奠夷瑪ディーヴァ外伝
第3章 〜『悪』の巣窟〜



テラ世界へとやってきた奠夷瑪ディーヴァ・・・そこは、外のものとの交流を徹底に断つ独善国家・・・だが、そんな世界
でもそれを疑問に思う存在もいる・・・
ノワ国、大総統府
*「セレスティンよ・・・そなた禁域、シャン山に攻め入ろうと言うのだな・・・?」
セレスティン「はっ・・・ヴァン=ダルク大総統閣下。」
*「大総統閣下・・・そのような進言に耳を傾けてはなりませぬ。」
側近の1人がすぐさま否定する。
*「ですが、踏みとどまっているうち傷を癒しますぞ・・・あの異世界の異教徒は・・・」
すかさず予言者が言う・・・
セレスティン「シャン山の山頂はノワ国全土を見渡すやぐらとして最適な場所です。あそこを征するものは
 すなわちこの世界全土を制することになるます。」
ヴァン「ほう・・・?」
セレスティン「邪悪な異教徒から聖なる大地を奪還したとあれば領民もお喜びとなるに違いありません。」
ヴァン「なるほど・・・その方の言い分は分かった・・・早速議会を召集するとしよう・・・下がれ!」
セレスティン「御意。」
・・・と、言うわけで大総統府を後にするセレスティン
セレスティン(・・・フフフ・・・待っていろ、邪悪なる異教徒よ・・・キサマの生命は無いものと思え!
 ・・・そうだ!神の力を手にするものは総統ではなく、この私だ!!)
大いなる野心・・・ここに・・・
・
・・
・・・
一方・・・シャン山では・・・
奠夷瑪ディーヴァ「・・・フン・・・異教徒の巣窟か・・・」
朝からシャン山頂上付近からノワ国を見下ろす奠夷瑪ディーヴァ
奠夷瑪ディーヴァ「どっちが異教徒の巣窟だか・・・私にはあの国の方がよっぽど巣窟に思えるがな・・・」
ノワ国、大総統府を見ながら奠夷瑪ディーヴァは言う
ストラ「ああ、ここに居たんだ・・・奠夷瑪ディーヴァ・・・」
と、そこへやってくるストラ
ストラ「良い場所・・・だよね?奠夷瑪ディーヴァ・・・ここはこの世界の全てを展望できる・・・日の出、日の入り・・・
 月に星・・・」
奠夷瑪ディーヴァ「・・・そのようだな・・・」
空を眺めながら奠夷瑪ディーヴァは言う
ストラ「・・・どんなに国が嫌いでも・・・僕はこの場所が好きだな・・・」
奠夷瑪ディーヴァ「・・・」
ストラ「・・・奠夷瑪ディーヴァ・・・君はどうだい?・・・この場所は・・・?」
奠夷瑪ディーヴァ「・・・そうだな・・・気に入ったよ・・・」
ストラ「そりゃあ良かった。何よりだよ。」
たわいもない会話・・・だが、それはそれで充実した日々であった・・・
奠夷瑪ディーヴァ「・・・ふふ・・・」
1日経ち、2日経ち・・・2人の間のわだかまりは自然に解けていく・・・そして3日目の朝・・・
奠夷瑪ディーヴァ「・・・くぅ・・・」
腹部を押さえて苦悶の表情を浮かべる奠夷瑪ディーヴァ
ストラ「奠夷瑪ディーヴァ・・・?」
奠夷瑪ディーヴァ(タダの神器ではないな・・・神をも殺す神器か・・・くそっ・・・私としたことが・・・)
ストラ「まだ傷が痛むの?」
奠夷瑪ディーヴァ「う・・・うう・・・」
ストラ「何か、僕に出来ることがあったら遠慮なく言ってよ・・・」
奠夷瑪ディーヴァ「・・・仕方ない・・・な」
ストラ「・・・あ、でも『死んで』とかそういうのはナシだからね・・・」
奠夷瑪ディーヴァ「フン・・・ならばストラ・・・お前と正式に契約を結ぼう・・・」
ストラ「は?・・・契約?」
奠夷瑪ディーヴァ「この傷を治すにはそれが一番手っ取り早い。」
ストラ「・・・え・・・あ、そうなの?・・・」
奠夷瑪ディーヴァ「・・・問おう・・・汝・・・我が『力』を受け入れるか?」
ストラ「え・・・?あ、ああ。」
奠夷瑪ディーヴァ「ならば我が名を唱えよ・・・我が名は奠夷瑪ディーヴァ・・・力の破壊神なり。」
ストラ「奠夷瑪ディーヴァ・・・」
コアアアアッ
名前を呼んだ途端に両者の体が光で包まれる
ストラ「く・・・う!?・・・奠夷瑪ディーヴァ・・・?」
シュオオオオオッ
そして・・・奠夷瑪ディーヴァの傷もみるみるうちに塞がっていく・・・
パアアッ
光が止むと・・・
ストラ「・・・奠夷瑪ディーヴァ・・・?・・・傷が治っている・・・?」
奠夷瑪ディーヴァ「フ・・・」
かくして、奠夷瑪ディーヴァは完全に復活した・・・ストラと契約を結んだことによって・・・


続

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