Eighter -Bizarre Investigate-
54ther 〜弱虫ペダルの懺悔 B〜
#3
緋得御簾太「で、ポリスメェ〜ンが一体何の用でウチに?」
佐場濡那(「一週間前、ひき逃げで女性が一人殺害されましてな」
御簾太(「まさか、我が校の生徒が犯人だとでも!?」
警官「ええ、少し離れた場所に設置してあった街角防犯カメラにバッチリ映っていまして」
御簾太(「それは……」
驚きを隠せない様子の御簾太(。
そんな一行のやり取りを近くで聞いているのはコ○ンに出てくるような全身真っ黒な生徒
*「……逃げちゃダメだ。逃げちゃダメだ。逃げちゃダメだ……いや、逃げなきゃ……」
無駄な足掻きだとわかっていても、それでも逃げ出したいときはある。
*「ギアをセンターに入れてスイッチ……」
ドギュオオオオッ
一同「な、なんだぁ!?」
まるで本家弱虫ペダルに出てくるような凄い顔で一人の生徒が自転車で学校を飛び出していく。
*「先生、一体何が!?」
そんな生徒を訝しんでもう一人、生徒が御簾太(のもとへやってくる
御簾太(「Oh...西村!今のはまさか……」
西村慎太「大野田……ですよね?」
この西村という生徒は今しがた死に物狂いな顔をして学校を飛び出していった生徒、大野田坂道(の友人であり、
クラスメイトであり、同じ部活のメンバーだ。
警官「佐場(警部……もしかして、あの学生が犯人という可能性は?」
濡那(「大いにありうるな」
慎太「いや、犯人ってなんだよ?」
どういうことだ?俺にも分かるように説明しやがれ!という形相の慎太。
濡那(、御簾太(「実は……」
と、ここでネタばらし
※いや、ドッキリじゃないんだからその言い回しはやめろ。
慎太「そ、そんな馬鹿な……あいつが……殺人!?」
警官「警部、こんなことをしている場合ではありません。まずはあいつを追いましょう」
濡那(「しかしな……」
生憎と徒歩でやってきた一行が自転車に追いつける道理はない
御簾太(「でしたら、来賓用の自転車を使ってはどうでしょうか?」
濡那(「何!?そんなものがあるのか、この学校には!?」
と、言われて一行は来賓用の自転車がある場所へと案内されたのだが……
一同「こ、これはぁッ!?」
そこにあったのは金を払えば一定時間使用可能で、同じレンタサイクルの駐輪所がある場所ならどこでも返却可
能なシステムが売りの貸し自転車であった。
#4
学校にレンタサイクルがあるとは驚きだが、今はそんなことを言っている場合ではない。愛知県警の連中は急い
で自転車に跨り大野田を追う
慎太「先生、俺も行ってもいいですか?」
御簾太(「ああ。道を踏み外した相手を説得するのもユージン・ストナーの務め」
いや、友人な。
と、いうわけで慎太を先頭に一行は大野田を追う。
しかし……
濡那(「な、なんてスピードなんだ……全然追いつけない……」
大野田を追うことはできても、一向に差が縮まらない。寧ろ、差が開くばかりだ
慎太「くっ、大野田の奴……アレを使っているな!」
警官「なんです?あれって?」
慎太「公式の大会では一切使用できないんですが、大野田は自分の自転車をモーターライズしているんです」
※いや、モーターライズってプラモでしか聞いたことないよ……
警官「え?何……もた……らい?!」
慎太「はい。沼淵モーターのプラ○マダッシュモーターとオキシライド電池を自転車のフレームに内臓しているん
ですよ」
警官「つまり、電動アシストみたいなものか!?」
慎太「そうですね」
いや、電動アシストを自作するって何なの!?
慎太「双北(高校で自転車通学する場合、モーターライズするにしてもハ○パーダッシュモーターやト○クチューン
モーターを使用するのが暗黙の了解なんですが、大野田はそれを無視してプ○ズマダッシュモーターを使っている
んです」
※急に話がミニ四駆めいてきたけど、自転車の話ですよ、これ。
慎太「その結果、大野田の自転車は他の追随を許さない程のスピードが出るんですよ!」
瞬間最大速度(は60km/h!と豪語する慎太。最早違法改造のレベルだ……
濡那(「それは分かったが……」
ここからどうやって奴を追えばいいのか?
しかし、誰も車を使うという発想がない辺り、一行も双北(高校に毒されているのかもしれない。
慎太(このままでは差が開く一方……俺も、警部さんに合わせて走っているのでは当然の結果か……)
慎太「警部さん、俺が大野田を止めます!」
一同「なんだって!?」
双北(高校の暴走を止められるのは、同じ双北(高校の生徒だけだ!
今、友を諫めるためのチェイスが始まる
続
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