#5
梓與鷹（よたか）が殺人を行った！？……だが、そう思えたが、実はこれは天宮裕（ゆたか）の復讐であった……そして、今、
與鷹（よたか）は次なる裕（ゆたか）の復讐の地（かんながアトランティスで検索した）・巌（がん）流島拳道場へ向かい……裕（ゆたか）に引導を
渡さんとする……
天宮裕（ゆたか）「砕け散りゃあ！！！！」
ヒュバオウアッ
鋭い手刀が梓與鷹（よたか）（沢村藤一郎に変装中）を襲う
梓與鷹（よたか）「むおっ！？」
ズバシュアアアアアッ
斬り刻まれる……與鷹（よたか）
裕（ゆたか）「ハッ！他愛ネェ！！！」
所詮、ザコはザコでしかないな……などと思っていると……
バシュアアアアッ
バラバラッ
裕（ゆたか）「うおぐ！？」
いつの間にか、マントが斬り刻まれる
裕（ゆたか）「ぐ……いつのまに！？」
貴様ぁ……よくも……と、振り向く……と
與鷹（よたか）「久しぶりだな……裕（ゆたか）……」
バラバラッ
裕（ゆたか）「お……お前……はぁッ！？」
斬り刻まれたかと思われたのは変装の部分のみ……そして、與鷹（よたか）が姿を現す
與鷹（よたか）「俺の名を語り殺人を犯すなどと……そうまでして俺を貶めたいのか？」
裕（ゆたか）「黙れ！與鷹（よたか）！！キサマに負けたあの日から……俺は絶対にキサマをブチ殺すと心に決めた！！」
グっと拳を握りしめて裕（ゆたか）は叫ぶ
與鷹（よたか）「負け犬の遠吠えとは見苦しいだけだぞ……裕（ゆたか）」
裕（ゆたか）「黙れ！黙れ！黙れ！！さらにパワーアップしたわが拳！受けてみよ！！はああ！！！邪狼群憑（じゃろうぐんひょう）！」
ドオンッ
黒い氣を身に纏いパワーアップ
裕（ゆたか）「うおおおああああああ！！戮狼戴天（ろくろうたいてん）！」
ギョアアアアッ
拳に纏ったオーラが狼の顔を成し、與鷹（よたか）に襲い掛かる
與鷹（よたか）「聖狼躱虚（しょうろうたうろ）！」
フオッ
ドギャオンッ
裕（ゆたか）の拳撃を回避し、渾身の一撃を喰らわす與鷹（よたか）
裕（ゆたか）「ぬ……ぐおおお……」
ザザザッ
ダダンッ
そのまま弾き飛ばされるが体勢を立て直す裕（ゆたか）
裕（ゆたか）「ヘッ……やりおるわ……」
こうでなくては殺し甲斐がない！と裕（ゆたか）がニヤリと叫ぶと……與鷹（よたか）は語る
與鷹（よたか）「……お前の負けだ……裕（ゆたか）……」
裕（ゆたか）「戯言をおお！！！虐狼魔覇（ぎゃくろうまは）」
ヒュゴアッ
上空を舞い、そのまま重力加速をつけてまるで與鷹（よたか）を食いちぎるが如く突き殺しにかかる裕（ゆたか）
ガオッ
バシイッ
裕（ゆたか）「な……にいい！？」
與鷹（よたか）を確実に捉えたかと思えたその拳打は……しかし、與鷹（よたか）に軽々と受け止められる

#6
與鷹（よたか）「魔道に堕ちたお前の拳では俺は斃（たお）せんよ」
みしみしみしみしっ
裕（ゆたか）「ぐ……ごお！？」
そのまま裕（ゆたか）の腕を圧（へ）し折る勢いで握り始める與鷹（よたか）
裕（ゆたか）「……なめるな！與鷹（よたか）ぁッ」
ビュオアアアッ
すかさず左手での刺突を放つ裕（ゆたか）
與鷹（よたか）「ほおっ」
バッ
ダムッ
咄嗟に裕（ゆたか）の右手を放して、回避と同時に距離を置く與鷹（よたか）
裕（ゆたか）「……俺はあの時からずっと考えた……貴様に……なぜ負けたのか！？」
與鷹（よたか）「……いや、さっき言っただろ……魔道に落ちたお前の拳では俺に届かん……と」
裕（ゆたか）「黙れぇぃ！！」
怒鳴り散らかす裕（ゆたか）……俺に負けてからずっとその原因を考えて……挙句考え過ぎて抜け毛に困っているのか
などとどうでもいいことを考えてみる與鷹（よたか）。
※ってか死合の最中に何を考えているんだ！與鷹（よたか）……そんだけ余裕（ゆたか）なのか！？
怒りに震えながら、裕（ゆたか）は更に叫ぶ
裕（ゆたか）「考え、行動し、俺は気付いた……俺に足りなかったのは悪だと！双狼拳（そうろうけん）の……封じられし奥義の本質は
　悪であると！！」
與鷹（よたか）「はぁ……」
ならば、双狼拳（そうろうけん）の正統な奥義の本質はさしずめ『愛』か……などと某北斗の名を冠した拳法っぽいことを考えて
みる與鷹（よたか）
裕（ゆたか）「数々の虐殺、悪行の上に手に入れた俺の究極奥義！！受けてみろぉお！！」
グオアアアッ
そう叫ぶと同時に裕（ゆたか）の邪気が更に増す
與鷹（よたか）「……引導を渡してやるから……かかって来いってんだ！」
裕（ゆたか）「死ねぇあああ！！獄狼砕界天（ごくろうさいかいてん）ッ」
ドグオアアアアッ
両手、頭に黒い気を纏い、ケルベロスのような姿で與鷹（よたか）に襲い掛かる
裕（ゆたか）「ほおあああああ！！！！」
與鷹（よたか）「……冥狼舞吼（めいろうぶこう）！」
ゴッ
裕（ゆたか）の視界を一時的に奪う與鷹（よたか）……だが、
裕（ゆたか）「今の俺に視界など関係無い！砕け散れ！！！」
ドドドドドドッ
既に與鷹（よたか）の位置を補足済みの裕（ゆたか）は……そのまま拳の嵐を與鷹（よたか）に見舞う
與鷹（よたか）「うおおう！」
ドンッ
カウンターの如き與鷹（よたか）渾身の一撃……
裕（ゆたか）「ご……ふぁああ！？」
ドギャアアッ
視界を封じられていたせいで、まともに喰らって弾き飛ぶ裕（ゆたか）
與鷹（よたか）「終わりだよ……裕（ゆたか）……」
裕（ゆたか）「ぬ……ぬうう……」
ガクリッ
裕（ゆたか）「な……か……体が……動かん！？……だと！？」
ドタドタドタドタドタッ
その場に跪（ひざまず）き、身動きが取れなくなっていると……そこへ駆けつける警官隊
中川邦武（ほうむ）「天宮裕（ゆたか）！蝦原（えびわら）源三郎殺人の容疑及び、沢村藤一郎殺害予告の殺人で逮捕だぁ！！」
裕（ゆたか）「く……く……そおお！！」
ガチャリッ
と、言うわけで、呆気なく御用……
邦武（ほうむ）「いや、すまん……梓氏……疑って悪かった……」
中川警部……心にもない謝罪をし、去っていく
※ちょ、『心にもない』ってどういうこと！？
……こうして天宮裕（ゆたか）の復讐劇は……終わった……だが……いつか刑期を終えた後……あるいは服役中
に脱獄した時……また復讐に燃え出すかも……しれない……
與鷹（よたか）VS裕（ゆたか）の因縁は……まだ終わらない！？


END