Eighter -Bizarre Investigate-
45ther 〜咲く花散る花活花 A〜



#0
 事故死……虐待死……自然死、自殺……これは……連続して起こった子供の死亡事故について綴った事件簿であ
る。
 どうして子供は死んだのか……なぜ死ななければならなかったのか……
 すべての謎は、いつかは明らかになる
※そりゃ、いつかは明らかになるでしょうよ……

#1
 秋田県、某所
警官「死亡したのは二宮斐香(あやか)……3歳」
警官「あ〜〜、死因は……転落死ですかねぇ……?」
 現場を見ながら警官の一人が呟く。
警官「うむ……ベッドの上から転落死、床にたまたま落ちていた剣山に突き刺さって死亡ってとこだな……」
※どんな死に方だ!ドリフのコントみたいな死因じゃねぇか!
警官「……母親である二宮真菰(まこも)は有名なカリスマ華道家の家元で……最近は特に忙しいらしく……」
警官「これは不幸な事故……ですねぇ……」
警官「ええ、ちょっと目を離したすきに転落、死亡ですからねぇ……」
警官「親の不注意として親を攻めすぎるのもどうかと思いますし……」
警官「うむぅう……」
 不幸な事故。不幸な事故と決めつけた結果、この事件は事故として処理されることになった。
 しかし、この結果に異議を申しだてる漢が一人いた。
 そう、(かみ)総介である!
(かみ)総介「……不幸な事故死……だと!?」
山咲(やまざき)桜「警部……?何か?」
 査察か何かの目的で秋田県警にやってきた総介は、たまたま置いてあった事件の調書を見て怒りの声を荒げる
総介「巫山戯(ふざけ)てんのか、貴様ら!」
 調書を投げつけて総介が叫ぶ
一同「なな、なんですか、(かみ)警部いきなり……」
警官「(かみ)警部……何か気に入らない点でも?」
総介「気に入らない点でも?……じゃないわボケ!」
警官「で、ですが、あの事件は事故死というのが秋田県警(我々)の総意でして……そこに異論を唱えるのはどうかと」
※いや、そんなことを総意と言うのはどうなんだ……
総介「あまり巫山戯(ふざけ)たことを言っているとこっちにも考えがあるぞ!」
一同「か、考えって……」
 総介の凄みに一歩後退る警官一行。
 しかし、無駄に勇気を振り絞って一人の警官が告げる
警官「で、ですが、あれはどこからどう見ても事故死でした!」
総介「ほぉう……ベッドの柵を開けたままにして忘れる親がいると思うか?」
桜「……確かに……不自然ですね……」

#2
警官「で、ですが、警部……真菰(まこも)氏は今を時めく大変多忙な華道家でして……」
警官「ちょっと柵を空けてなにかしようと思った直後に仕事が舞い込んだんじゃないでしょうか?」
警官「ええ、そして仕事の多忙に負けて気が付いたら転落死……ってことに……」
総介「なるほどな……」
 そんな警官の推理に顎を当てて考える総介
一同(か……勝った!(かみ)警部に勝った!)
※テメェらは一体何の勝負しているんだよ!
一同(第三部完ッ!)
※いや、だから第何部とか関係ないから!と、言うかそれは死亡フラグなのでは!?
総介「では、真菰(まこも)氏はベッドの柵を空けて何をしようとしていたんだ?」
警官「……は!?」
 ここから先は総介のターン。
総介「物事には必ず何か理由があろう……何の理由も無しにベッドの柵を空けるものなのか!?」
一同「……えっと……それは……」
総介「それにだ、多忙だったとしてもベッドの下に剣山を置くような親がいると思うか?……それこそ不注意極ま
りないだろうがッ!」
警官「それは……確かに、そうですけど……」
※そもそもベッドから転落して剣山に突き刺さって死亡する確率なんてどれくらいなんだ!?
警官「あまりの忙しさになにをしようとしたのか忘れたんですよ、きっと!」
総介「……貴様らはどうあっても事故死にしたいようだな……」
 よくもまぁ、次から次へとそんな屁理屈を考えられるものだと総介は呆れる。
桜「警部!大変です!たった今入った情報なんですが……」
 そんな時、桜は切羽詰まった表情で告げてくる
総介「……悪い知らせのようだな……」
桜「はい……今度は同じく二宮氏の斐香(あやか)の妹、鈴鹿が死亡したという知らせが届きました」
一同「な、なんだってぇ〜〜?!」
総介「さて、一度目の事件は事故として片づけることもできなくはないだろう……だが、しかし、同じ事件が二度
続けば、それは単なる事故として片づけるには不自然だ!」
一同「い、いや、そんなことはないです!二度あることは三度あると言うじゃないですか!」
桜「それはつまり、第三の事件が起きるって言っていることになりますが……」
警官「そ、それは……その……」
 無理やり事故として片づけるからこんなことになるんです


続

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