Eighter -Chaos Desorder-
58ther 〜荒廃せし黄金帝国マガラニカ C〜



#5
放射能汚染された大地、墨瓦臘泥加マガラニカ……その真名はアロッティであり……一行はアロッティで唯一生きて
いたシェルターへ入り……アロッティの生き残りに出会う……
ソルダーノ・A・アライアンス「よく知っておるな……」
墨瓦臘泥加マガラニカは外の人間が勝手に名付けた名前であり、アロッティこそがこの国の真の名前である……と與鷹よたかは
看破……それを聞いたソルダーノは感嘆の声を上げる
梓與鷹よたか「……アロッティは八大帝国の属国だったからな……」
ソルダーノ「ふむ……」
なるほど……とソルダーノ……
ソルダーノ「立ち話もなんじゃ、積もる話は奥でしようではないか…………」
と、ソファーを指差すソルダーノ
*「なっ!?最長老!?」
*「何を言うのです!?最長老……突然やってきた正体不明の外部の人間を……」
ソルダーノ「たわけものっ!」
一同「ヒッ!」
ソルダーノの怒声……その場を震撼させる声に、一同は震え上がる
ソルダーノ「この方々を誰だと心得る!」
一同「は!?」
ソルダーノ「……八大帝国の新たな領主様であるぞ!」
一同「な……なにぃいい!?」
*「そんな……まさか……八大帝国の……新領主だと!?」
ソルダーノ「そうであろう?ルシャーティー……」
ヴンッ
ルシャーティー・エィユゥミス「……ええ。そうです。ソルダーノ……アライアンス家の人間と会話をする
 のは実に1036年29ヵ月15日18時間48分8秒ぶりですね……」
空間に現れたスクリーン……そこにルシャが登場し、語る
*「ルシャーティー……様!!?」
百鬼あろえ「……あの、すみませんが……どうして、一目で私たちが八大帝国の新領主だと……?」
ルシャの登場と、新八大帝国領主の宣言に、アロッティの民は騒然とする……そんな中、あろえが素朴な疑問
を口にする……
ソルダーノ「……八大帝国領主の証だ!」
一同「あ……」
言われてみれば、簡単な話だった……かんなは風耳環ふうじかんを、與鷹よたか虚無垂飾きょむすいしょくを、あろえは虹雷牙こうらいがを、おぼろ八咫鉾やしむを
所持しているのだから……
かんな、與鷹よたか、あろえ、おぼろはそれぞれ持っていた八大帝国領主の証を見て、納得する。
※つまり、八大帝国領主の証を持っていないかれんは最初からただの客人としか思われていないわけですね

#6
與鷹よたか「……ちなみに……アロッティが……廃墟と化したのは……」
ルシャーティー「……今より1036年29ヵ月18日3時間3分55秒前に……第九帝国によりされた核攻撃」
一同「えええ!?」
與鷹よたかの質問に、律儀に答えてくれるルシャ……それにおぼろ、あろえは驚きを隠せなかった……
與鷹よたか「……やはり……か……」
ソルダーノ「……ディルンバデロはまずアロッティを足がかりに八大帝国を滅ぼそうと行動を起こした。
 ……核攻撃はされたが、ディルンバデロもその後、潰えてしまったがな……」
そして、ソルダーノはアロッティの悲劇を語る……
あろえ「そういえば、第九帝国ってなんで滅んだんだっけ?」
1000年ほど前に滅んだ……ってのは以前聞いたけど、原因は知らないな……とあろえ。
ソルダーノ「……自滅と聞いておる……確か……紅い闇に飲まれた……と記録にある……」
與鷹よたか「……紅い……闇!?」
かんな「……紅闇刃ルビーシェイドのことですね」
ソルダーノ「おお、確か、そのような名前じゃったわ……」
ルシャーティー「紅闇刃ルビーシェイドは、完成間近にディルンバデロを巻き込んで暴走しました……故に、紅闇刃ルビーシェイドは未完成
 の状態だったのです」
ちなみに、ディルンバデロが滅んだのはアロッティへの核攻撃の2日3時間22分8秒後の事ですと、ルシャは
付け足す。
ソルダーノ「更に言うと……核汚染されたアロッティを復興するべく尽力なされたのが八大帝国の先代領主で
 あり……八大帝国領主はそのとき、放射能障害に逢い、薨去こうきょなされてしまった……」
先代八大領主様は、自分のことよりも、親身にアロッティのことを思い、助けてくれた……故に、我ら
アロッティの民は八大帝国、先代領主へ感謝の念を忘れない……とソルダーノは語る。
・
・・
・・・
それから、ソルダーノはルシャと情報交換などを行い、今の外の状況や八大帝国、現実世界のことを知る
ソルダーノ「……アロッティの外は未だに放射能の渦か……放射能除去剤アンチ・ニュークリアも、残りわずか……やはり、我ら
 アロッティの民は、外の世界に出ること叶わぬか……」
與鷹よたか「アンチ……ニュークリア!?」
名前からして放射能を除去できる薬剤なんだろうな……などと思いつつ與鷹よたかは首をかしげる。
ソルダーノ「貴方方がここに入るときに浴びたはずじゃ……放射能汚染を除去する物質よ」
あろえ「ああ、あれ……」
……そんな便利なものがあるのなら……と思うのだが、その精製法は途絶えて久しいと言う……
與鷹よたか「……八大帝国の……技術陣は精製方法を知っていた……というわけですね?」
ソルダーノ「……」
そして、先代領主が薨去こうきょされ……技術陣も死に絶え……精製方法は永遠に失われてしまったのだと言う
……どうにかして救いたいのだが……こればっかりは仕様が無い……


続

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