Eighter -Blindness Wizard-
12ther 〜七罪塔は出現せり C〜
#5
かんな VS バーニーヤ、その試合は白熱す?!
だが、こんな場所でまごついている場合ではない。一刻も早くバーニーヤを降して七罪塔(の元へ向かわなければ
ならないというのに……
茜瑙哭((これ以上時間をかけるのは愚策……)
白拍子かんな(分かっています)
やはり、相手が再起不能になるのも気にせず一撃を叩き込むべきか……
だが、かんなはそこまで非情には徹しきれない。
優しすぎると人は言うかもしれないが、それがかんななのだ。
と、その時、意外なところから救いの手が差し伸べられる。(いや、別に以外でもないが……)
上(総介「ここは俺が引き受ける。お前は先に行け!」
梓與鷹(「総?!」
その名は総介!
バーニーヤ「ハッ、選手交代だとでも?」
シレントワイザードが相手では総介は致命的に、絶望的に相手が悪い。
それは、フェアリータイプにドラゴンタイプで挑むようなモノだ。
※いや、どんな例えだよ!
山咲(桜「いえ、ここは上(警部に任せてください」
與鷹(「しかし、総は……」
かんな「……分かりました」
與鷹(「ええ?!」
與鷹(が驚くのも無理はないが、しかし、総介がそこまで言うのであれば、何か策があるということか?
バーニーヤ「逃がすとでも思っているのかよ!」
総介「させるか!」
この場を総介に任せ先に駆け出すかんなの行く手を阻むのはバーニーヤだが、しかし、更にそれを阻む総介
バーニーヤ「てめぇ!」
だが、総介の持つ蒼い刀を見てバーニーヤは内心北叟笑む。
バーニーヤ「馬鹿が!響きの鎖縛!」
ジリリリリリリッ
これぞ、シレントワイザード謹製対総介究極兵器!
何故か目覚ましを彷彿させる音が鳴り響く鎖が相手を縛り飛ばす。
バーニーヤ「勝ったぁ!第三部完ッ!」
謎の勝利の雄叫び
※いや、その宣言は何なのか?!そもそもEighterでいえば今は第五部だから
総介「フン」
いつもならばここで総介が頽(れ勝敗が決まるところだが、今日はそうはならなかった。
力任せに響きの鎖縛を弾き飛ばす。
バーニーヤ「馬鹿な?!」
貴様、やせ我慢はよくないぞ!と内心突っ込むバーニーヤ。
だが、実際にはやせ我慢でどうにかなるような代物ではない。
與鷹(「総、お前……」
何をした?!と、内心バーニーヤが驚嘆していると総介が続ける。
総介「これ見よがしに弱点を晒せばそこを突きたくなるのが人というもの」
バーニーヤ「なん?!」
つまり、今総介がもっている蒼い刀は鬥址偶襾(の加護を受けし蒼王の刃(ではないということだ
では、蒼王の刃(はどこに?
それは桜が知っている。いや持っている。しかも蒼王の刃(だけでなく、藍后の刄(もだ。
#6
そもそも、鬥址偶襾(の加護を受けし蒼王の刃(と藍后の刄(を装備している限りシレントワイザードには太刀打ちで
きないのであれば、別の武器を手に入れればいいだけのことだ。
こんなこともあろうかと思って、総介は準備を行っていたのだろう。
それが間に合ったのは僥倖だ。
與鷹(「総……それは……?」
総介「青臣(……」
それがこの刀の銘。
バーニーヤ「貴様ッ!」
ギリリと歯軋りしつつ総介を睨み付けるバーニーヤ。
ルート(だけど、所詮は付け焼刃なんだからね!)
バーニーヤ(何!?……そうか!)
対総介究極兵装に対抗するために本来使っていた得物ではなく、代用品を使う。
それはつまるところ、今の総介は本来の力を十全に発揮できないということに他ならない。
バーニーヤ「だが、貴様は選択を誤ったな」
與鷹(「何だと?」
総介ではなく、與鷹(が聞き返す。
バーニーヤ「死ね!降り注ぐ石弾(!」
キュドドドドドドッ
リング状の刃を回転させると同時に無数の石飛礫(を発射!
更に刃の回転を利用して宙を舞い、追撃を行う。
総介「フン……抉蒼紅穿(!」
だが、事も無げ石飛礫(に回避し、剣をドリルのように回転させバーニーヤに迫る総介。
バーニーヤ「うおおお!」
総介「ハアッ!」
ズガガガガガガガッ
回転 VS 回転!
それは鎬を削るどころか他にもいろんな場所が削れてしまうような激突。
バーニーヤ(こいつ……強い!)
鬥址偶襾(の加護を受けずともここまでできるとは、バーニーヤにとって想定外だった。
※総介にしてみれば鬥址偶襾(の加護なくともバーニーヤと渡り合えると考えたからこそ、かんなを先に行かせたわ
けなのだが……
ルート(だけど、甘いんだからねっ!)
ルートの想いを受け取りニヤリと笑みを浮かべるバーニーヤ
バーニーヤ「突き出る石槍(!」
ズドンッ
突如総介の足元から石の槍が!
與鷹(「総ッ!」
桜「大丈夫です」
思わず悲痛な叫びを絞り出す與鷹(だが、しかし……
バーニーヤ「何ぃ!?」
まるで予期でもしていたかの如く、総介は飛び退って距離を取ることで石の槍を回避していた。
バーニーヤ(こいつ、予知能力でもあんのか?!)
驚きのあまり動きを止めてしまうバーニーヤ
#7
ルート(危ないんだからねっ!)
バーニーヤ「はっ!?」
石の槍衾を飛び越えて迫る総介。
ルートからそれを伝えられ、死合に集中しなおすバーニーヤ。
バーニーヤ「貴様、何故」
何故さっきの攻撃を回避できたのか?
予知能力でもあるのか?
総介「フン、貴様がニヤリと邪悪な笑みを浮かべたからな、地面から槍が突き出るだろうことはすぐ分かった」
バーニーヤ「あっ、しまった!」
さておき、死合はまだこれからだ!
END
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