Eighter -Blindness Wizard-
2nder 〜咎人は暁に消える C〜
#5
王蟲真理教の後継組織、アレフ・ゼロは既に場違いな黒き遺物(の手に落ちていた。
そして、消えた教祖、夜原彰晃もまた場違いな黒き遺物(に取り込まれ、今、Eighter一行に牙をむく!
ベルフェゴール「じゃあ、楽しませてもらうよ、フフフ」
梓與鷹(「ま、待て!」
だが、與鷹(の静止を無視して、ゴールは自らの影に沈み消ゆ。
上(総介「今は奴を何とかする方が先決だ!」
夜原彰晃「……」
ドンッ
ふよふよと宙を浮いたまま瞑想を続ける彰晃から突如衝撃波が飛んでくる。
だが、そんなものは総介には届かない。切り払われてお終いなのですが……
白拍子かんな「リーダー、ここは下がっててください」
與鷹(「くそっ」
またしても、俺は役に立てないのか……不甲斐ない思いを胸に近くの壁に拳を叩き付ける與鷹(。
総介「そして、お前も下がっていろ、ここは俺が相手する!」
総介はかんなにも下がれと命ずる。
かんな「……」
山咲(桜「ここは上(警部に任せてください」
かんな「分かりました」
ならば、ここは総介に任せよう。
付け加えるならば、かんなは今の戦力の中で最大の切り札である。だからこそ、この場で切るよりも温存してお
居た方がいい。
そして、それは、この死合の後にもうひと死合あるということを示唆している……多分
※歯切れ悪いな!
総介「彰晃!貴様には死刑判決が下されていたな!」
彰晃「……」
瞑想したまま一言も発しない彰晃。それもそのはずだ。奴は嘆きの神掌(によって瞑想を強いられている。
瞑想をやめたとき、彼の肉体は砕け散るのだ!
総介「だから俺が貴様を処刑してやる!蒼貫屠(!」
彰晃「……」
ドッ
蒼きオーラを纏い、突撃する総介に対し、彰晃はまたしても衝撃波を繰り出し相殺する。
総介「その程度で俺を止められると思うなよ!」
ふおんっ
だが、総介の勢いは殺せない。
しかし、彰晃は舞空したまま軽々と総介の攻撃を回避して見せる。
與鷹(「自在に宙を舞う相手に対して、分が悪すぎじゃねぇか?」
思わず思ったことを口にしてしまう與鷹(。
まぁ、世の中には分の悪い賭けは嫌いじゃないって人もいますけどね……
桜「ですが、上(警部を信じてください」
総介が任せろと言ったからには総介には勝算があるんです!と信じて疑わない桜であった。
信じる者は足を掬われない様に気を付けてほしいものである。
※いや、ちょっと待って……
#6
総介(少し厄介だが……まだなんとかなる範囲だ!)
そんなことを考えつつ、総介は右手に蒼王の刃(を構えたまま左手で藍后の刄(を取り出す。
総介「影蒼入滅(!」
ドンッ
彰晃「ッ!」
藍后の刄(を彰晃の影めがけて突き刺す総介。するとどうだろう、彰晃の動きが封じられたではないか!
そして、間髪入れずに蒼王の刃(で斬りかかる総介
ズシャアアッ
與鷹(「な、何だと!?」
哀れ、彰晃は総介に一刀の元に斬り捨てられる……かに思えたが突如信者の一人が間に割り込んで斬撃を受け止
める。
当然その信者は即死だ!
総介「貴様ッ!」
総介、怒る!
総介は彰晃を影縛りしたままくるりと反転するとその場を後にする
與鷹(「お、おい、総一体何を!?」
桜「先ほどの件ですが、信者が教祖を守ったわけではありません」
與鷹(「何だと?」
かんな「彰晃が信者を盾にしたんです」
與鷹(「なっ!?」
ならば、総介が彰晃を放置して向かった先にいるのは、信者だ!
與鷹(「総、まさか!」
かんな「やめて!」
ガシリッ
だが、しかし、かんなを止める桜。その間に、総介は無情にも信者を斬り捨てていく。
かんな「くっ」
ギリギリとまるで万力のような力でかんなを引き留める桜。その力尋常ではない!
桜「すいませんが、ここは堪えてください……」
全ては上(警部のために!
ギラリと桜の目が怪しく赤く輝く。ただ、それを見たのはかんなだけだった。
かんなが茜瑙哭(覚醒すれば振りほどけないわけじゃない。だけど、桜からはそれを許さない妙な威圧があった。
茜瑙哭((この力は……!)
かんな(ええ、やはり、彼女は……)
この場ではかんなだけが気づいていた。桜の秘密を……
そして、そんなことをしている間に総介はこの場に居合わせた全ての信者を斬り捨てていた。
総介「最早貴様が使える盾は無い!」
與鷹(「総ッ!」
いくら何でもこれは酷過ぎる……
しかし、先ほど言った通りここにいる信者らは全て場違いな黒き遺物(に汚染された傀儡……
だから、せめて安らかな眠りを与える……それが総介なりの慈悲だ。
※酷い慈悲もあったもんだ
彰晃「……」
そして、そんな総介の所業を見て……いや、感じ取り、彰晃も怒りを露わにする。
カッ
遂に瞑想をやめて目を見開く彰晃
彰晃「貴様ッ!」
総介「フッ、貴様にもまだ人の心は残っていたようだな……」
そして、砕け散っていく彰晃……
それは、嘆きの神掌(の副作用
#7
総介「終わったな」
與鷹(「おう、総ッ!」
怒りに任せて総介の襟首を掴む與鷹(。
総介「貴様もわかるだろう、これは必要な処置だ!」
無表情で與鷹(をあしらう総介。
與鷹(「……」
場違いな黒き遺物(に関与したものの末路と言われればそれまでなのだが、けれども、やるせない気分でいっぱい
だ。
桜「それよりも、《怠惰(》を追わなくては……」
與鷹(「しかしッ!」
かんな「リーダー……」
かんなもきっと、心の中で血涙を流しているだ。
かんな、総介、桜「ッ!」
その時、與鷹(以外の三人はあることを察知する。
與鷹(「おい、どうしたんだよ!?」
三人の異変に與鷹(も訝しむ。
かんな「何か、変です……」
総介「ああ、何かが……いる」
何か……とは場違いな黒き遺物(以外の何かだ。
與鷹(「どういう!?」
桜「ここで議論していても仕方ありません」
そこへ行けば何かが分かるはずだ!
かつてゴールが居座っていた豪奢な椅子は動かすことが出来た。
與鷹(「これは!?」
椅子を動かすとそこから地下へ通じる階段が現れる。つまり、隠し通路だ!
そして、その奥に、何かがいる!
果たして、そこにあるのは何か!?
END
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