朱い宇宙の侍・祖章(
第2幕 〜同病相哀れむ…〜
ある雨の降る日、烏丸(というナゾの女から少女と刀を託された大典(……そして、これが全ての
始まりであった……
天四斗、SS学院寮
大典光(「お前が……いや、お前も……俺と同じ!?」
朱い髪の侍に家族を奪われたと……?
光((烏丸(とやらに俺の過去を聞いて同病相哀れむ的なことを……いや、違うぞ……こいつの虚無色の眼は
……眼の前で家族を殺されたことによる絶望の果ての眼……)
安童切子(「……これ……」
刀を手渡す
光(「……どんな刀だってんだ!?これが?」
スラリッ
パアアアアッ
抜刀と同時に蒼き光が辺りを包む
光(「な……何だ!!?……この異様な輝きの刃は!?」
パチンッ
光((パンドラの箱を開けるってのはさっきのみたいなのを言うんだろうな……)
光(「フン……だがいい、例え百億の災いが降りかかろうと俺は希望を掴む!」
……さてさて、話を戻して……(戻す必要はあるのか!?)
光(「で、お前も俺と同じ境遇なのは分かった……だがな、いつまでも学院の部外者を寮におくわけにもいかん。
よって、そろそろ帰ってくれ……」
切子(「心配ない。転入手続きはすませてある」
光(「は!?」
ってか何が心配無いなんだ!?
光(「ああ……そう、じゃ、何だ、とっとと寮にでも帰れ」
切子(「……ここに住む」
光(「はい!?」
コイツ、またオカしなことを言う……漢の部屋に住むだと!?『漢は狼なのよ〜気を付けなさい♪年頃に
なったなら〜慎みなさい♪』……って歌っている場合じゃねぇ!
光(「ふざけんな!そんなこと勝手に決め……」
スッ
紙切れをさしだし
切子(「許可は貰ってある」
その紙切れには大家がこの部屋に住んでもいいとの許諾などが云々かんぬん書かれていた……
光(「おおい!大家ぁああああ!!!」
ってか大家も大家だぞ……なんだって漢の部屋に女が住むことを許可しやがったんだ!おかしいだろ!
光(「……襲ってもしらないぞ……」
切子(「……出来るものなら……」
ズゴゴゴゴゴッ
光(「うっく……」
ザザッ
冗談のつもりで言ったのに……凄まじい殺気が部屋を支配する
光((ハハハハ……ハハハ……)
・
・・
・・・
翌日、SS学院
*「おう、光(」
光(「ん?恒次(か……」
珠数恒次(「……おいおい、いつもの復讐心でギラギラの眼はどうした!?ふ抜けちまったのか!?」
*「アンタと違って考えることがあるってことよ」
と、女の声が……
恒次(「誰が単細胞かっ!」
彼女は日宗三月(……恒次(の幼馴染である。ちなみに、恒次(は……その父親、青江丸(が
俺の身元引受人兼師匠であるが故の交流である。
恒次(「ま、いいさ、それよか、聞いたか。何でも今日、SS学院に転入してくるヤツがいるんだとさ……」
光((……切子(ね……)
日宗三月(「……昨日からこの調子なのよね〜〜全く。困ったものよ……」
恒次(「きっとめがっさ可愛い……いや、アルティメット可愛い美少女なんだぜぇ」
三月(「漢かもしれないでしょ?」
恒次(「インフィニット可愛いも捨てがたいし……ペルフェクティオ可愛いってのも……なぁ?」
光(「……勝手にやってろ……」
究極だの、無限だの、完璧だの……鶴屋風だの……よくもまぁ思いつくもんだ……
※そしてその単語を理解できるお前もな……
光((……)
そういえば……SS学院では常に帯刀することが条件だったような……アイツは帯刀していないんだが……
いいのかなぁ?
……んでもって登校風景をすっ飛ばして教室。
ガラッシ〜〜〜ン
教師が入ってくるや否や……静まり返る教室。まぁ、それもそうだ……担任、伊勢の野郎は私語厳禁な教師。
もし、ベラベラおしゃべりしようものならチョークの代わりに横一文字が飛ぶってもんだ……
※よく死なないな……ってか殺さないな……
伊勢村正「……さて、このたびSS学院に転入生が来ることになった。ま、回りくどい話はナシだ……
入ってきなさい……」
スタスタスタスタッ
安童切子(登場……
安童切子(「……安童切子(……」
恒次(「おおおおおおしゃああ!!!思った通りの……」
ズガンッ
村正「私語を慎め!」
剣閃が飛び、恒次(を吹き飛ばすとともに叫ぶ村正
一同「……」
村正「あ〜〜、座席だがな……」
スタスタスタ……
村正「おい……」
伊勢を無視して歩き出す切子(
切子(「……ここがいい」
光(「おいおい!」
そこは……俺の隣……常に殺気を出しているような俺の隣に座るようなヤツはいなく、俺の前後左右4つの
席は常に空白……
村正「……あ、そう。じゃ、そこで……」
三月((やるわね……私でさえ座らないあの席に座るなんて……)
光((部屋も一緒で席も隣って……何なんだよ……一体……)
・
・・
・・・
さて、授業なんてものは面倒くさ……いやいや、普通の学校とやっていることに特に変わりは無いので割愛♪
話は放課後に……
続
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