朱い宇宙そらの侍・祖章エデン
第31幕 〜その名は変神鉄!〜



ひかると切子の2人を追って、恒次こうじらも後を追う……そしてたどり着いた正入まさいり商店で……一行は神魔光叢牙しんまこうそうがを
作った刀鍛冶と出会う……
正入まさいり商店
日宗三月ひむね・みつき「作ったって……ええ!!?」
正入まさいり五郎「……はい?」
珠数恒次たます・こうじ「……神魔光叢牙しんまこうそうがを!!?」
五郎「はい」
綱國丸鬼こうこく・まき「……貴方が!?」
五郎「はい」
国田正貫まさぬき(確か調べでは神鉄を扱える人間はもはや存在しないとのことでしたが……)
丸鬼まき「……ですが、これはお受け取りできませんわ……」
恒次こうじ「おい、何でだよ!?」
三月みつき「……そっか……恒次こうじ、忘れたわけじゃないでしょ?神鉄に取り込まれ、光と共に消えた人がいたって
 ことを……」
恒次こうじ「……ぐっ……」
五郎「……確かに……神鉄に選ばれし者ではないものが神鉄を使用すればその果てにあるのは死です……
 ですが、それは純度が準神鉄より上のものに限ります」
正貫まさぬき「……確かに……以前調べた結果、そのような報告があったはずです……しかし、純神鉄より純度の
 落ちる準神鉄、粗神鉄では取り込まれることはなくとも……実用することは……」
正入道流まさいり・みちる「博識ですねぇ……」
正貫まさぬき「どうも」
五郎「うむ、確かにな……だが、コイツは粗神鉄でも準神鉄でも作られていない……こいつは……私が
 開発した変神鉄を利用して作ったものだ……」
一同「変神鉄ぅ!?」
道流みちる「うん。純度は粗神鉄だけど威力は準神鉄を超えるって優れものだよん♪」
恒次こうじ「そいつぁスゲェ!!」
五郎「ゆくゆくは真神鉄を超える神鉄を作りたいと思っているのですが……これがなかなかうまくいかない
 ものでして……」
三月みつき「ちょっと……待って……」
恒次こうじ「何だよ!?三月みつき……」
三月みつき「……神鉄を扱える人間なんて存在しないはずよ……あなたたち……何?」
丸鬼まき「た……確かに……」
五郎「……ふむ」
不信な目で五郎らを見つめる一行
五郎「……確かに……今、現在、神鉄を扱える人間が存在しないというのは正しい」
三月みつき「へ!?」
五郎「……なぜなならば私たちは貴方達と同じ時を過ごすものではないからです」
恒次こうじ「……どういう?」
五郎「……私達は今から500年前からずっとこうして生きているのです」
一同「はい!?」
正貫まさぬき「……なるほど……確かに文献によりますと今から500年前には神鉄を扱える人間も存在した……」
五郎「ええ。私は神鉄を扱いたいがために神鉄を求め……そして神鉄に取り込まれた人間……故に500年
 前から今まで変わることなく生きている……」
三月みつき「……500年……?」
※衝撃の告白!!!
五郎「ええ、私は……いつか私達を殺せる武器を作ることを望み、神鉄を扱っている……私達父娘親子
 の肉体はたとえ真神鉄ですら完全に破壊することは出来ない……それが神鉄に取り込まれたものの末路……
 ですが、変神鉄を鍛え上げたことによりようやく……」
丸鬼まき「そん……な……」
正貫まさぬき「なるほど……確かに……『死ねない』というのも苦痛でしょうな……」
五郎「と、言うわけです。他に質問は?」
恒次こうじ「はいは〜〜い、娘さんに彼っていま……」
ドゴスカッ
またも三月みつきの鉄拳制裁が飛ぶ
※ってか道流みちるの鉄拳制裁の方が効果があるのでは……いや、三月みつきはそれを回避させたのか……えらいぞ!
 三月みつき!さすがは三月みつき!(何のこっちゃ!?)
五郎「では、神魔光叢牙しんまこうそうがをお受けください。今後、必ず役に立つはずですよ……」
正貫まさぬき「……どうします?」
丸鬼まき「……分かったわ……受け取ろうじゃないの……」
チャッ
ってなことで一行は五郎印の神魔光叢牙しんまこうそうがを手にする
五郎「メンテナンスその他は是非我が正入まさいり商店へ……」
三月みつき「は……はぁ……」
五郎「さて、では真神鉄を超える神鉄の開発へ向かいますかねぇ……」
ガラガラガラガラッ
そして……商店のシャッターが下りる
恒次こうじ「あ、お〜〜い……」
正貫まさぬき「……フム、では、我々も急ぎましょう……このままここでじっとしているだけではひかる様、切子様と
 距離が離れるばかりです」
丸鬼まき「……そうね……」
ってなわけで一行はまたひかるらを追うことに……
恒次こうじ(……で、三月みつき……)
三月みつき(あ?何?)
恒次こうじ(あいつら本当に500年生きていると思うか?)
三月みつき(さぁ?)
恒次こうじ(……俺は絶対違うと思うね……第一500年前の格好してないし!)
三月みつき(アンタねぇ……いまどきそんな格好していたら怪しすぎるでしょうが!!)
※確かにな……
三月みつき(そりゃ……神鉄を扱うことが出来る人間がいないって情報はあるけど……あくまで情報よ……事実
 かどうかは別問題よ)
恒次こうじ(ふ〜〜ん……そんなもんかねぇ……)
三月みつき(……むしろ……神鉄に取り込まれた……ってのが気になるわね……私達が見た……って言っても
 1度だけど……取り込まれたら光と共に消えたでしょ?)
恒次こうじ(……むぅ……)
三月みつき(じゃあ、なぜ取り込まれたあの親子は無事なわけ?)
恒次こうじ(……)
と、三月みつき恒次こうじとがひそひそ話し合っている間……
正貫まさぬき(……正入まさいり……確かに文献には神鉄を扱えた鍛冶屋としてその名がありました……まさか……本当
 に今まで生きていた……?いや、しかし……ありえない話では……ない……か……)
丸鬼まき(……神鉄……それって一体……何なの!?)
様々な思わくが交錯する……
正貫まさぬき「……ひかる様が追い求める朱い髪の侍……それが全てを知っている……のかもしれませんね……」
一同「……」
丸鬼まき「……あの……侍……?」
さて、一行はひかるらに追いつくことが出来るのか!?……そしてひかるらは仇を討つことが出来るのか!?


続

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