B.B.B. 激闘編
62の馬鹿 〜真の『力』と刀! 中編〜



月夜の魔獣に戦わずして負けた馬鹿一行……真の『力』の手がかりを求めて右往左往し……
天四斗あまよと嘶木いななき研究所
ひや信子「で、否子いなこさん。真の『力』って?」
嘶木否子いななき・いなこ「ん?……ああ、そういえばそんな話だったわね……つい武勇伝を語ってしまったんだけど……」
一同「いえいえ……」
一同(あんな過去があったなんて……)
否子いなこ「で、簡単に言うとそれはブーストね」
凌霄花しのぎ・そうか「ブースト……ですか!?」
否子いなこ「ええ、そうよ。万物には生命が宿っているの……」
馬鹿「……イキナリ話が飛んだんですが……」
否子いなこ「いいから黙って最後まで聞く!」
一同「は……はい!」
否子いなこ「で……万物には生命が宿っている……っていう説があってね。水も、空気も、木も……もちろん
 自然物だけでなく、刀や銃といった人工物から建物、果てはこの惑星や宇宙にも……」
偽馬鹿「は……は……」
否子いなこ「で、ブーストと言うのはまずその生命宿る存在との対話から始まるの」
信子「……つまり……ゲームとかにむかって今日も元気だね〜〜とかブツブツ言うあれですよね!?」
一同「……それはタダのアブない人……」
否子いなこ「別に声を出す必要は無いんだけどね……ん〜〜、まぁ、詳しいことは……知り合いに聞いて」
一同(また移動ですか!?)
たらい回し〜〜
馬鹿「……ちなみに……その知り合いって?」
否子いなこ「刀鍛冶よ……もう、天下一品のね。腕は折り紙付だから問題なしよ……最も……刀を打ってくれる
 かと聞かれれば……困るけどね……えっと……名前は……何だったっけ!?」
一同「知り合いじゃないんですか!?」
否子いなこ「そうなんだけど……いろいろと覚えなきゃいけないことが多すぎて……知り合いなんてすぐ忘れて
 しまうものなのよ〜〜」
一同「……はぁ……」
しばし考える否子いなこ……そして……
否子いなこ「ああ、確か荒井だか……」
霄花そうか「荒井……天剣?」
否子いなこ「そう!それそれ!」
狗訴くそ「うえ?!何で知ってるの?」
霄花そうか「……ちょっとパパが……」
偽馬鹿「とにかく、その荒井ってな人に会いに行こうぜ……」
一同「そうね……」
・
・・
・・・
天四斗あまよと、荒井刀剣商
霄花そうか「すいませ〜〜ん、荒井さんはいますか〜〜!?」
荒井天剣「……しのぎのお嬢……どうした?また刀の注文か!?」
霄花そうか「いえ……あの……」
天剣「まぁ、お宅が菊一文字宗則7本注文したときは困った……。世界にある全ての菊一文字を集めなきゃ
 いけないのでは……?……と軽く思ったからね……」
霄花そうか「……何度も言いましたが、あれはパパが間違えて1本と書くところを7本と書いただけで……って
 今日はそんな話をしに来たのではないんです」
と、言うことで……これまでのいきさつを話す霄花そうか
天剣「……ブースト……か……確かに、俺ら刀鍛冶は刀と対話するのが職業みたいなものだからな……」
馬鹿「え!?」
天剣「ん?何を驚くことがある……鍛冶屋とは刀との対話あって然り……だが、最近は……形ばかりを
 真似することが多くて困るな……ああいうのを駄作というんだ……駄作とな……」
ブツブツと愚痴をこぼす天剣
*「あなた……お客様の前ですよ……」
と、奥から奥さん登場
天剣「……む、そうだったな……」
霄花そうか地鞘ちさやさん、久しぶりですね」
荒井地鞘ちさや「ええ、しのぎさんも元気そうで何よりです」
霄花そうか「……そういえば、息子さんは元気ですか?」
地鞘ちさや「ええ、人柄とつかも刀鍛冶を目指して日々精進していますよ」
霄花そうか「あ、やっぱり刀鍛冶を目指すことにしたんですか〜〜」
和気藹々……
狗訴くそ「……なぁ、霄花そうか……世間話もいいけど……」
……肝心の話はまだ聞いてないぞ……


続

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