Eighter -Scarlet Nocturne-
53rder 〜降真靈は重くない A〜
#0
大神の降真靈(はトンデモないものを呼び出してしまった。それは『氷』の破壊神、刺舞鴉(である。
刺舞鴉(は人間でいえば死亡している状態にあたるのだが、しかし、それでも、その動きを止め、封印しないと世
界が氷に閉ざされてしまう。
それを感じ取ったかんなとかなりはかれんと三人で事態の収拾を行うことにするのだった。
#1
白拍子かれん「先手必勝!暝鳳極舞刃(!」
相手が『氷』の破壊神ならば、炎の技で攻撃するのがセオリーよね?とかれんはポ○モン理論を持ち出して攻撃
を繰り出す。
しかし、よく考えてほしい。氷タイプのポケ○ンは水タイプの技を繰り出すことがあり、炎タイプのポ○モンが
いれば楽勝だと思っていると痛い目を見るのだ
※いや、だからポ○モンの話やめろ!
刺舞鴉(「……」
ガッ、カキィンッ
闇の剣気で具現化させた火の鳥が刺舞鴉(に迫るが、刺舞鴉(は左手を翳してそれを軽々と受け止める。
かれん「嘘でしょ?!」
そして、次の瞬間には火の鳥は氷漬けになり砕け散る
白拍子かなえり「と、言う風に安易に攻撃を繰り出すと痛い目を見るので気を付けましょうね」
シレっとかれんを反面教師に仕立て上げるかなりがそこにいた。
白拍子かんな(確かに、『氷』の破壊神に炎で攻撃するのは有効な手立てではある……が、それは刺舞鴉(に拮抗で
きる力がある場合に限ります)
刺舞鴉(に炎を届かせるには炎が届くようにある程度氷を削る必要がある。それができなければこの勝負に勝つこ
とはできない。
かんな(かなり姉さん)
かなり(んふ、合わせてあげるわ)
ダッ
一足飛びにかかるかんな、そんなかんなにかなりも合わせて飛び掛かり、それぞれ刺舞鴉(の左右から斬撃を繰り
出す。
ガッ、ギンッ
右から迫るかんなの神滅超越者(、左から迫る真殺影刃((大鎌)を軽々と受け止める刺舞鴉(。
かんな「くっ」
かなり「あら……やるわね……」
茜瑙哭((わかっていたが、強い……)
女王禍((素手なのが唯一の救いか……)
本来、刺舞鴉(は氷の大剣を駆使して戦う神である。しかし、今の刺舞鴉(は素手である。それは死んでいる状態だ
からなのか……あるいは別の要因なのか、茜瑙哭(や女王禍(は推し量ることができない。
#2
かれん(両手が塞がっている今がチャンス!ありがとうかんな!そしてかなり姉さん!)
キランと目を光らせるかれんは先ほどのリベンジとばかりに飛び掛かり、予兆共鳴者(と光焔熾(の刃を交差させ、
X字を描くように斬りかかる。
刺舞鴉(「……」
ドゲシッ
かれん「うげっ!?」
しかし、例え両手が塞がっていても、まだ蹴りが残っている。
そんなことがすっぽり抜け落ちていたかれんは刺舞鴉(の蹴りで派手に吹き飛ばされる。
かなり「オ〜〜ッホッホッホッホッ、無様ねぇ、かれん」
かれん「今のはちょっと油断しただけだから!」
一体誰に言い訳しているのやら……
気を取り直してもう一度、かれんが二刀をもってして襲い掛かる。
と、同時にかなりとかんなが刺舞鴉(から離れる。
かれん「ちょ、ちょっと!」
両手が自由になった刺舞鴉(は当然かれんの二刀を両手で受け止める。
かんな「はあっ!」
そんなかれんを見届けるや否や、再び斬りかかるかんな。
ガッ
だが、しかし、刺舞鴉(の左足がかんなの神滅超越者(を止める。
かなり「オ〜〜ッホッホッホッホッ!流石に両手、片脚が塞がっている状態で更に蹴りなんてできないわよねぇ」
そして、この瞬間を待っていたと言わんばかりに、かなりが真殺影刃((大鎌)で斬りかかる。
かなり「降魔烈破閃(・大千世界(!」
ズドッ
ようやくたどり着いた一撃。しかし、効果は抜群とまではいかないようだ。
かなり(千の斬撃を一つに束ねたこの技をもってしても、一撃では仕留めきれないか……)
だが、効果がないわけではない。
刺舞鴉(「オオオッ」
かなり「あらっ……」
かんな「退避ッ!」
このまま三位一体の攻撃を繰り返していけば、刺舞鴉(を抑え込める……と思った三姉妹だったが、そう簡単には
いかないようだ。
刺舞鴉(から繰り出される凍てつく波動。それを食らえば一発で行動不能になるのは必至。
だから、三人はすぐさま刺舞鴉(から距離を置く。しかし、刺舞鴉(の方はそのまま攻撃を繰り出すことができる。
そして、刺舞鴉(が狙いを定めたのはかれんであった。
かれん「ちょ、嘘でしょ!?」
果たしてかれんは生き延びることができるか!?
続
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