つくがく de SS
課外活動の3・後篇



ツクール学園全域にて総数108のスタンプをめぐるスタンプラリー。2時間という制限時間の中でどれだけ
多くスタンプを押すことができるかを競うこの企画に参加した一同だったが・・・
その頃、理科室では・・・
ルイン「・・・これはッ!?」
シャーレの中にインク、そして漏斗やメスシリンダーを模したスタンプは、いいのだが・・・シャーレに
『塩酸』だの『硫酸』、『硝酸』果ては『王水』などとラベルが貼ってある
ルイン「トラップ!?・・・いや、しかし・・・」
持ち前の危機回避能力で安全を探るルイン・・・だが、何の察知も出来ず戸惑い、そのまま逡巡するルイン
※流石に硫酸だの王水だのに浸したスタンプなど置いてあるわけがなく、全て安全なので危険など察知できない
 だけなのですが・・・
司「どうしたん・・・だ!?」
司も理科室へやってくる。そして、何を逡巡しているのか、司なりに考える
司「なるほど、インクにべったりとスタンプ・・・こりゃ、押したら裏ににじむどころか、下手したら次のページ
 以降もインクでベッタリだ・・・」
司とルイン、その考えは違ってました・・・
司「お、こんな処に紙があるじゃないか・・・」
ルインが未だこのシャーレの中身はどれか本当に強烈な酸を含んでいるのでは?と考えている中、司はインクに
紙を沈めて朱肉のようににしていく
司「これで、大丈夫だろう。ルイン、先にどうぞ」
ルイン「なっ!?」
とりあえず、自分より先にいたんだからとルインに進める司・・・しかし、ルインの方は自分に危険がないか
先に調べろと言われたと思いショックを受ける
ルイン「くっ・・・俺の危機回避能力を受けてみよ!」
意を決してスタンプを押すルイン。
・
・・
・・・
調理室
リズ「調理室のスタンプって言うと大根とか人参を模したスタンプかと思ったのに・・・」
視聴覚室から調理室へとやってきたリズ・・・そして、そこで見たものは・・・
俎板まないたを模した朱肉の上に包丁を模したスタンプがズラリと・・・
しかも柄の部分がスタンプとなっており、刃の部分をつかんで押す風になっているのと、朱肉の紅が妙にリアルで
怖さ倍増・・・
セナ「大丈夫。刃じゃなく、峰の方を持って押せば・・・ね?」
そこへ、セナ、クールに参上して、ささっとスタンプを押していく
リズ「ねぇ、セナ・・・他にどんな場所にスタンプあった?」
セナ「全部は見てないけど、一般の教室には無かったわ。」
リズ「ふむふむ。確か売店にもコレ用のスタンプは置いてなかったし・・・」
あと、行ってない場所はどこだっけ?と考えるリズ
・
・・
・・・
体育館
ルイン「卓球のラケットを模した朱肉の上にシャトルを模したスタンプか・・・」
天然蛍あましか・けい「なんか羽根突やってください・・・って言ってるみたいだね・・・」
何の前触れもなくけい登場
ルイン「ッ!!?」
ルイン(・・・この俺が・・・ここまで接近されてなお、何の気配も察知できなかっただと!?)
そして、急に現れたけいに対し、恐怖を抱くルイン。
そのままじっとけいを見つめるルイン
ルイン「コイツ・・・出来る!!」
※ちなみに、けいはぼ〜〜っとしているというか、何も考えていないというか・・・そのせいで気配なく現れたり
 するのです。だから修行を積んで気配を消せるようになったというよりは・・・ある意味才能?
けい「・・・ん?なにが?」
当の本人はと言うとぱぱっとスタンプを押してぼけ〜〜〜っとしている。
ルイン「・・・」
ルイン(前言撤回させてもらう・・・)
※そういえば、けいはみんなと違って先にスタンプラリーを実行したんだからそろそろ制限時間が迫ってきて
 いるんじゃないのか?と我ながら突っ込み。(をいをい)
・
・・
・・・
グラウンド
氷菓子茜薙ひがね・せな「流石にここまで来るとネタが尽きたんじゃないだろうな・・・と思ってしまう」
ベースを模した朱肉の上に、なぜかプールで見かけるシャワーノズルを模したスタンプが置いてある
茜薙せな「と、いうことは・・・プールにはスタンプは設置されていないということだな・・・」
とりあえずスタンプを押しながら茜薙せなは思う
セナ「プールが朱肉でビート版がスタンプだったりして・・・」
そこへ、スタンプを押しにセナ登場。
茜薙せな「・・・ま・・・まさか・・・な・・・」
セナ「・・・」
※ちなみに、プールにはスタンプは設置されていませんでした・・・
・
・・
・・・
そして、そうこうしている間に、2時間は過ぎ・・・ペンダントがそれをお知らせ・・・
茜薙せな「む、時間か!?」
司「思ったより集まらなかったな・・・」
リズ「ここから帰るまでに発見したスタンプはカウントの対象外なのかな?」
ルイン「いや、おそらくリミットが来た時点で終了だと思う・・・」
と、いうわけで、一行は・・・実行委員会の本部へと戻る
ササ「あ・・・みんな、どうしたの?」
スタンプラリー実行委員会の本部に戻ってくるとそこにはササの姿が・・・
茜薙せな「ササか・・・実は私達はスタンプラリーをやっていたのだ」
ササ「へ〜〜・・・」
セナ「ササもやってみる?制限時間は・・・」
ササ「・・・ちょっと待ってよ・・・なんでみんなスタンプラリーやってるの?」
説明しようとした矢先にササが首をかしげる
司「え?なんでって・・・」
ササ「あ、そうか、窓あけっぱなしだったから、チラシが風で飛んでっちゃったんだ・・・」
あいた窓とそこに置かれていた開催のチラシを見ながらササが言う
ルイン「・・・ひょっとして・・・主催者・・・?」
ササ「明日、行おうと思ってスタンプを設置していたのに〜〜」
茜薙せな「む・・・と、いうことはまだ108個設置されていない・・・と!?」
ササ「あ〜〜、それなんだけど、ちょっと勢い余って216個になっちゃったんだよね」
一同「2倍!?」
※どうでもいいけど煩悩の数を2倍にすると6になるんだね・・・
司「・・・じゃ、豪華景品とかって・・・まだない・・・のか?」
ササ「うん、本当は幻の・・・とまではいかないけど『ジャンボ・チョコバナナ』とか」
リズ「をををっ!?」
キラ〜〜ンと目が輝くリズ
ササ「メイビープリンスの刀とか・・・」
茜薙せな「よく用意できたな・・・」
※メイビープリンス・・・茜薙せなの故郷たる天蓋てんがいあだの本国にすむ刀鍛冶。変わった名前だがその由来は・・・
 メイビープリンス=『約王子』≒『薬王寺』つまり『薬王寺助次』。折れず、曲がらず、刃こぼれせずの3点を
 見事に兼ね備えた日本刀から。
ササ「投げつければ大きさでダメージ、臭いで更に追加ダメージのラフレシアとか・・・」
セナ「・・・それは・・・いらない・・・」
ササ「他にもピンポイントで豪華な景品を用意していたんだけど・・・」
一同がピンポイントな景品なんだ・・・と思いつつ、そのピンポイントな景品に目を輝かせるリズが叫ぶ
リズ「じゃ、明日、改めてもう1回行うってことで・・・」
ササ「う〜〜ん、でも・・・もうみんなやっちゃったわけだし・・・やらなくてもいいじゃん」
・
・・
・・・
と、いうことで、第1回ツクール学園スタンプラリーは開始前に都合により頓挫というあんまりな展開を
迎えることに・・・
リズ「あたしのジャンボ・チョコバナナ・・・」
がっくりと項垂うなだれるリズ
ルイン「・・・景品をもらうこと前提で話が進んでいる・・・」
第2回開催は・・・ササの予定では未定らしいです。


END

前の話へ 戻る 次の話へ