B.B.B. 外伝
12の馬鹿 〜不敗の弁護士インビンシブル・ロイヤ伝説 前編〜



ここに、1人の弁護士がいる。彼の名は『朝凪菊一』……今回はそんな彼に纏わる伝説……
東京、某裁判所
裁判官「これより、連鎖誘拐脅迫事件主犯、鎔裳幽界とけるも・ゆうかい氏の公判を行う」
検察官「被告、幽界ゆうかい氏は『お宅の子は誘拐した、返して欲しければお宅の子の戸籍を抹消しろ』と脅迫し、
 さらに『それがイヤならばお前も誰かの子供を誘拐し、同じように脅迫しろ』との脅迫で、全国47都道府県
 1つも同じ場所がかぶることなく連鎖的に47件の誘拐事件を巻き起こしたとしてここに起訴します」
※全国47都道府県1つもカブることないってそりゃすげぇよ……
鎔裳幽界とけるも・ゆうかい「違う!俺は無実なんだ!!俺じゃない……俺は何もやってないんだ!!」
検察官「黙りなさい!被告!!」
幽界ゆうかい「頼む!信じてくれ……俺は無実なんだ!!」
と、無様に無実を主張する幽界ゆうかい……
朝凪菊一「その通り!彼は無実です!」
一同「は!?」
だが、彼を弁護する弁護士だけは違っていたのだ……
菊一「彼は数回、献血を行いましたが、そのうち1度、献血した血液が奪われたという事件が発生しております」
検察官「それが……?」
菊一「つまり、奪われた血液から彼のクローンを作り、そのクローンが今回の犯行を行ったわけなのです。
 クローンに後天的な記憶は無く、一般市民である幽界ゆうかい氏とは違い、犯行を行ったのであります」
※どんなブっとんだ推論だよ!
菊一「よって裁くべきは彼ではありません。彼のクローンを作り、そしてそれを野放しにした某国立の研究所
 を裁くべきなのであります」
一同「んな……そんなワケ……」
ガヤガヤとするガヤ(うぉい!)
トントン
と裁判官がお決まりのハンマーを叩き……
裁判官「静粛に……これより、判決を言い渡す……」
一同「……」
……一同、ゴクリと固唾を飲んで見守る中……
裁判官「……被告、鎔裳幽界とけるも・ゆうかい……無罪!!」
幽界ゆうかい、菊一「ニヤリ……」
一同「なっ!!?」
再びガヤつくガヤを無視するかのように裁判官のハンマーが鳴り響き、
トントン
裁判官「静粛に!これにて最高裁を終える」
・
・・
・・・
この世間を騒がせた犯人が無罪となったこの事件……やはり世間を騒がせたのであった……
天四斗あまよと、馬鹿研究所
馬鹿「不敗の弁護士インビンシブル・ロイヤ……またも伝説を起こす……か」
狗訴くそ「彼が弁護すれば無罪も有罪、有罪も無罪になるって有名ですからねぇ……」
ひや信子「でもさぁ、『お宅の子を返して欲しければお宅の子の戸籍を抹消しろ』……なんて子供が帰ってきて
 ももう、その家の子供として認められないんだから悲惨だよね……」
一同(もう一回戸籍を取得しろよ……)
凌霄花しのぎ・そうか「しかし、クローンの犯行なんてさすがに無理がありません?」
狗訴くそ「確かにな……巷ではそれで大問題だよ……」
信子「しかも、最終判定だったからなおさら問題なんだよね……」
馬鹿「うむ、裁判は最高3度まで……そして、その最後の裁判で不敗の弁護士インビンシブル・ロイヤを雇う……悪いヤツだぜ……
 全く……」
信子「全くだね〜〜、ダーリン」
抱きっ
狗訴くそ「……しかし、それはともかくとして……」
霄花そうか「……ええ、一体、彼はどんな手口を使って不敗伝説を成し遂げているのでしょう?」
馬鹿「……むぅ……」
*「任せない!!そんなあなたの疑問にズバっと解決!来たれ!オーバーテクノロジー!!」
どど〜〜んと登場するは嘶木否子いななき・いなこ……
一同「どっから出てきたアンタは!!」
嘶木否子いななき・いなこ「フフン、女はねぇ……謎を着飾って美しくなるものなのよ!!」
狗訴くそ「……つまり、どこから出てきたかは謎のままにしてくれってことですね?」
否子いなこ「ええ、そうよ!!」
一同「……」
この際、どこから来たのかはおいとこう……彼女は……不敗の弁護士インビンシブル・ロイヤのヒミツを知っているのか?!


続

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