Eighter -Scarlet Nocturne-
39ther 〜嵐を呼ぶ秘密結社 A〜



#0
 ヴァルカナは0〜XXIの22種ではなく-XXI〜XXIの43種あった!
 そして、それはヴァルカナ争奪戦を新たなるステージへと導くもの……なのかどうかはさておき、ヴァルカナ争
奪戦はまだ続く。
 果たして君は生き延びることができるか?
※どこのガンダムだよ!

#1
 天四斗(あまよと)、Eighter本部
 ある日、総介はヴァルカナ争奪戦に関わる重大な話があると、ヴァルカナ争奪戦に関わるメンバーを急遽呼び出
した。
 なお、ヴァルカナ争奪戦に関わるメンバー有嗎幇(ユーマハン)だけではなく、セイ・ニングライトも含まる。
梓與鷹(よたか)「で、総。今日は何のために俺達を呼び出したんだ?」
(かみ)総介「これは気象庁のデータだ!」
 バンと机の上に資料を叩きつける総介。
一同「気象庁!?」
古畑呂司(りょうじ)「またどうしてそんなものを?」
山咲(やまざき)桜「警部は気象庁のデータとヴァルカナが検出された場所を見比べてあることに気づきました」
化野梶太郎(あだしの・かぢだろう)「あること?……なんだぁ、そりゃあ?」
総介「ヴァルカナが検出される前後で、その地域に突如嵐が発生していたことが分かった」
出音(でおん)・グロウシュベル、セイ・ニングライト「なんだと!?」
 その情報を聞いて血相を変えて叫ぶのは出音(でおん)とセイの二人であった。
新田姜馬(きょうま)「嵐……はっ、まさか……《ザ・テンペスト》か?!」
総介「そうだ。ヴァルカナ争奪戦を裏で操っているのは《ザ・テンペスト》である可能性が極めて高い!」
 改めて説明するが、《ザ・テンペスト》とは出音(でおん)とセイの仇であり、その名前の由来は嵐を(物理的に)呼ぶ漢
だからである。
 ヴァルカナの反応が出現した地域に、突如として発生する嵐。しかも、ヴァルカナを奪っていくわけではないの
だから、奴らの目的はヴァルカナをばらまくことであると推定できる。
※今までマイナスのヴァルカナをばらまかなかったのは謎だが、今はそんなことを詮索している場合ではない。
梶太郎(かぢだろう)「つまり、天気予報を注視すればヴァルカナ争奪戦も有利になるってことか!」
一同「ンなわけあるかい!」
 盛大に梶太郎(かぢだろう)に突っ込みを入れる一同。
 何の前触れもなく唐突に嵐になるというのが《ザ・テンペスト》なのだから、天気予報を見ても仕方がないのは
明白である。

#2
呂司(りょうじ)「しかし、突如発生する嵐を世界中から探し出すなんてのは無理な話なんじゃないか?」
梶太郎(かぢだろう)「確かにな、これからはヴァルカナ争奪戦を有利に進められるかって思ったけど結局は今まで通りってこと
じゃねぇか……」
セイ「……俺は別にヴァルカナ争奪戦などどうでもいい……《ザ・テンペスト》の情報が手に入ればそれだけでい
い……そして、結局役に立たない情報ならばもはやこの場に居合わせる理由がない」
総介「まぁ、焦るな。最後まで話を聞け!」
 早々に立ち去ろうとするセイの前に立ちふさがる総介。そして、桜がこう続ける。
桜「イングランドの片隅に、突如何の前触れもなく嵐が発生する場所があるそうです。そして、その場所を有名な
小説の名前から拝借してこう呼んでいるそうです……嵐ヶ丘、と」
セイ「つまり……」
出音(でおん)「そこに《ザ・テンペスト》が!?」
 その情報だけ聞けば十分とばかりにEighter本部を飛び出さんとするセイと出音(でおん)。しかし、再び総介が立ち塞が
る。
セイ「そこをどけ!」
出音(でおん)「いくらお前でも容赦はしないぞ!」
桜「私たちもついていきます。問題ありませんね?」
セイ「チッ……」
出音(でおん)「好きにしろ!」
 かくて、言うわけで一行は嵐ヶ丘へと足を運ぶ。

 イングランド某所、嵐ヶ丘
呂司(りょうじ)「ここが嵐ヶ丘?」
 特にこれと言って何もない場所だが……本当にこんな場所に《ザ・テンペスト》が隠れているのか?
荒曲井(あれくせい)ソカタ「ようこそ、《ザ・テンペスト》の居城へ……最も、歓迎はせんがな」
出音(でおん)「貴様は!」
セイ「《ザ・テンペスト》!」
 いつの間にか背後に立つのは荒曲井(あれくせい)ソカタ。
ソカタ「さて、どうしてここが分かったのか?」
ユーサー・コージィ「ごめんなさい。すいません……」
 きっと自分のせいですとぺこぺこ頭を下げるユーサー。だが、別にお前のせいではあるまい。
セイ、出音(でおん)「《ザ・テンペスト》!俺はてめぇを殺す!」
 セイはウルフ・オブ・イザナギを、出音(でおん)はガルシテラヴを、それぞれソカタに突き付けて吠える。
 しかし、ユーサーの幽闘術……幽闘術を無効化する幽闘術である反幽の領域(アンチ・レイス・フィールド)があるため二人は迂闊に動けない。


続

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