Eighter -Bizarre Investigate-
6ther 〜踊り踊らされ偽刀 A〜



#0
 ……その事件のキーワードは『刀』……全ては『刀』に踊らされ……そして……惑わされる……
 これは、そんなあるオカしな殺人事件を綴った事件簿である。

#1
 天四斗(あまよと)、某所
*「フフフフ……いい出来だ……」
 チキッ
 刀身を手に北叟笑(ほくそえ)む漢……
*「これで……これで!!!」
 思いつめた様子の漢……この……漢は何故に、ここまできてしまっているのか!?

 数日後……
 天四斗(あまよと)高昏(たかくら)家
*「高昏低明(たかくら・ひくあき)覚悟ぉおお!!!」
 漢は高昏(たかくら)家を急襲、そのまま低明(ひくあき)を斬り捨てる
 ズバシュアアアアッ
高昏低明(たかくら・ひくあき)「キ……サ……」
*「キャアア!!!!人殺しいぃいいい!!」
*「はぁ……はぁ……」
 ダダダダダダッ
 漢は殺人を犯し……そして、すぐさまその場を後にするのであった……
 10分後、目撃してしまった女性の通報により、警察が到着する。
志摩椅埴亜(いじえ)「ふ〜〜む、殺されたのは高昏低明(たかくら・ひくあき)、23才……」
警官「警部、殺害状況を目撃したというのがこちら、高昏(たかくら)氏の妹の高昏安明(たかくら・やすみ)さんです」
高昏安明(たかくら・やすみ)「黒いコートを羽織った人が……刀でズバっと……ああ、ああああお兄さんんん!!」
 その場に泣き崩れる、漢の妹……
椅埴亜(いじえ)「ふむ……なるほど……凶器は刀か……」
警官「だったら、許可届けを出していて、なお高昏(たかくら)氏の知り合いで、かつ恨みを持っている人物というのが犯人で
はないでしょうか!?」
 と、1人の警官が咆える
一同「バカヤロウ!!んな都合のイイヤツいるかい!!」
安明(やすみ)「……いるわ!!」
 そんな奴がいたら、世話はないわ!と一行が叫ぶのだが、アッサリと存在することが判明する
一同「えええ!?」
安明(やすみ)「山下よ!山下海上(うみかず)、あいつしか考えられないわ!!」
警官「安明(やすみ)さん、その山下という人物はいかなる人物なんですか!?」
安明(やすみ)「この私から、兄さんを奪った人!!」
一同「……はい!?」
 この人は、一体何を言っているんだ!?と首をかしげる一行……
 ともかく、すぐさま重要参考人として、海上(うみかず)は呼び出されたのだが……
山下海上(うみかず)「冗談じゃないわよ〜〜、何で私が愛する人を殺さないといけないのよ」
 現れたのはすっごく似合わないオカマな漢(ガタイのいい漢)だった。
一同(オカマ……しかもスッゲェ似合わない化粧……)
警官「……た、確かに……どちらかというと、恨みを持っていたのは……妹さんの方な気が……」
椅埴亜(いじえ)「ああ、兄がそういう趣味の持ち主でついグサッと……よくある話だな……あ、そういえば、ホトケの顔…
…刺されて微妙に喜んでいなかったか!?」
警官「いや、志摩警部……」
 ……とりあえず、妹さんの方が怪しいのではないか……などと思い出す一行であった……
※と、いうか、安明(やすみ)は犯人の姿を見てなかったのか!?……その場に居合わせておきながら……使えない目撃者だ
 な(酷い言いようだ……)

#2
安明(やすみ)「ちょ、何で私を疑うのよ!!海上(うみかず)よ!海上(うみかず)!絶対そうなんだからたとえ真犯人が出ようとも……」
 があっと咆える安明(やすみ)
一同「いや、それ、真犯人が出たってところだと……違うし……」
 ともかく、このままでは話が進まないので、警察は海上(うみかず)に事情聴取を開始するのであった……
椅埴亜(いじえ)「で、あの、山下さん」
海上(うみかず)「何?スリーサイズはヒ・ミ・ツ♪」
一同(ヤローのソレなんか聞きたくねぇっての!)
椅埴亜(いじえ)「あなたは届出を出して刀を所持しているとか……」
海上(うみかず)「ええ、そうよ、3本持っているの〜〜〜中でも一番のお気に入りは双刀……じゃなくって双身刀♪」
一同(双刀と双身刀ってどんな間違いだよ!)
椅埴亜(いじえ)「あ〜〜、念のために刀を調べさせてもらっても構いませんか?」
海上(うみかず)「いいわよ〜〜、じぃ〜〜〜っくりたっぷり舐め回すように観察してくださいな」
警官「……」
 と、いうわけで3本の刀を鑑識に回すこととなる……

安明(やすみ)「結果は……?」
警官「3本ともルミノール反応なし……しかも刃(こぼ)れも見当たらず、新品同様でした……」
安明(やすみ)「きっと買い換えたのよ!!刀身だけ!!そうに違いないわ!!」
警官「いえ、刀はそれぞれ鞘が違います。どんな刀も1つの刀身に対してぴったりあう鞘は1つしかありません。で
すから……」
安明(やすみ)「じゃ、鞘も取り替えたのよ!!」
警官(なぁ、頼むからあの人、少し黙らせてくれないか!?)
警官(無茶言わないでくださいよ……あんなブラコンな妹……)
椅埴亜(いじえ)(ブラコン……フム……)
 やれやれ、仕方がないな……と志摩警部
警官(志摩警部……何かいい手でも……)
椅埴亜(いじえ)(ま、見てなさい……)
 そして、志摩警部は行動を起こす
椅埴亜(いじえ)安明(やすみ)!!」
安明(やすみ)「何よ!?呼び捨て!?」
椅埴亜(いじえ)「これからは私のことをお兄ちゃんと……」
安明(やすみ)「イヤだ!!」
 ドガシャッ
 一掃!!
一同「……アイツに任せた俺たちがバカだった……」
警官「しかし、これで山下氏はシロですねぇ……」
海上(うみかず)「でしょ?全く、失礼しちゃうわ。本当にもう」
警官「……じゃ、一体……誰が高昏(たかくら)氏を殺したんだ!?」
警官「……もう一度、捜査をやり直す。いいな」
一同「はっ!」
 この事件……一体誰が犯人なのか!?


続

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