Eighter -Blindness Wizard-
3rder 〜魔人は闇に現れる C〜



#5
 魔導書と人との融合……それがシレントワイザードの魔術師の戦闘スタイル。
※何もシレントワイザード固有の技ではありませんが……
ラキエル「どうした?来ないのか?」
白拍子かんな「確かに、貴方にかまっている暇はないんでした」
 一刻も早くここを突破して七罪塔(しちざいとう)の元へ向かわなくてはならない。
 そして、かんなは静かに動く
かんな「龍咬舞刃(りゅうこうぶじん)!」
 キィンッ
 上段からの斬り降ろしと同時に剣気で具現化された応龍(おうりゅう)に変幻する光の龍がラキエルに襲い掛かる
ラキエル「生ける炎の舞(フランベ・スァパト)!」
 ズダンッ
 緑色の炎を纏った剣閃が光の龍を切り刻む。
梓與鷹(よたか)「な、何だと!?」
 まさかかんなの一閃が防がれるとは思いもしなかった與鷹(よたか)は思わず素っ頓狂な声を出してしまう
(かみ)総介「落ち着け」
與鷹(よたか)「総……」
 いや、お前はなんかこう、落ち着きすぎじゃねぇか?って思う與鷹(よたか)。
山咲桜(落ち着いてかんなをよく見てください)
與鷹(よたか)(いや、良く見てくださいって言われても……)
 見ては分からないが、何か気づくことはある。
 それは、神氣を感じられないということだ。
與鷹(よたか)(まさか!?)
総介(ああ、そういうことだ)
 まだ、かんなは茜瑙哭(セドナ)覚醒していない。つまり、本気を出していない。
 だから、まだ慌てる時ではない!
ラキエル「どうよ!これが召喚呪術の底力!貴様の斬撃など無効ッ!」
かんな「……」
 しかし、かんなは慌てず騒がず神滅超越者(ラグナロクエクセル)を横に構えなおすと一気に薙ぎ払う
かんな「鳳鸞舞刃(ほうらんぶじん)!」
 ゴガアッ
ラキエル「だが、甘いわ!生ける炎の舞(フランベ・スァパト)!」
 斬撃と同時に剣気で具現化された平安を(もたら)す鳳凰が襲い来るも再び緑色の炎を纏った剣閃で切り刻みにかかるラ
キエル。
 だが、その時、ラキエルに同化しているテノはアラームを上げた。
テノ(だる〜〜)
※いや、これ、アラームか!?
ラキエル「何ぃ!?」
 テノの警告に従いすぐさま後方へ飛び退るラキエル。だが、鳳凰の勢いは止まらない
ラキエル「クッ、赤の絶壁(レッドクリフ)」
 ズガアムッ
 左手を突き出すと突如魔術障壁が出現、鳳凰を食い止める。
ラキエル「貴様、まさか、さっきは手を抜いて!?」
テノ(だるだる〜〜〜〜)
 ビキビキッ
ラキエル「嘘だろ!?」
 更にテノが危険をお知らせ。かんなの放った一撃に魔術で繰り出した防御壁は効果が薄かった
ラキエル「ぐ、ぐおおおお!?」

#6
與鷹(よたか)「やったか!?」
総介「フン、そんなセリフが出るときはたいていやってない時だ」
 いや、そうかもしれないけど……
ラキエル「くっ、貴様、なかなかやるではないか!」
 魔術障壁により、威力を削いだおかげでそれほどダメージは喰らっていない模様のラキエルだった
かんな「まだ続けますか?」
 ビっと神滅超越者(ラグナロクエクセル)をつきつけてかんなが問う
ラキエル「当然よ、さっきはちょっと油断したが、俺に二度の油断はねぇ!」
 見たところ先ほどの大技が貴様の最大攻撃のようだが、俺にはまだ隠している力がある!とか言い出すラキエル
 小物っぷりが半端ない。
かんな「……では、仕方ありません……」
 こおおっ
 かんならにとってみればこの死合は茶番のようなものなのだ。
 早いところ七罪塔(しちざいとう)の元へ向かわないといけないのだ!……だから、ここで茜瑙哭(セドナ)覚醒して一気に畳み込む
ラキエル「へっ、今更本気を出したところでもう遅い!」
テノ(だるだる〜〜〜)
ラキエル「ああ?」
 またしてもテノの警告がラキエルの脳内に鳴り響く
ラキエル(ええい、今いいところなのに、少しは静かにしろ!)
テノ(……分かった。じゃ、静かにする〜〜〜)
 大人しく言うことを聞いたのではない、警告するのを諦めたのだ
ラキエル「喰らえ!在りし炎の渦(フランベ・トゥビリオ)!」
 ドッ
 緑の炎の渦を巻き起こしかんなを包み込んで焼き貫こうとするラキエル
かんな「では、これでおしまいです!鳳鸞舞刃(ほうらんぶじん)!」
 ズドンッ
 横薙ぎ一閃と同時に剣気で具現化された平安を(もたら)す鳳凰が襲い掛かる
ラキエル「馬鹿め!そんな技は最早俺には通用……え!?」
 だが、ラキエルの放った炎の渦は鳳凰に触れた途端消し飛ぶ
ラキエル「嘘だろぉ!?」
テノ「気を付けて〜〜〜」
ラキエル「あっ、てめぇ、何勝手に!」
 更にラキエルに同化していたテノが魔導書の姿に……いや、少女の姿に勝手に戻っている。
ラキエル「こ、こんなところで死んでたまるかぁ!!」
 ドンッ
ネサリウス「何をやっているんだ、貴様は?」
ラキエル「ネ、ネサリウス様?!」
 いつの間にか、ラキエルの前にネサリウスが割り込み、魔術障壁を展開して迫る鳳凰を受け止めている。
ラキエル「どうして、ここに!?」
ネサリウス「奴には逃げられたからな……」
與鷹(よたか)「はっ!?」
 ネサリウスの発言を受けて、與鷹(よたか)もさっきまでネサリウスが死合っていたであろう場所を見てみる……
 斬撃と焼き後が無残にも絡まり合い、戦闘の凄さを語っていた。
総介「チッ、逃げたというわけか……」

#7
ネサリウス「今回はこれまでだ、退くぞ!」
ラキエル「はっ!」
與鷹(よたか)「ま、待てよ、このまま無事に帰れると思っているのか?」
 いや、それはかんなが言うべきセリフなんだけど……
ネサリウス「フン、貴様らにも言っておこう、我らがシレントワイザードの大願の邪魔をするな!」
総介「断る!域外神(アウターゴッド)を召喚しようなどとトチ狂ったことを言い出す貴様らを放置できるわけがないだろうが!」
ネサリウス「面白い……ならば、止めて見せろ!」
 カカッ
一同「ぐっ!?」
 突如激しい閃光が辺りを包み……それが収まることにはシレントワイザードの魔術師一行は跡形もなく姿を消し
ていた
総介「チッ、逃がしたか……」
與鷹(よたか)「クソッ、七罪塔(しちざいとう)だけでも厄介だってのに、この上シレントワイザードともコトを構えないといけないっての
かよ!」
 やることが増えてしまい、憤りを隠せない與鷹(よたか)だった。

 一方、歴史の墓場、某所では……
ベルフェゴール「人間(パーツ)風情が、僕たちを利用しようなどと片腹痛い!」
*「でも、逃げてきたんでしょ?」
ベルフェゴール「《キツネザルの使徒》もいたからだよ!」
アマイモン「ふぅん……」
 この三つ巴の死合、誰が最後に全てを制するのか……今はまだ、神のみぞ知る!


END

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