朱い宇宙そらの侍・祖章エデン
第13幕 〜が為に刀は輝く〜



穏やかな昼下がりに起きた(正確には朝方に起きたのだが……)誘拐事件……犯人が潜んでいそうな場所に
乗り込んだ切子きりこひかるは見事犯人と鉢合わせる……そして、死合が始まる……
天四斗あまよと、某廃屋
ギリギリギリギリッ
組み合う2人
*「ふむ、やりますな……だったら……」
ヒュゴアッ
刀を右手だけで持ちそのまま左の拳でひかるを襲う
大典光おおのり・ひかる「おお!!!?」
ザザザザッ
咄嗟に退くひかる、その隙を逃さない漢
*「静かなる舞アヴェック・カルム!」
ヒュオアッ
一気に間合いを詰めてそのまま横に薙ぎ払う
ひかる「くうう……」
ギンッザザザザザッ
間一髪、受けるがそのまま弾き飛ばされる
*「ほう……受けましたか……なかなか……」
ひかる(つ……強ぇ……だが、コイツを斃せなくば烏丸も斃せん……)
チキッ
刀を構えなおすひかる
*「ほう、まだやりますか!?」
ひかる「当たり前だろうが!俺はこんなところでグズグズやっている暇なんて無いんだよ!」
キインッ
刀が蒼く光る
*「ぬ!?……あの輝きは……」
ひかる「うおおおお!!光牙こうが蜃氣楼しんきろう!」
ユラ〜リ
刀を緩やかに動かすひかる
*「……天翔る谺ヴォランテ・エコ!」
ドドドドドドッ
無数の剣閃がひかるに迫るが、全て切り払われる
*「なっ!?」
ひかる「くたばりやがれぇ!!!」
ゴッ
一足飛びに掛かるひかる
安童切子あんどう・きりこ「待って!」
ギイインンッ
自称光学迷彩の大太刀がひかるの刃を阻む
※ってかいつの間に!?
ひかる「なっ……お前、何を!!?」
*「おやめなさい。正貫まさぬき!」
*「……はっ……」
スチャッ
遠くから聞こえる声、そして刀を収める漢
ひかる「???」
切子きりこ「……この誘拐は嘘……」
ひかる「……何!?」
カツコツカツコツ……
*「……ええ、そうですとも」
奥から現れたる女は……
切子きりこ「……綱國丸鬼こうこく・まき綱國丸鬼こうこく・まき「……ええ、私が綱國丸鬼こうこく・まきよ……」
……つまり、誘拐は狂言だったってわけだ……俺は財閥嬢付の執事と死合っていたってな話だ……
ひかる「……そういうことか……」
チキッ
刀を納めるひかる
ひかる「……だが……」
国田正貫くにた・まさぬき「ええ、貴方の疑問は分かります。なぜ狂言誘拐をしなければならなかったのか……と」
丸鬼まき「……全てはお父様を試すため……」
正貫まさぬき「お嬢様の父君は大変多忙なお方なのです。が、多忙を理由にここ近年全くお嬢様との会話が無いのです
 ……そこで会話の場を持たせるためにこのような策をとったのですが……」
ひかる「……父親は来ず、俺達が来ちまったってワケかい……」
娘よりも仕事を選んだってことだな……その親……
ひかる「ってかよく分かったな……お前……」
切子きりこ「……国田正貫くにた・まさぬきの顔は知っていた……」
ひかる「だ〜〜〜、それならもっと早く言ってくれよ……」
切子きりこ「……私の言葉に耳を貸さなかった……」
ひかる(俺が悪いのか!?これ……)
で、そのとき都合よく参上するのは……もちろんあの2人
珠数恒次たます・こうじ「やっぱここか!待ってろ!今!フラグを経てるために馳せ参じょ……」
日宗三月ひむね・みつき「待ちなさい!」
ガシッと掴まれる恒次こうじ
恒次こうじ「ぐあっ!?何す……」
ひかる「……あ〜〜、一応事件は解決だ……」
恒次こうじ「な……何ぃ!!?お……俺様のフラグ立ての緻密な計画がぁ!!!」
※どこに緻密さがあったのか問いたい……
三月みつき「はいはい、バカは放っておいて……」
丸鬼まき「よし、決めたわ。これからはあなた達と一緒に行動するわ!」
一同「はい!?」
丸鬼まき「よろしくね、みなさん」
ギュンッ
恒次こうじ「よろこん……」
ゴガシャッ
すぐさま立ち直った恒次こうじが決死のアタック……が、未然に三月みつきに防がれ弾き飛ばされる
恒次こうじ「のおう!!?」
三月みつき「アイツには気を付けなさいね。善人面した狼だから」
正貫まさぬき「分かりました。覚えておきましょう」
恒次こうじ「覚えなくて良いから!!ってか誰!?アンタ!?」
ひかる丸鬼まきお嬢さん付の執事だってさ……」
恒次こうじ「なっ……何ぃ!!?執事だとぉ!!!?」
※何故にそこまで驚く……
ひかる「……とりあえず、帰ろうぜ……」
三月みつき「ま、そうね……」
……なんだかハイスピードな展開で事件は終了したのだが……いいのかなぁ?(待て)
……ちなみに……この事件に関しても財閥側は何も咎めなかったそうな……(おいおい……それはそれ
で問題があるような……)


続

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