奠夷瑪ディーヴァ外伝
第4章 〜『憩』の崩壊〜



セレスティンらの放った『槍』・・・それは神をも殺す神器であった・・・未だ傷が癒えない奠夷瑪ディーヴァはストラ
と契約を結び一気に傷を回復させる・・・
シャン山
ストラ「・・・スゴイや・・・一気に傷が治った・・・でも、何で?」
奠夷瑪ディーヴァ「・・・破壊神・・・いや、神にとってどんな傷でも瞬時に治すことが出来る存在が人間だ・・・
 正確には人間の精気だがな・・・」
ストラ「え?」
奠夷瑪ディーヴァ「・・・人柱を立てて神の怒りを鎮める・・・それとは異なるが、似たようなものだ・・・」
ストラ「へ・・・へぇ・・・」
奠夷瑪ディーヴァ(・・・最も、契約の場合、神への傷は瞬時に治り、同時に人間が私の力を使うことが出来るように
 なるのだがな・・・)
ストラ「・・・ちなみに・・・契約の有効期限とかって・・・あるの?」
奠夷瑪ディーヴァ「そんなものは無い。契約が消えるのはお前か私、どちらか一方が死んだときだ・・・」
ストラ「・・・死が2人を別つまで・・・か・・・」
ぼそっというストラ
奠夷瑪ディーヴァ「何をふざけたことを・・・神と人間が婚約することなどありえぬ。第一生きる寿命が違いすぎる」
ストラ「ハハハハ・・・そりゃそうだ・・・おそらく奠夷瑪ディーヴァはいつまでもそのままだけど僕はそうはいかない
 だろうね・・・」
奠夷瑪ディーヴァ「フン・・・そうだ・・・」
ストラ「・・・でも、愛に国境は無い・・・と思うんだ・・・種族なんて問題じゃない・・・」
真顔で言うストラ
奠夷瑪ディーヴァ「何をトボけたことを・・・人と神とで愛を語るな・・・」
頬を赧めてそっぽを向く奠夷瑪ディーヴァ
ストラ「はいはい・・・」
ちらっ・・・
でもそういいつつストラを見る奠夷瑪ディーヴァ
奠夷瑪ディーヴァ(・・・恋だの愛だの・・・これだから人間は分からん・・・)
・
・・
・・・
一方・・・
*「隊長・・・セレスティン隊長!!」
ドドドドッ
駆け込んでくる部下
セレスティン「騒々しいな・・・」
*「議会での結論が出ました・・・」
セレスティン「ほう?早かったな・・・1週間はかかると思ってはいたが・・・で、なんと?」
*「はい、大総統からの勅命です。シャン山に異教徒の討伐に赴け・・・と」
セレスティン「よし!」
それを聞くや否や部屋の外にでるセレスティン
セレスティン「聞け!諸君!ついに悪の巣窟、シャン山への討伐が決まった・・・」
一同「オオ!」
セレスティン「『アレ』の準備はできているな?」
*「はっ。ぬかりなく」
セレスティン「ならば行くぞ・・・今度こそこの『槍』で異教徒を殺すのだ!全ては大総統閣下のために!」
セレスティン(そして神の力を我が物に!!フフ・・・フフフ・・・)
槍を掲げるセレスティン
一同「オオ!!ヴァン=ダルク大総統万歳!!!」
と、言うわけで準備を整えた一行はシャン山へと向かう・・・全速力で・・・
ドドッドドッドドッドドッドドッドドッ・・・
シャン山、頂上
奠夷瑪ディーヴァ「・・・静かだ・・・」
ストラ「・・・うん、今日も・・・」
奠夷瑪ディーヴァ「おや・・・?あれは?」
遠くに見える砂煙・・・
ストラ「どうかしたの?奠夷瑪ディーヴァ・・・?」
奠夷瑪ディーヴァ「・・・何かがこっちに来るな・・・」
ストラ「まさか・・・国のやつらが!?帝国の紋章の旗は見えるかい?」
奠夷瑪ディーヴァ「・・・お前の言う帝国の紋章とやらは私は知らぬが・・・仰々しく金色の旗を掲げたヤツが向かっている
 ことは確かだな・・・」
ストラ「セレスティンだ・・・大総統お抱えのセレスティンだ・・・でも、何で・・・?この場所は今まで
 不可侵だたハズだ・・・」
奠夷瑪ディーヴァ「・・・不可侵など誰が決めた?・・・お前か?それとも国か?・・・いずれにせよ、この場所はあの
 国にとってもやぐらのような役割を果たす場所だ・・・是が非でも欲しくなったのだろうな・・・」
ストラ「そんな・・・この場所を・・・やつらに渡すものか!そうだろう!奠夷瑪ディーヴァ!!」
奠夷瑪ディーヴァ「・・・」
シャン山へ・・・奠夷瑪ディーヴァをめがけて、異教徒を殺すために・・・セレスティンは走る、駆ける・・・


続

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