Eighter -Blindness Wizard-
12ther 〜七罪塔(しちざいとう)は出現せり A〜



#0
 東京のさる専門学校で起こった首吊り事件。
 首をつって自殺を図った生徒を司法解剖した結果、死因は司法解剖したショックで死亡という驚くべき結果が出
ることとなってしまった!
 首を吊った生徒は場違いな黒き遺物(ネガティヴ・オーパーツ)の手によって生命活動を停止されてはいたが、まだ死亡してはいなかったと
いうことだ。
 場違いな黒き遺物(ネガティヴ・オーパーツ)は人間をパーツとして消費する。その消費されるモノとは、万物がもつ生命エネルギー、天命(ネフェシュ)
だったのだ!

#1
 東京都、迥巛(はるかわ)工業専門学校
*(来たか!……だが、これは《キツネザルの使徒》ではない!?)
 この専門学校を実験場という名の餌場に暗躍してきた場違いな黒き遺物(ネガティヴ・オーパーツ)七罪塔(しちざいとう)が一つである彼女はこの地に何
者かが訪れたことを察知した。同時に、それはEighterではないということも察知していた。
渡持如考前悪(わたもい・かめあ)「どうしたの?」
*「いや、何でもないよ……」
*(《キツネザルの使徒》ではないのならば、奴らはシレントワイザードか……)
 そんなことを考えていると、ガラガラっと教室のドアが開かれる
サーフィス「お、お邪魔します……」
考前悪(かめあ)「だ、誰よ、アンタ!」
 ヒステリック気味に声を荒げるのは場違いな黒き遺物(ネガティヴ・オーパーツ)に使われている哀れな女子生徒だ。
サーフィス「そそ、そっちこそ誰!?」
 七罪塔(しちざいとう)ではなくでびっくり仰天、途端にオドオドしだすサーフィスであった。
*「一応、聞いておこうか……お前は何だ?」
サーフィス「ああ、良かった。ちゃんと七罪塔(しちざいとう)もいた」
 謎の安堵。
サーフィス「ぼ、僕の名前はサーフィス……シレントワイザードの魔術師……だよ……そして、こっちはイオだ」
イオ「……」
 紹介されても無言を貫くのは彼の魔導書娘である。
考前悪(かめあ)「そんなこたぁどうでもいいのよ、アンタ一体何なのよ、アンタの知り合い?」
*「(むし)ろ、敵だけど……」
考前悪(かめあ)「なっ!」
サーフィス「ちょ、ちょっと黙ってて……」
考前悪(かめあ)「あがっ?!」
 ビリビリっと電撃のようなものが走ったかと思うと、考前悪(かめあ)は微動だにできなくなる。
*「面白い芸当だね……それが魔術?」
サーフィス「頂の世界(トップ・オブ・ザ・ワールド)って言うアーティファクト……だよ……げ、原理は知らないけど……」
 それよりも、《暴食(グラトニー)》のベルゼビュートでいいのかな?としどろもどろに問いかけてくるサーフィス
ベルゼビュート「ああ、そうだが……」
 確かに俺の事をベルゼブブと呼ぶ奴もいる、だが、俺の名前はベルゼビュートだ!
※なぜ□マサガ3のハ〇ードの冒頭風?
サーフィス「し、シレントワイザードの大願のため……お前を捕縛……する」
ベルゼビュート「面白い!やってみろ!」
 かくて、シレントワイザード VS 場違いな黒き遺物(ネガティヴ・オーパーツ)の死合は始まった

#2
(かみ)総介「チッ、どうやら一足遅かったか……」
 迥巛(はるかわ)工業専門学校にたどり着いた一行だが、総介が苦虫を噛み潰したかのような表情で毒づく。
 それもそのはず、一行の目の前(学校の玄関だが……)には一人の魔術師(と魔導書娘)が陣取っていた。
バーニーヤ「来たな!我らがシレントワイザードの野望を阻むもの……ここから先はこの俺、バーニーヤとルート
が通さん!」
ルート「通さないんだからね!」
 バーニーヤに続いてルートも啖呵を切る。
 と、言うか、大願じゃなくて野望でいいんですかね?
梓與鷹(よたか)「あ、ザバーニーヤ」
バーニーヤ「うるせぇよ!俺の事を『Theバーニーヤ』なんて呼ぶんじゃねぇよ!」
ルート「呼ぶんじゃないんだからんね!」
與鷹(よたか)(地味にウザいな、あいつ……)
山咲(やまざき)桜「(かみ)警部……」
総介「ああ、わかっている、ここを突破しない限り七罪塔(しちざいとう)にはたどり着けないようだな……」
 だが、シレントワイザードの魔術師は総介に特化して無力化する術を持ち合わせているため、今、この場では総
介は戦力外となる。
雨水(おぼろ)「つまり、ここは私の出番ってわけね?」
 腕をぐるんぐるん振り回しながら一歩前に出る(おぼろ)
白拍子かんな「いいえ、私が出ます」
(おぼろ)「え〜?」
 そんなに死合いたいのだろうか?と與鷹(よたか)が心の中で突っ込みを入れる。
バーニーヤ「誰でもいい、来やがれ!ルート、我が元に帰れ(ヴォレーゲン)!」
ルート「承知なんだからね!」
 バーニーヤが叫ぶと同時にルートが光に包まれる。そして、綴じ合わせが解かれた本のように無数の紙片となり
て宙を舞い、バーニーヤを覆う鎧となる。
 更にバーニーヤは懐から鍔と柄だけの刀を取り出す。
與鷹(よたか)「あれは?!」
 それは間違いなく魔形刀(マナヒョンド)だった。
 何度かの実戦を経てシレントワイザードの魔術師全員に魔形刀(マナヒョンド)が渡される運びとなったのだろうか?
バーニーヤ「幾多の環を持つ偉大なる大地の魔星、その御力、我が(わだち)となりてここに顕現せよ、サイクラノーシュ
!」
 ズドドドオンンッ
 土星の輪を髣髴させる巨大な岩のリング状の刃が出現、それをフラフープのような感じで持ち構えるバーニーヤ
であった。
 なんかそれ、幽〇で見たことあるぅ!と(おぼろ)が心の中で叫んだ。
バーニーヤ「行くぜオラぁ!」
 と、言うわけで、かんな VS バーニーヤとの死合も始まる。


続

前の話へ 戻る 次の話へ