Eighter -Scarlet Nocturne-
39ther 〜嵐を呼ぶ秘密結社 C〜
#5
化野梶太郎「おっしゃぁ、今度はこっちのターンだな!」
拳を掌に叩きつけて梶太郎(が叫ぶ。
古畑呂司((いや、見合いじゃないんだから……)
梶太郎(「双虎拳、化野梶太郎(!ノットヴァルカナリアクター!おらぁ!」
名乗りと同時に殴りかかる梶太郎(。考えなしにも程がある。
※というか、わざわざノットヴァルカナリアクターと名乗る必要はあるのか?
呂司(「お、おい、ちょっと待てよ!向こうには幽闘術を封じる幽闘術があるんだぞ」
梶太郎(「ハッ!最初(から幽闘術を使わない俺にそんなモン効くか!」
新田姜馬(「まぁ、確かに、それはそうだが……」
だからといって考えなしに突っ込むのは無謀の極みである。と姜馬(が考えていた傍から梶太郎(は《ザ・テンペス
ト》の洗礼を受ける。
荒曲井(ソカタ「幽闘術、量の軽重を問う(!」
ズシンッ
梶太郎(「うぐおっ!?」
殴りかかったポーズのまま、突如地面に押し付けられる梶太郎(。それは、まるで梶太郎(の周りだけ重力が数倍以
上になったかのような光景だった。
一同「なっ!?」
このような無茶苦茶なことができるのは幽闘術しかない。
姜馬((重力を操るヴァルカナ?……いや、それならば俺たちにも影響が出るはずだ……であるならば、あれは重量
を操る幽闘術……と言うことか?)
ひとまずは相手の幽闘術を分析してみる姜馬(。それはそうと、ユーサーがこの場にいる以上、あらゆる幽闘術は
無効化されているはずだ。
セイ・ニングライト、出音(・グロウシュベル「幽闘術……馬鹿な!?」
あちらが幽闘術を使えるのならば、こちらも幽闘術を使えるのではと思ったが、しかし、結果はご覧の有様だよ
やはりこの場はユーサーの幽闘術、反幽の領域(の影響下にあるということだ。
姜馬(「一体どういうカラクリなんだ?……なぜ奴らだけ幽闘術を使える?」
姜馬(も幽闘術を使おうとしてダメだったからこその発言だ。
謂之府(ソリス「馬鹿が!手品の種を教えるマジシャンなどいるものかよ……」
上(総介「チッ、やはり策もなしに敵の本拠地に飛び込むものではないな……」
梓與鷹(「えぇ……」
この期に及んでそれかよ……って驚きを隠せない與鷹(であった。
#6
與鷹(「……総、これからどうするんだ?まさか、この後も無策ってわけないよな?」
縋るよな思いで総介をチラ見する與鷹(
総介「フッ、今は逃げるしかないな……」
姜馬(「だが、奴らがそう簡単に逃してくれるとも思わないが……」
敵の手に落ちた(?)梶太郎(のことを誰も心配していないのは酷い話である。
イシュー・ネゼリアル、マイル・ネゼリアルマイル・ネゼリアル「馬鹿め!」
バイラ・エウリデス、アーヴァ・エウリデス「俺達から逃げられるとでも思ったか?」
※お前らはさっきから何もしないくせに偉そうだな……
梶太郎(「ま、待てよ!」
ガシイィッ
ソカタ「何!?」
地面に縫い付けられたまま、身動きか取れないかに思われた梶太郎(だが、地道に這いずり回り、ソカタの足元ま
で辿り着いていた。そして、ソカタの脚を掴む。
梶太郎((おっ、こいつは?!)
すると、不思議なことに今まで梶太郎(を押さえつけていた謎の重量感が突如なくなる。
ソカタが使う量の軽重を問う(……それは重量を自在に操る幽闘術。そして、ソレは使い手にタッチすればその効
果から逃れられることができる。ということを梶太郎(は発見した。
それは効果が自分にも及ばないようにするための配慮なのかもしれないが、梶太郎(にとっては千載一遇のチャン
スである。
そのままソカタの腰やら腕やらを掴みつつ立ち上がると渾身の一撃をソカタにお見舞いする。
梶太郎(「覚悟しやがれ!貴様に双虎拳、鉄の掟を叩き込んでやるぁ!」
※寧(ろ叩き込むのは拳です。
ずぶりゅっ
梶太郎(「うおっ!?なんじゃこりゃ!?気持ち悪っ」
その時、不思議な出来事が起こった。梶太郎(の拳がソカタの体をすり抜けたのだ。いや、ソカタの腹から背中に
かけてワームホールが開いたといった方が正しいのかもしれない。
咄嗟に腕を引っこ抜いて、ぐっぱっと握ったり開いたりしてみる梶太郎(。特に腕に異常は無さそうでほっと安堵
する。
ソリス「幽闘術、無を繋ぐ産声(」
それは自分の周りの空間を自在につなぐエクストラスキル。故にどのような攻撃もソリスの前では意味をなさな
くなる。
ソリスもまた、ユーサーの影響下で幽闘術を使える。やはり、何かしかのカラクリがあるはずだが、果たしてそ
れを見破ることは可能なのか?
続
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