Eighter -Extra Voyage-
43rder 〜平成の人斬抜刀斎〜
#0
……これは……『平成の人斬り抜刀斎』と呼ばれる人物に関するエウリードU
※エ『ウリ』ードUじゃなく、エ『ピソ』ードだからッ!!……超魔装機!?
そして、『平成の人斬り抜刀斎』とは……
河上沢斗「……俺じゃないんだよね〜〜〜これが……」
#1
東京都、某所
ズシャアアアアッ
響き渡る惨殺音
*「つ……強い……」
ここにひとつの死合が決着した……
*「お前が……平成の……人斬り抜刀斎……か!?!?」
*「おりゃあ!!!」
ザシュウウウッ
その問いに答えず、漢は刀を振るう……そして、死した漢は、自分の問いに対する答えがそれか……と悟り、息
絶えるのであった……
*「フッ……脆いものよ……」
クルリッ
ずどべしゃっ
*「ごはっ!?」
そのまま踵を返し、立ち去ろうとした矢先、足をからませて盛大にずっこける漢……
安村蛟(「お姉さん……アレかな?」
安村蟒(「見れば分かるだろ。アレに決まってる」
*「ぐっ……くくく……」
と、そこへ、蛟(、蟒(、弐(が見参
斎藤弐(「……平成の人斬り抜刀斎……名は町田神太……か」
町田神太「……ほぉう……そういうお前は……閣氏(新撰組の生き残り……か!?」
チャッ
いきなり刀に手を伸ばす神太
弐(「……」
近所迷惑だから、どうにかしてほしい……となぜか弐(に依頼が回ってきて、やってきてみれば……こんな状態で
流石に弐(も呆れる
※人殺しが近所迷惑って、どんな神経の持ち主なんでしょうか……
神太「とりあえず死ねぃ!」
バヒュアッ
一気に飛び掛って抜刀、斬撃を繰り出すが……
スカッ
神太「なっ!?……なにぃい!?」
しかし、簡単に躱されてしまう
弐((……何だ?コイツ……)
蛟((見掛け倒しだね……)
蟒((……うん)
そんな神太を見て、もう、すっかりやる気をなくしてしまった弐(であった……
神太「……フ……フフフ……よくぞ避けたな……だが、次はそうはいかんぞ!」
パチリッ
タラリッ
冷や汗が流れる中、神太は再び納刀して抜刀の構えを取る
蛟((ねぇ……蟒()
蟒((何?)
蛟((……わざわざ抜刀術の構えにする必要はあるの?)
蟒((知るかッ!)
弐(「……はぁ……帰るか……」
蛟(「駄目だよ、お姉さん……依頼なんだからちゃんとこなさなきゃ」
蟒(「フン……」
弐(「……」
確かに、依頼だから、このまま何もせずに帰るわけにはいかないのだが……しかし、どうにも相手が相手だけに
やるきがいまいちでない弐(であった……
#2
弐(「……」
神太「……」
しかし、いつまでたっても抜刀しない弐(……
神太「ハッ……どうした……何をしている!?」
弐(「……貴様こそ……とっととかかって来い……お前如きに刀など必要ない……」
神太「よかろう!その言葉……公開させてやる……」
ダムッ
ヒュバウアッ
抜刀……そして斬撃……刀はむなしく宙を斬る
神太「……馬鹿な……2度も避けた……だと!?」
冷や汗がダラダラと溢れ出てくる神太
弐(「抜刀術が効かないと分かっていながら……懲りずによくもまぁ……」
神太「フッ……抜刀術以外は師匠に禁じられてね……」
あくまで冷静を装いつつ神太は答える
蟒(「そんな馬鹿なことが……あるか!」
弐(「……これ以上は時間の無駄だ……帰るぞ……」
と、どこから取り出したのか刀の鞘で自分の肩をトントンと叩きながら弐(
神太「待てや!まだ勝負は……俺の抜刀術の真骨頂はここッ……」
ブシュウウッ
神太「痛ぇええ!!!?」
と、またも納刀しようとして盛大に手を斬る神太……いや、正確に言うと手に鞘を持っていないにも拘らずそれ
に気付かず納刀しようとして手を斬った……
弐(「……探し物は鞘(か!?」
さっきどこからともなくとりだした鞘をひやひらと振って見せる弐(……先ほどの神太の飛び込みの一瞬の隙をつ
き、鞘を奪っていたのだ……
神太「……って、ええええ!!!?ななな……何でえ!!!?」
弐(「欲しけりゃ返して……やるよっ!」
ドゴアアアアアッ
神太「ごへええああぁあああ!!?」
そのまま神太に向かって投げつけ、弾き飛ばす
弐(「……行くぞ、蛟(、蟒(」
蛟(、蟒(「は〜い」
そして弐(一行はその場を後にする……
神太「……くっ……何だってんだ!?アイツら……尋常じゃねぇ強さだ!!」
※いやいや、アンタが弱すぎるだけです
神太「……おのれぇ!!この平成の人斬り抜刀斎……人生3546度めの不覚ぅううう!!!」
※……アンタ一体何度不覚を取ったんだ……ってかよくもまぁ、生き延びられたな……ある意味スゲェ運だぞ……
神太「……くそっ……くそっ……くそっ……」
……あ〜〜〜、多分お分かりだろうと思うが……彼、町田神太、平成の人斬り抜刀斎……彼は抜刀術以外の剣術
を知らない……つまり、彼は……本家の『抜刀術を知り、それを極めた漢』……ではなく……『抜刀術だけ知り、
それに溺れた漢』……ということなのである……
END
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