奠夷瑪ディーヴァ外伝
第1章 〜『力』の紀行〜



破壊神・・・呼んで字の如く『破壊』をもたらす『神』・・・そして、これは、浚澄羽帝サラスヴァティー世界の高位破壊神が
1人、力の破壊神こと奠夷瑪ディーヴァの記録・・・
テラ世界の一角・・・ノワ国
キラリ・・・
空に光が走る・・・
*「・・・セレスティン隊長、予言どおり、この地に異国の邪教徒が来たようです。」
それを眺める兵士・・・
セレスティン「うむ。分かっている。・・・異世界の邪教徒に・・・聖なる大地を荒らさせるわけにはいかん!
 行くぞ!」
一同「ハッ!」
ザッザッザッザッザッ
軍の一個団体が城から出て行く・・・この世界の人々は・・・他国、異世界からの来訪者を断じて許さない存在
・・・そして・・・そんな世界に奠夷瑪ディーヴァは赴いた・・・
奠夷瑪ディーヴァ「・・・ふむ、なかなかによさそうな世界だ・・・」
浮遊しながら語る奠夷瑪ディーヴァ
奠夷瑪ディーヴァ「・・・おや?あれは・・・?」
奠夷瑪ディーヴァが浮遊している場所めがけて突き進む団体
奠夷瑪ディーヴァ「・・・ふむ。」
ふらり・・・
セレスティン「撃てぇ!!」
ギュオアッ
奠夷瑪ディーヴァが近づくや否や、何かが打ち込まれる
奠夷瑪ディーヴァ「はっ!」
ギャギイイイッ
それは・・・槍・・・
奠夷瑪ディーヴァ(くっ・・・不覚・・・)
ドザアアアッ
弾くのが一瞬遅く、攻撃を喰らった奠夷瑪ディーヴァはそのまま山の中へと落ちていく
*「落としました。」
望遠鏡で覗きながら1人の兵士が言う
セレスティン「『槍』はどこだ!?」
*「はっ・・・ただいま探しております。」
セレスティン「・・・異国の邪教徒・・・あれしきでくたばるとは思えん・・・とっとと『槍』を探し出し・・・
 ヤツにとどめを刺すぞ!」
一同に気合を入れなおすために一喝するセレスティン
一同「はっ・・・直ちに・・・」
ドドドドドドドッ
散開する兵団・・・
・
・・
・・・
セレスティン率いる軍団は奠夷瑪ディーヴァのことは一旦置いておき、『槍』の捜索にかかった・・・一方、奠夷瑪ディーヴァは
というと・・・
奠夷瑪ディーヴァが落ちた山・・・シャン山
奠夷瑪ディーヴァ「・・・やれやれ・・・不意を突かれたとはいえ・・・いきなり神器で攻めてくるとはな・・・」
神たる奠夷瑪ディーヴァを傷つけることができるのは神器のみである・・・腹部の傷を押さえながら奠夷瑪ディーヴァは言う・・・
奠夷瑪ディーヴァ「この世界は一体どんな世界なのだ・・・」
漆黒の空を見上げながら奠夷瑪ディーヴァは言う
奠夷瑪ディーヴァ「・・・處渟帚と煉鑄翔をつれてくるべきだったか・・・」
ガサリッ
と、そのとき、物音が聞こえる
奠夷瑪ディーヴァ「誰だ!?」
音があった場所をきつくにらみつける奠夷瑪ディーヴァ
奠夷瑪ディーヴァ(追っ手か!?・・・いや・・・それにしては早すぎる・・・)
ガサガサガサ・・・
茂みのなかから現れたのは・・・1人の男性
*「・・・君・・・は!?」
奠夷瑪ディーヴァ(ただの人間か・・・何の力も感じられないが・・・一応確認しておくべきか・・・)
*「はっ・・・怪我をしているじゃないか・・・大丈夫か・・・君?」
傷に気がつき、そのまま近寄る漢
奠夷瑪ディーヴァ「触れるな!」
ビクッ
*「ひっ・・・」
一瞬躊躇う・・・が・・・また、近づく漢
奠夷瑪ディーヴァ「・・・聞こえなかったのか?触れるな・・・と」
*「・・・君がどんな存在なのか僕には分からない・・・けど、怪我人は万国共通だ・・・治療しないと・・・」
奠夷瑪ディーヴァ「・・・不要だ・・・人間の治療法など私には通じん・・・」
*「うっ・・・」
うろたえる漢
奠夷瑪ディーヴァ(・・・害意は無い様だな・・・ふぅ・・・少しきつく言いすぎたか・・・?)
ゆらり・・・
立ち上がる奠夷瑪ディーヴァ
奠夷瑪ディーヴァ「・・・汝・・・名は?」
*「え?僕?」
奠夷瑪ディーヴァ「お前以外に誰がいる?」
・・・漢の名前はストラ・・・ストラ・F・ルーテ
奠夷瑪ディーヴァ「・・・そうか・・・ならば・・・少し世話になるとするかな・・・」
ストラ「え?・・・あ、はい・・・」
奠夷瑪ディーヴァを誘導して自分の屋敷に帰るストラ・・・
奠夷瑪ディーヴァとストラ・・・この2人の邂逅出会いが・・・後にこの世界にとっても、奠夷瑪ディーヴァにとっても大きな
禍根を残すことになるとは・・・今は知る由も無い・・・


続

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