Eighter -Blindness Wizard-
11ther 〜首縊りは連鎖せり B〜
#3
東京都、迥巛(工業専門学校で起こった首吊り事件。
驚くべきことに、過去5年のうちに実に100人を超える人間がそこで首を吊っていたのだ。学校で一体何が起こっ
ているのだろうか?
雨水朧(「ってか、こんだけ人が死んでるんだったら騒ぎになってるんじゃないの?」
資料を盗み見していた朧(は思った疑問を口にする
梓與鷹(「まぁ、学校側が隠蔽したってのが妥当な線じゃないか?」
朧(「……自殺の名所って言う学校に入りたいなんてもの好きはいないってことね」
ただ、真実はそれだけではないんだろうがな……と心の中で呟く與鷹(なのであった。
上(総介「さて、行くぞ……」
もう、これ以上の説明は不要だ!とばかりにEighterをせかす総介。
総介が強引なことは別に昨日今日始まったわけではないので、與鷹(もやれやれだぜぇって言った感じで総介と共
に東京へと向かうのであった。
一方その頃……
東京、警視庁
警官「そ、その……中川警部……」
中川邦武(「どうした?」
学校での捜査を一旦切り上げ、警視庁へ戻ってきた中川警部に鑑識の結果が届けられる
警官「鑑識の結果が出たんですけど……」
何やらしどろもどろしている警官。挙動不審だなこいつと中川警部が心の中で首をかしげる。
邦武(「いいから、鑑識の結果を聞かせてくれ」
警官「あ、はい……」
では、と覚悟を決めて、警官は語る。
なぜに報告するだけで覚悟が必要なのか!?
警官「では、鑑識の結果、死因はショック死」
邦武(「はい!?ショック死?!……縊死(じゃないのか?」
まず、いきなり出てきた死因に思わずオウム返し。
警官「そ、そして……死亡推定時刻は……」
邦武(「おい、ちょっと待て、そんな馬鹿な事あるかいッ!」
思わずその場で立ち上がって大声を張り上げる中川警部。そんな彼を見て、一行はどうしたんだ?と一様にこち
らを見るが、今はそんなことはどうだっていい。
警官「で、ですが……鑑識の結果が全てを物語っているんですよ」
そう、告げられた死亡推定時刻が問題だった。
……なぜなら、それは、司法解剖を行っていた時間だったからだ。
それではまるで、人間が生きながら麻酔もなしに司法解剖を行わえれたショックで死亡したと言っているような
ものである。
そんな馬鹿な鑑識結果を見せられて、疑わない方がどうかしているというものだ。
邦武(「ちょ、貸してみろ!」
警官「あっ……」
警官から鑑識結果を奪い取り、自分でも確認してみる中川警部。
しかし、いくら見直しても、司法解剖のショックで死亡したとしか思えない結果がそこには記載されていた。
#4
邦武(「一体、これはどういうことなんだ?」
山咲(桜「結論はもう既に見えているんじゃないですか?……まだ、彼と彼女は死んではいなかった……」
一同「ぬぅはぁ!?」
突如背後より現れた桜にビックリ仰天する警官一行
一同「かっかか、かかかっ、かかっかかかかっ……かかか上(警部ぅ!?」
総介「お前らいい加減驚き過ぎだ」
全員がその場から思わず後退りするのを見て、総介は深いため息をついて呟くのであった。
※なお、総介だけではなく、Eighterのメンバーもいますよ。
與鷹(「総……死んでいなかったってのは一体……」
総介「フン、そのままの意味だろう……」
いや、意味が分からないから聞いているんだが……
朧(「首を吊っていた二人は、まだ一命をとりとめていたってこと?」
警官「待ってくださいよ、我々警官が、生きた人間を司法解剖するわけないじゃないですか!」
首をかしげならそんなことを呟く朧(に、意義あり!その推理は成立しなぁ〜い!的な感じで無能警官が叫ぶ
警官「いや、もしかすると……」
と、その時、一人の無能警官があることを思いつく
警官「あの二人は仮死状態だった……そして、司法解剖のメスが入った途端息を吹き返し、そして、自分はまだ生
きているぞ!と証明するよりも早く、司法解剖が完了したことにより……」
そんな馬鹿なことありえるかいッ!
一同「な、なるほど……ウチの司法解剖班の解剖スピードはマグロの解体ショーより速いだろうという点を鑑みれ
ば、強ち間違いではないかもしれませんね」
総介「間違いだらけだ馬鹿野郎!」
総介の怒号が響き渡る。
※と、いうか、断定じゃなくて推定でモノを言うんじゃありません!……そもそも、マグロの解体ショーと比較す
んなよ……
総介「この事件(はたった今から俺の管轄だ!てめぇらはとっととこの場を去れ!」
一同「い、イエッサァ〜〜!」
かくて、中川警部を筆頭に、無能警官はその場から去っていくのであった。
與鷹(「で、総……話を戻すが……」
総介「ああ、今回の件、間違いなく裏で糸を引いているのは場違いな黒き遺物(だ!」
なぜそこまで断定できるのか?
桜「では、ここで言うまでもないことかもしれませんが、場違いな黒き遺物(について説明しましょう」
朧(「確かに、言われるまでもなく知ってる……」
桜「場違いな黒き遺物(にとって、人間とは消耗品のようなもの……つまり、人をパーツの様に消費するという特徴
を持つアーティファクトのことです」
では、一言に消費すると言っていますが、彼らは一体何を消費するのでしょうか?
與鷹(「それは……」
改めて投げかけられた質問に、與鷹(は勿論の事、その場に居合わせた全員が答えられなかった。
だが、その答えが、今回の事件(のヒントになるのだろう……では、それは、一体!?
続
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