奠夷瑪ディーヴァ外伝
第2章 〜世界の『掟』〜



テラ世界へとやってきた奠夷瑪ディーヴァは突如その世界の住人に襲われる、傷つき、山中で倒れこんだ奠夷瑪ディーヴァに対し
1人の男性が手を伸ばす・・・
シャン山、ストラの屋敷
奠夷瑪ディーヴァ「・・・」
ストラ「・・・狭い部屋だけど、自由に使っていいよ。」
奠夷瑪ディーヴァ「さてと・・・1つ聞かせてもらおうか・・・」
ストラ「うん?何を・・・?」
奠夷瑪ディーヴァ「この世界のことだ・・・」
ストラ「この世界って・・・君は・・・やっぱりこの世界の人間じゃないの?」
驚きを隠せないストラ
奠夷瑪ディーヴァ「・・・まず、第一に人間ではない。」
ぶわっ
どこに隠していたのか、背中に紫の6枚の翼
奠夷瑪ディーヴァ「・・・驚いたか・・・私は奠夷瑪ディーヴァ・・・力の破壊神・・・」
ストラ「・・・破壊神?・・・とてもそうには見えないけど・・・」
奠夷瑪ディーヴァ「当たり前だ・・・破壊神といえど好き勝手に何でも破壊すればいいというわけではない・・・私が斃滅
 するのは私の気に入らない世界のみだ・・・」
ストラ「・・・この世界は・・・気に入った?」
奠夷瑪ディーヴァ「さぁな・・・まだ、来たばかりでね・・・」
ストラ「・・・それで・・・この世界のことを!?」
奠夷瑪ディーヴァ「ああ、そうだ・・・」
ストラ「・・・う〜〜ん、まぁ・・・僕はそんなに詳しいわけじゃないんだけど・・・」
ボリボリ頭をかきながら話すストラ
ストラ「それでもいいのなら・・・」
奠夷瑪ディーヴァ「かまわん。」
ストラ「あ、そう・・・えっと・・・この世界・・・いや、国だけかな?・・・とにかく、ここの連中は自分達
 以外を認めないんだ・・・外からの来訪者には容赦無き制裁が加えられる・・・」
奠夷瑪ディーヴァ「なるほど・・・だからか・・・」
ストラ「・・・それだけじゃなく、外の来訪者と親しくしたもの、外の来訪者との交流を望むもの・・・等々
 自分達以外のものと何らかの関わりを持つものでさえ異教徒と見なすんだ。」
奠夷瑪ディーヴァ「・・・ほう・・・つまり、お前も異教徒の1人と言うわけか・・・」
ストラ「まぁ・・・そういうことにもなるかな・・・」
その世界に・・・いや、その国にストラと同じ思想を持つものはみな悉く殺される・・・だから、彼ら、彼女ら
は別の場所に移動せざるを得ない・・・それが砂漠であったり・・・この山であったり・・・
奠夷瑪ディーヴァ「・・・美しくないな・・・」
ぼそっと呟く奠夷瑪ディーヴァ。
ストラ「え?」
奠夷瑪ディーヴァ「いや・・・何でもない・・・」
ストラ「とにかく、君の傷が癒えるまで、ここに隠れているのが一番だろうね。何せここはやつらにとっては
 足を踏み入れてはいけない場所でもあるんだ・・・」
奠夷瑪ディーヴァ「・・・傷などすぐに癒える・・・」
ストラ「そう・・・?」
奠夷瑪ディーヴァ(最も・・・普通の傷ならばな・・・神器でのダメージとなると・・・少し長引くか・・・フン・・・
 まぁよかろう・・・この者の話が真実ならば・・・傷が癒えるまでこの場所にとどまるのも悪くない・・・)
ちらりとストラを見る奠夷瑪ディーヴァ
ストラ「ん?・・・何?」
奠夷瑪ディーヴァ「・・・」
・
・・
・・・
そのころ・・・
*「隊長・・・本気ですか!?」
セレスティン「本気も何も『槍』も戻ってきた・・・」
*「しかし・・・あのシャン山は邪教徒の巣窟・・・我々が足を踏み入れてはならぬ禁域・・・」
セレスティン「・・・そんなことは分かっている・・・だが、聖なる大地に現れた異教徒を放っておくわけにも
 いかん・・・」
*「・・・しかしですな・・・」
セレスティン「邪悪なる山を一掃するいい機会だ・・・それに・・・予言者も言っていたではないか・・・
 異世界から来た異教徒・・・そのものの力を得ればわが国はさらなる発展を遂げることが出来るだろう」
*「そ、そうではありますが・・・」
セレスティン「・・・大総統閣下に許可を貰ってくる・・・お前らアレの準備をしておけ!」
ビシイッと指をさして命令するセレスティン
一同「は、はい・・・」
・・・崩壊の時は・・・刻一刻と迫ってきている・・・今は誰も知らないだけ・・・


続

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