Eighter -Blindness Wizard-
5ther 〜彼女は黄泉へ赴く C〜



#5
 山梨県の某所にて静かに暗躍する七罪塔(しちざいとう)。
 そんな七罪塔(しちざいとう)の動きをかぎつけてシレントワイザードも動き出す。
 では、我らがEighterはどうなのか!?
 天四斗(あまよと)、Eighter本部
(かみ)総介「今すぐ山梨へ急げ!」
 ある日の事だ、またもや突然総介がEighter本部を訪れたかと思うと血相を変えて叫ぶ
梓與鷹(よたか)「おいおい、どうしたんだよ、総……」
山咲(やまざき)桜「既に七罪塔(しちざいとう)は新たな動きを見せています」
與鷹(よたか)「何だって!?」
一同(ってか、この人、そんな情報を一体どこから仕入れてくるんだろう?)
 確かに、それは謎である。
 が、今はそんなことは重要ではないので割愛します。
與鷹(よたか)「もしかしてシレントワイザードも動き出しているってことか?」
総介「ああ、そうだ。だから、一刻も早く山梨へ向かえ!」
與鷹(よたか)「わ、わかったけど、総……お前、どこからそんな情報を仕入れてくるんだ?」
総介「そんなことは今はどうだっていい!」
 いやいやいや、ちゃんと説明してよ!って思う一行であった。
 ともかく、Eighterも遅れながら山梨へと向かう。

 道中、総介は語る
総介「事の発端は山梨にて起きた女子中学生が連続して不審死を遂げるという事件だ」
白拍子かれん「不審死とは穏やかじゃないわね……」
桜「犠牲者は今のところ三人……いずれも結彷徨(おちなし)中学の女子生徒です」
與鷹(よたか)「で、不審な点ってのは何だ?」
総介「彼女らは全員、股割りをした状態で殺されていた。しかも道のど真ん中でだ!」
かれん「それはまた……」
 不審というかなんというか……
桜「調査の結果、彼女たちは全員同じクラスの生徒で、そのクラスを取り仕切る女子グループの中核であることが
分かりました」
 そして、一人の女子生徒をハブっていることも判明したのですと続ける桜。
総介「ハブられた女子生徒の名は弑野阿朱子(しいの・あしゅこ)」
桜「……誰にでも股を開く淫乱ビッチなどという根も葉もない噂によるイジメを受けていたそうです」
かれん「あ〜〜、だから殺された女子生徒は、そんな彼女の恨みを受けて股割りされた状態なのね……」
※誰にでも股を開くってそういう意味じゃなくない?
 と、言うかまだ彼女が殺した犯人だとは言ってない。
與鷹(よたか)「ってか、事実無根なのにそんな噂でイジメとか……」
 現代っ子って怖ぇ〜って思う與鷹(よたか)であった。
白拍子かなり「オ〜〜〜ッホッホッホッホッホ、どうせ名前のせいよ!」
かれん「いや、名前のせいってそんな無茶苦茶な……」
総介「フッ……弑野阿朱子(しいの・あしゅこ)……CのH(アッシュ)子か……」
 え?そんな理由で!?って思う與鷹(よたか)。まぁ、それ以外にも理由はあるのかもしれないが……
 さておき、そんなこんなで一行は結彷徨(おちなし)中学にたどり着いた。

#6
 山梨県、結彷徨(おちなし)中学
総介「チッ、どうやら一足か二足遅かったようだな……」
與鷹(よたか)「それはどういう?」
桜「グランドを見てください」
與鷹(よたか)「はっ!」
 桜に言われて與鷹(よたか)がグランドを見てみると、そこには少女を携えた一人の漢がいた。
與鷹(よたか)「まさか、奴はシレントワイザードの魔術師!?」
フキエル「来たか、我らがシレントワイザードの大願を阻まんとする愚か者どもよ」
 だが、ここから先は通さん!といわんばかりのフキエルであった。
総介「そこを退け!七罪塔(しちざいとう)域外神(アウターゴッド)は貴様らの手に負えるものではない!」
フキエル「そうはいかん!俺はシレントワイザードの魔術師が一人、フキエルよ……貴様らはここから先に一歩た
りとも通さん!」
 すっと右手の甲を見せるフキエル。そこには三文字ずつ区切って記載されたシレントワイザードの文字があった
與鷹(よたか)「フキエルだと!?……よもやドキエルって奴もいたりするんじゃないだろうな」
フキエル「確かにいるが……」
一同「え〜」
 唖然とする一行。
 以前エスティリオがラキエルを引き連れてEighter本部に来た時、奴はラキエルのことをを『Theラキエル』と呼
んでいた。
 ザラキエルのように〇〇エルというのは天使の名によくあるものだ。そして、今目の前にいる敵はフキエルと名
乗った。
 ……ザラキエルという天使がいるようにザフキエルという天使もいる。
 更にザドキエルという天使もいるため、與鷹(よたか)はぽろっとそんなことを漏らしたのだが、まさか本当にドキエルと
言う魔術師もいるとは……
※なお、〇〇エルではないが、ザバーニーヤって名前の天使もいますよ……と、いうことは!?

総介「まぁ分かっていたことだが奴はどうしてもここを通す気がない……」
 ならば力ずくで推し通るしかないわな
かなり「と、いうわけで、逝って来い!かれん!」
かれん「絶対違う意味の『いく』」
 ゲシっとかなりに足蹴にされるかれん。こっちもこっちで問答無用である
フキエル「ナナ、我が元に帰れ(ヴォレーゲン)!」
ナナ「了解であります!」
 ビシっとナナが敬礼した次の瞬間、彼女の姿は綴じ合わせが解かれた本のように無数の紙片となり、宙を舞う。
 そして、フキエルを包み込み、彼を守る鎧と化す
フキエル「無限の知識を蓄えし昴なる流水の魔星、その御力、我が剣となりてここに顕現せよ、セラエノ!」
 ぎゅるるん!
 突如として水がうねり、剣の形を取る。
 さぁ、七罪塔(しちざいとう)に辿り着くためにフキエルを倒せ!


続

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