Eighter -Noble Gathering-
11ther 〜未来よりの木乃伊ミイラ A〜



#0
生き死には者の常……不老不死はよそにあると知れ……(違ッ!)
……とまぁ、前置きはさておいて……今回起こった事件は……奇妙な事件だった

#1
東京都、某所
*「あの、すみません……」
*「はい、こちら、いつもニコニコあなたのお傍に這い寄る葬儀、寝府ねふ廉価セレモニーサービスの
 無貌乃亜なかたち・ないあです」
※イヤな宣伝文句の葬儀屋だが、突っ込みは禁止である。
*「祖父がお亡くなりになられたので、葬儀を行いたいのですが……」
無貌乃亜なかたち・ないあ「はい、かしこまりました。……喪主のお名前をお聞かせ願えますか?」
*「田宮……田宮九次郎と申します」
乃亜ないあ「田宮様……でございますね……」
それは……何の変哲もない葬儀の依頼だったはずだった……早速、寝府ねふ廉価セレモニーサービスの職員らは
田宮家へと出向かい、葬儀のことについてを……と思ったのだが……田宮家へ行ってみると……そこには
信じられない光景があった……
東京都、田宮邸
乃亜ないあ「え!?」
まるで、ご本尊の中というか……そのような装飾のされた部屋であり……さらには……
乃亜ないあ「お亡くなりに……なられたのは……!?」
布団の中にはミイラが……
乃亜ないあ「キャ……キャアアアア!!!!」
・
・・
・・・
すぐさま警察に通報し、駆けつける警官一行
中川邦武ほうむ「ガイ者は田宮九太郎……今年で107歳として長寿番付に載っていた人物だな……」
警官「……ですが、中川警部……話ですともう10年近く姿を見たものはいないそうです……」
田宮九次郎「昨日までは生きていたんです……昨日までは……それが……今朝、こんな状態に……
 く……くくうう……」
邦武ほうむ(何だ?コイツ!?狂ってるのか!?)
警官(まぁ……この部屋の様式も狂ってますけどねぇ……神社のご本尊か何かかってんだ……)
邦武ほうむ「いいですか、九次郎さん、死体がミイラ化するのには何年もかかるんですよ……」
警官「どうせ10年か20年前にくたばっていたんだろう?」
九次郎「なっ……何を言い出すか!?アンタら……言って言いことと悪いことがあるぞ!!」
邦武ほうむ「いや。落ち着いてください。九次郎さん……」
九次郎「アンタらが非常識なことを言うからだ!!」
邦武ほうむ「……そこにあるミイラほど非常識なものはないと思うが……」
九次郎「アンタはッ!!」
警官「ま……まぁ……まぁ、落ち着いて……」
中川警部も何煽っているんですか!?と一行はびっくり……

#2
その後、ミイラ化した遺体はすぐさま鑑識に回されたのだが……
東京都、警視庁
警官「中川警部……やはり、死後10年くらい経っていますね……」
邦武ほうむ「まぁ、そうだろうな……」
死んですぐにミイラになってたまるか!と中川が警部
警官「しかし、田宮氏の家はなんと言うか……いろいろな宗教をごっちゃにして崇めていたようですなぁ……
 お墓に十字架の卒塔婆……虫を殺さないように箒とマスクを常備しているとか……」
邦武ほうむ「仏教にキリスト教に……ジャイナ教宗教をミックスするなんざ……何を考えているんだか……」
神様も合体変形させているんじゃないだろうな?と中川警部。
警官「……あと、1つ気になる点があるんですよ……」
邦武ほうむ「何だ?……言ってみろ?」
警官「死亡した田宮氏は今年で107歳なんですよね?」
邦武ほうむ「……ああ、戸籍上はな……」
そのまま警官は持っていた資料に目を落とし、沈黙する
邦武ほうむ「……どうした!?」
警官「……ですが、鑑識の結果、死亡推定年齢が107〜108歳なんだそうです」
一同「なっ!?何ぃいい!!?」
※死亡推定時刻ならともかく、死亡推定年齢って何だ!?……などと突っ込まないこと。
警官「もしも九次郎氏の言葉が正しいとすれば、本当に先日まで生きていたと……」
邦武ほうむ「バカ野郎!人間がそんなに簡単にミイラ化するか!!」
警官「で……ですよねぇ……」
そんなふざけたことがあってたまるか!と一行……だが、その時、背後より人が・・
山咲やまざき桜「……この事件はあなたがたに解くことができません」
一同「う……うわぁ!?!」
桜の登場に一行はびっくり仰天……
かみ総介「聞こえなかったのか!?お前らはこの事件に関わっても解決できんといったのだ……」
一同「かっかかかか……かみ警部!!?」
更に当然のことながら総介も参上し、一行は更にパニック
総介「……静まれ、貴様ら……」
総介の一喝に騒然としていた一行はし〜んと静まり返る……流石、総介だ……
警官「あの……かみ警部……」
総介「説明したところでお前らには分からん……時間の無駄だ……」
警官「なっ!?どうして……」
総介「とっとと別の事件に着手しろ!!いいな!?」
一同「は……ははっ……ただいまっ!!」
ドタバタドタバタッ
一行はすぐさま出払っていく
総介「……フザけた事件もあったものだな……」
桜「警部……」
総介「行くぞ……」
桜「あ、はい」
……さてさて……今回起きたミイラ事件……総介らにしか解けないということは……一体……
どんなオーパーツとかが関与しているのだろうか!?……


続

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