Eighter -Practical Era-
18ther 〜宇宙何光年の卓球 A〜



#0
 中国に卓球の三神あり……それははるか昔、三国志の時代に分派した三つの卓球流派……孫家流卓球、曹家流卓
球、劉家流卓球
 その三つは今、長野農多林高校に集結し、無敗を誇っている
 だが、今、そんな卓球神話にヒビが入る……?

#1
 長野県、長野県オリンピックスタジアム
いくすとら「くっ、劉家流卓球の奥義を一個破った程度でいい気にならないでよね!」
 いや、普通はいい気になっちゃいますけど……
テ金しんかね心「そうか……だが、私の姉力はまだここからが本番だぞ」
すとら「五月ッ蠅ぁ〜〜い……七逆魔球しちげきまきゅうッ」
 ズガガガガガガッ
 自らが死兆星の位置に立ちそのまま北斗七星を描くが如く七回のサーブを繰り出すすとら
心「無駄だよ……あなたの技は全て見切った」
 カココココココッ
すとら「なっ」
 北斗七星を描くが如く足運びで移動を繰り出しながら七回のサーブを打ち返す心
※あれ?七逆魔球しちげきまきゅうの元ネタって……それを察すると北斗七星を描いて移動してサーブを繰り出すのは自殺行為な気
 がしますが……まぁ、とあるゲームではそんな自殺行為がなぜかクリティカルヒットみたいな判定になっていま
 すし、今作もそれで……(をいをい)
心「それっ」
すとら「くぅ」
 スカアッ
 調子に乗ってきた心はここぞとばかりに反撃に転ずる
めんすてい「なっ、そ、そんな馬鹿なっ……今のアレは……操気魔球そうきまきゅう?」
すとら「何ですってぇ?」
 そう、今の打球は、すとらのラケットをサラっと避けおった……そんなことが出来るのは孫家流卓球のみ
すとら「小癪な真似……を?」
 ビタリッ
 ギリっと歯噛みしてラケットを構え直して卓球に集中しようとした矢先、体が動かなくなるすとら
獲玖珠えくすだぶる「嘘でしょ……九神握掌くしんあくしょう?」
 相手を操り、勝負を制す……それは正しく曹家流卓球の真髄
心「妹に出来ることが姉に出来ないわけないでしょ?」
一同「いつからアンタは長野農多林高校の生徒に対しても姉になったんだぁ!」
 観客総動員の突っ込みであった。
 ……というか、その理屈もおかしい……妹に出来て、姉に出来ない事ってのは世の中探せばいくらでもあるよう
な気がするけど……
すとら「ま……まさか……」
 そして、そのとき、すとらは恐怖する……
 もし、この心が自称姉として今までの技を見ただけでコピーできるのならば……それは、当然劉家流卓球をもコ
ピーできると言うことだ……
心「貴方自身の力に恐怖しなさい!」
 ズオオオオッ
 そして、おぞましい気が心から放たれる
すとら「劉家流卓球……」

#2
心「これが姉力の底力よ!」
すとら「……そんな……まさか……」
 いつの間にか得点は8-9……天四斗あまよと工業の逆転だ……
心「そして、これでおしまい!」
 カコッ
すとら「ま、負けられない……私は劉家流卓球の伝承者として今まで勝ち続けてきたんからッ」
 カッ
 ビリビリビリッ
すとら「う……ああああっ」
 心渾身のサーブをラケットで受け止めた瞬間、すていの腕に電撃が走る
 腕の限界……それとも、謎の力、姉力の凄まじさなのか……すていはそのままラケットを落とし、勝ち点を許し
てしまう
すとら「ま……負けた……この私が……」
 ガックリとくずおれるすとら
 試合終了……もはや、戦維喪失せんしそうしつの文字すら見えない完全敗北であった……
嘱口属しょっこう・やから「そ、そんな、劉家流卓球を打ち破ってしまうなんて……あなた、何ものなの?」
心「ただの姉よ」
 いや、だから生徒会長だっつの!
 まぁ、ともかく、7ゲームのうち3ゲームを制した天四斗あまよと工業、幸先のいいスタートである
心「さ、次はあなたの番よ……私の妹に恥じない勝負をしてきなさい」
やから「誰が妹よ!」
 とはいえ、次の試合を決めれば天四斗あまよと工業が長野農多林高校に勝利し、トーナメントを次に進められる。
 だが、しかし、ここで負けると残りは名もなき卓球部員の試合となり、勝利は絶望だろう……
やから「さあ、次の相手はだれ?」
 孫家、曹家、劉家を下したとなれば、次は月氏族的な感じの卓球の使い手か……あるいは、元斗的な感じの卓球
の使い手か……はたまた、順番は逆になってしまうが、南十字星を抱く卓球の使い手が登場するのか……
生徒「長野農多林高校、卓球部一年……行きます!」
一同「……え?」
 だが、相手はどうやら名もなき卓球部員の一人のようである
すてい、だぶる、すとら「……はっ、今回、5ゲームじゃなく、7ゲーム制じゃない!」
一同「え〜〜〜」
 今更そんな重大なことに気付いたのか?
生徒「……ってことは、別にあの三人に負けてもどうにかなったんじゃない?」
生徒「……そう……だな……」
 その場合、勝負は不透明な感じで良い試合になった……のだろうか……
すてい、だぶる、すとら「いい、負けたら許さないわよ!」
生徒「いや、そんな無茶ですよ……」
だぶる「じゃ、私が操ってあげるから」
生徒「い、嫌ですよ……」
すとら「じゃ、荒療治になるけど、この一瞬であなたに劉家流卓球の真髄を伝授してあげるわ」
生徒「無理無理無理無理」
やから「……ええと、とにかく、試合、始めません?」
一同「……」
 なお、その後、ただの卓球部員に卓球部部長であるやからはアッサリと勝利してしまい、天四斗あまよと工業は難敵であった
長野農多林高校を拍子抜けな感じで撃破してしまうのであった……
※そして、これで終わったと思うなよ!的な感じで続く

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