制服に着替えたんだ!?」
 気が付いたら桜も制服い着替えていた。
 さておき、Eighterの面々も、いざ、出陣である。
 この先、七罪塔()が出るか、シレントワイザード()が出るか……いや、どっちも出ます。


続

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