Eighter -Blindness Wizard-
3rder 〜魔人は闇に現れる A〜



#0
 場違いな黒き遺物(ネガティヴ・オーパーツ)に連れ去られた王蟲(オウム)真理教教祖、夜原彰晃を追って一行は埼玉にあるアレフ・ゼロの本拠地へ
やってきた。
 そこで非情な選択の結果、実質アレフ・ゼロを壊滅に追い込んだ総介だったが、その時、異変が起こる。
 一体、何が起こったのか!?

#1
 椅子の下に隠されていた階段を降りて一行が進んだ先にはゴールと謎の集団が睨み合っていた
梓與鷹(よたか)「な、何だ?」
 先ほど感じた謎の気配……それはこの集団の方から発せられている。
 そして、この謎の集団、いずれも少女を引き連れていることが最大の特徴であった。
與鷹(よたか)「仲間割れ……って風にも見えないな……」
山咲(やまざき)桜「(かみ)警部……」
(かみ)総介「ああ」
 かつて夜原彰晃が独房から消えた際、幼女を連れて逃げ去る謎の不審者を見たという情報があった。
 つまり、それがこの集団なのだろう。
※最も、その時は集団じゃなくて一組だったけど
*「我々と一緒に来てもらおうか」
ベルフェゴール「嫌だね!」
 Eighter一行を無視して、その集団は話を続ける
與鷹(よたか)「お前ら一体何なんだよ?」
*「我ら、シレントワイザード」
 ゴールと話している謎の存在とは別の存在が口を開く
與鷹(よたか)「シレントワイザード?」
*「大願成就のためには七罪塔(しちざいとう)が必要不可欠!」
與鷹(よたか)「なっ、こいつら、場違いな黒き遺物(ネガティヴ・オーパーツ)のことを知っている?!」
 シレントワイザードの言に驚きを隠せない與鷹(よたか)。
総介「ハッ、大願成就だと!?」
 どうせロクでもないことに決まっていると吐き捨てる総介
*「貴様ッ!」
*「よせ!」
 総介の発言にキれるシレントワイザードの下っ端を宥めるのはゴールと対話していた漢だ。
一同「はっ、申し訳ございません。ネサリウス様」
 彼がこの集団の中ではリーダー格のようで、他の連中は彼に傅く。
ネサリウス「何も知らぬ愚かな貴様らにもわかるように教えてやろう、我らシレントワイザードの大願を!」
 そういってネサリウスは語りだす
ネサリウス「我らシレントワイザードは域外神(アウターゴッド)を崇拝する魔術師の集団……そして、七罪塔(しちざいとう)域外神(アウターゴッド)をこの世界に
顕現せしめるために必要不可欠な媒体なのだ!」
與鷹(よたか)域外神(アウターゴッド)だと!?」
総介「フン、愚か者どもはそっちだな。域外神(アウターゴッド)は人の手でどうこうできる存在ではない!」
ネサリウス「……」
 睨み合う両雄……と、その時、置いてけぼりにされていたゴールが口を開く
ベルフェゴール「そういえば、昔、人間(パーツ)の分際で僕たちを利用しようなどとぬかす不届きな輩がいたなぁ……」
 まさか、まだ活動していたとは……と呟くゴール

#2
ベルフェゴール「貴様ら人間(パーツ)如きに僕たち七罪塔(しちざいとう)を使役できるとでも?」
ネサリウス「これを見てもそんなことが言えるかな?」
 ジャラララッ
 そういってネサリウスはUSBメモリのようなものを7本取り出して見せる
ネサリウス「これぞ、七罪塔(しちざいとう)を無力化できる究極の魔術アイテム、その名もカウンタープログラム・七元徳(ななげんとく)!」
ベルフェゴール「僕たちを無力化?……やれるものならやってみろよ!盲いた蘭学(ブラインド・ダッチ)!」
 ゴールも盲いた蘭学(ブラインド・ダッチ)を取り出し臨戦態勢を取る
総介「俺達を無視すんじゃねぇぞ!」
 総介も蒼王の刃(ブルーロード)を構えて一足飛びにかかる。
ネサリウス「ラキエル……」
 ネサリウスがそう呟くと呼ばれた漢はすっと総介に立ち向かう。
ラキエル「響きの鎖縛」
 ジリリリリリリッ
総介「何!?」
 何故か目覚ましを彷彿させる音が鳴り響く鎖で蒼王の刃(ブルーロード)を絡めとるとそのまま総介を弾き飛ばす
総介「ぐおおお!?」
與鷹(よたか)「な、何ぃ!?」
桜「(かみ)警部?!」
 まさか、総介が一撃でノされてしまうなどとEighterの面々は誰も予想ができなかった。
ラキエル「鬥址偶襾(ツァトゥグア)の加護を受けていた事が貴様の運の尽きだな」
総介「ぐっ……貴様ッ!」
桜「まさか、先ほどの鎖は、鬥址偶襾(ツァトゥグア)を無力化するアーティファクト!?」
 そう、それは鬥址偶襾(ツァトゥグア)の力を無力化する魔力アイテム。だから、総介はあっさりと敗北してしまったのだ。
総介(クッ、奴らの目的は域外神(アウターゴッド)……ならば、他も知っていても不思議ではない……ということか)
 ぬかった!
與鷹(よたか)「そ、総、大丈夫か!?」
*「ディエ……クーラウ?」
 総介の元に駆けつけた與鷹(よたか)をじっと見つめてぽつりとそんなことを呟くのはラキエルのそばにいる少女だ。
與鷹(よたか)(な、何だ?)
白拍子かんな「後は私に任せてください」
総介「……すまんが、任せる」
 今こそ、切り札を斬る時!
ラキエル「次はお前が相手になるってのか?」
かんな「……」
 無言で茜瑙哭(セドナ)覚醒し、神滅超越者(ラグナロクエクセル)を構えるかんな
與鷹(よたか)(だが、大丈夫なのか!?さっきみたいに無力化される……なんてことは?)
 與鷹(よたか)の心配は最もである。
総介(心配は要らん……かんなに力を貸している茜瑙哭(セドナ)は、奴らが得意とする域外神(アウターゴッド)などではないからな!)
與鷹(よたか)(そ、そんなものなのか!?)
 総介の説明だけではなんかよくわからないが、しかし、かんななら何とかしてくれる……かもしれない。


続

前の話へ 戻る 次の話へ