Eighter -Scarlet Nocturne-
10ther 〜影窟の中に有ル哉( C〜
#5
御御脚(「一人増えた程度デ、我らヲ倒せると思ったら笑止ッ!」
化野梶太郎(「ケッ!てめぇこそ、双虎拳(を甘く見ると死ぬぜ!極彩虎襲(!」
ズドガガガガガガッ
梶太郎(「おらあッ!」
拳打の嵐を見舞い、最後に顎目掛けて強烈な一撃を叩き込む梶太郎(
御脚(「フッ、その程度か」
梶太郎(「何!?……馬鹿なッ!完璧に流し斬りが入ったはずなのに」
梓與鷹(「いや、斬ってねぇだろお前!」
思わず突っ込みを入れずにはいられない與鷹(であった。
梶太郎(「あぁ!?双虎拳(の拳は流れるように相手を斬る……こともあるんだよ、多分」
なんで自分の事なのにそんな推定なのか
そんな中御脚(はすっと人差し指を梶太郎(に突き付ける
與鷹(「気を付けろ」
梶太郎(「あぁ!?」
御脚(「白乾児魔炎(」
ボッ
梶太郎(「ぐわああ!?」
もしかしたら今は與鷹(が悪かったかもしれない。
梶太郎(がよそ見した一瞬の隙をつき、火炎放射を放つ御脚(。当然回避する暇もなく、火だるまになる梶太郎(。
御脚(「まずハ一人!」
與鷹(「クッ、すまん。お前の仇は俺が取る」
別にそんなに悲しいわけでもないが、天狼甲ショロトルを召喚する與鷹(。
御脚(「なるほど、それガ貴様の幽闘術カ……」
與鷹(「いや、全然違うが……」
そもそも物質を具現化する幽闘術もあるのだろうか?
與鷹(「神狼九断(・来護重(!」
ドゴオンンッ
バキイッ
御脚(「ゲハッ!?」
九つの拳打を一つに束ねて一点突破させる豪の拳……その一撃は鋼のように固い御脚(に届いた。
與鷹(「オオアアッ!」
もう一発。左の拳でもダメ押しとばかりに神狼九断(・来護重(を叩き込む與鷹(
御脚(「グゴッ!?……き、貴様……あまり、調子に乗るナッ!」
ボッ
かなりのダメージを受けつつも、まるでゲッツみたいなポーズで両手の人差し指から放つ白乾児魔炎(。
見た目はカッコ悪いが威力は絶大。しかし、與鷹(はそれを完全回避する。
御脚(「ナん?!」
それは双狼拳(奥義、聖狼躱虚(。相手の攻撃を完全回避してカウンターを叩き込む後の先の究極形
梶太郎(「おらあっ!銀號懺月(!」
ガオンッ
しかし、與鷹(が攻撃を繰り出すよりも前に、突如梶太郎(が虎の咆哮と見紛う衝撃波を叩き込む。
#6
御脚(「馬鹿ナッ!貴様、死んだハズ!?」
梶太郎(「双虎拳(はッ!炎の中より再び黄泉帰る」
いや、それ、不死鳥だから。
※ちなみに、これはウェルの再生能力のおかげです。
梶太郎(「おっし!次!」
御脚(をノした梶太郎(は続けてクラウドの方へ向かっていく。
クラウド・ノシュケー・マルーメ「ぬ!?」
出音(と死合いつつも御脚(の死合の顛末も見届けていたクラウドは梶太郎(の働きに驚きを隠せずにいた
クラウド(有嗎幇(もこの程度か……いや、違う……)
慢心……というのもあるだろう……しかし、それ以上に、この梶太郎(と言う漢が脅威。
いや、厄介である。
クラウド(ノース光輪結社の妨げになるのはやはり、こいつらか……)
出音(・グロウシュベル「おいおい、死合の最中によそ見とは余裕だな」
クラウド「チッ……」
しかし、クラウドとしても余談を許されない状況にある。
クラウド「超級武振覇影斬(!」
ゴガガガガガガッ
梶太郎(「おらぁああ!」
ドゴドゴドゴドゴドゴッ
真っ先に梶太郎(に向かって回転斬りを叩き込むが、梶太郎(も拳打の嵐で刃を打ち返す。
梶太郎(「見えたぜ!貴様の回転斬りは15回でワンセット!」
クラウド「なっ、貴様ッ!?」
見えるのか!?と驚愕するクラウド
梶太郎(「これで終わりだッ!」
クラウド「クッ……」
クラウドが窮地に追いやられるかに思われたその次の瞬間、突如ガクンと梶太郎(の猛攻が弱まる
それは虎伏絶掌(が終わりを告げる音であった。
クラウド「どうやら、貴様はそこまでのようだな」
カイゼルグ・N・ショー「いいところ悪いんだが、撤収だ!」
一同「何!?」
と、そんな折、そこに現れるのはカイゼルグとアレフ。
それだけではない。姜馬(と呂司(もいた。
クラウド「撤収だと!?」
新田姜馬(「申し訳ありません。ヴァルカナは奴らの手に落ちました……」
ノびているので聞こえているわけじゃないだろうけど御脚(に律義に報告する姜馬(であった。
與鷹(「なっ!?」
それでは、もはやこの場にいる必要もないというか……與鷹(と出音(は顔を見合わせる。
#7
ここで話は少し遡る……
カイゼルグ「あぁ!?てめぇ、俺に喧嘩売ってんのか!」
姜馬(「……確かに、そういうことになるのかもな……」
ノース光輪結社と有嗎幇(……敵対する組織に所属している以上は、そういうことになるのだろう。
ならば、叩き潰す!とやる気十分のカイゼルグに対し、出来るならば荒事は避けたい姜馬(。
ドゴオンッ
一同「な、なんだ!?」
と、その時、突如轟音と共に近くに何かが降ってくる。
カイゼルグ「あぁ!?てめぇ、誰だ!?俺にケンカ売ってんのか!?」
それは、ノース光輪結社の紋章のついたフーデッドコートを装備していた。
そして、カイゼルグ、姜馬(を一瞥することなく右手を見せびらかす。
姜馬(「アレは!?」
そこには赤と青の四角を組み合わせた八芒星にXVの数字が刻まれていた。つまり、ヴァルカナリアクターである
さらにそいつは左手も天高く掲げる。
古畑呂司(「あれは!?」
そこにはXIIの数字と片足が罠にひっかかって木から逆様につるされている人物が描かれている一枚のカードが
あった。
彼は一体何者なのか……それはいずれ分かる事だろうが、今回はこれにて閉幕である。
END
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