Eighter -Blindness Wizard-
14ther 〜歪みし存在の記録(メモリー) B〜



#3
 メタノール女学院で起きた事件!?
 そこには場違いな黒き遺物(ネガティヴ・オーパーツ)が関与してるというのか?!
※いや十中.hack//(ハック)関与してることが分かり切っていそうですが……
 メタノール女学院、生徒会室
津知(つち)ぱぱら、鏈陀(れんだ)とうん「どういうことなのよ!これは!」
阿部いらる「ですから、お伝えした通り、貴方方の作品の上映を中止とします」
ぱぱら、とうん「それが納得いかないって言ってるのよ!」
 ダンと机に拳を叩きつけて二人が叫ぶ。
ぱぱら「ボーイズラブのどこがいけないって言うのよ!」
いらる「いや、別にそこがいけないってわけじゃなくて……」
 そう、映研が放映しているのはボーイズラブの作品だったのだ!
 なお、主演しているのが全員女性(ってか女学校なので当然ですが……)なので外見はボーイズラブだけど実質
はガールズラブである。
とうん「裸のお付き合いのどこがいけないって言うのよ!」
いらる「『裸の付き合い』の意味をもう一度考え直してください!」
 一方アニ研が上映しているのは、『裸の付き合い』などとヌかしているが、ただのエロアニメである。
華豈(かあに)春代「貴方方が放映した作品を見た生徒、保護者の殆どが気分がすぐれないといって保健室に押し
寄せていることはご存じでしょう?」
ぱぱら、とうん「そ、それは……その、刺激が強すぎた?」
春代「そんなわけないでしょ!」
 バンっと春代も机に手を叩きつけて叫ぶ。
 気分が悪くなる人が続出しなくとも、上映している作品の内容のせいで上映中止になりかねない。
※ってか、上映する前に監査とかしなかったのか?
ぱぱら、とうん「でも、文化祭開催前に試写会を行った際は特に問題はなかったわよ」
いらる「それは貴方方が普段からそういうのに慣れ過ぎて妙な耐性がついているだけなのでは?」
ぱぱら、とうん「……」
 一理あって怖いと思う二人であった。
*「もう、保健室に人が入りきらなくて困ってるんですけど……」
 と、そこへやってくるのは不死身研究部、通称フジ研の部長、永久野愛(とわの・めぐみ)だ。
 彼女は今、保健室で救護の任についていたのだが、映研、アニ研が巻き起こしたトラブルでてんてこ舞い。
 苦情の一つも言いに来たくなるというものだ。
※エイケン、げんしけん、フジケンって……
いらる「困ったわね……」
永久野愛(とわの・めぐみ)「まぁ、今は保健室からすべての家財を外に運び出して、患者を立ったまま入れられるだけ入れて事なき
をえているんだけど、もう、人の上に人を乗せるなりしないと無理よ」
一同「既に限界突破ッ!」

#4
塞微刈音(そっくび・かるね)「……どうするのよ、このままじゃ……」
 そして、別の教室では今回の黒幕……に操られているとはつゆ知らず自分が黒幕だと思い込んでいる彼女が焦り
ながらレヴィアに相談していた。
レヴィア「ちょっと……強すぎたかしら……?」
レヴィア(ふん、脆弱な人間(パーツ)風情が……これでも最低レベルのモノを使用しているというのに……)
 心の中では忌々し気に毒づくレヴィア。
刈音(かるね)「どうするのよ!レヴィア!このまま終わらせるわけにはいかないの!あなたもわかっているでしょ!」
レヴィア「ええ、当然よ……だから、次の手は考えてあるわ……」
刈音(かるね)「うんうん、そう来なくっちゃ」
 満足げな刈音(かるね)だった。

 一方その頃……
 天四斗(あまよと)、Eighter本部
(かみ)総介「行くぞ!」
梓與鷹(よたか)「え?行くってどこに!?」
 また突如やってきては、明確な行先も告げず一緒に来いと言い出す総介。最早最近では恒例の行事と化している
きらいがある。
白拍子かんな「また七罪塔(しちざいとう)の暗躍ですね?」
総介「ああ」
 総介がここへ来るということは、もう間違いなくそれくらいしかない。
山咲(やまざき)桜「一刻も早く三重県へ行きましょう……」
 既にシレントワイザードも動いているということか?と與鷹(よたか)が訪ねると、愚問だなと言いたげな目で見つめ返し
てくる総介だった。
與鷹(よたか)「だが、総……お前はどうやって場違いな黒き遺物(ネガティヴ・オーパーツ)の暗躍を察知しているんだ?」
 かつてかんながレムリアと超運を駆使しても場違いな黒き遺物(ネガティヴ・オーパーツ)の居場所をピンポイントで探ることは叶わなかっ
た。
 だからこそ、與鷹(よたか)は総介がどうやって場違いな黒き遺物(ネガティヴ・オーパーツ)の暗躍を察知しているのかが疑問だった
総介「今は詳しく話している時間はないッ!」
與鷹(よたか)「……」
 まぁ、そう返されるのは半ば分かっていたことだが、では、いつになったら話してくれるのだろうか?
 あるいは伝えられない理由があるのか!?
 さておき、Eighterも総介らと共に三重県、四日市市にあるメタノール女学院へと向かうのであった。

 そして、舞台はメタノール女学院に戻る。
 メタノール女学院、生徒会室
いらる、春代「内容はともかくとして、問題はないようね……」
ぱぱら、とうん「だから、そう言っているでしょ〜が!」
 映研、アニ研の作品をひとまずここにいるメンバーで視聴してみるのだが、特に気分が悪くなることはなかった
 (むし)ろ、何かこう、妙にハァハァするのは気のせいだろうか?!
 だが、それは当然である。事件は体育館、視聴覚室で起きているのだから。


続

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