Eighter -Chaos Desorder-
24ther 〜闇に震える綺羅星 C〜



#5
冥時みょうじ萌「ぬおおあああ!!」
某敢それがし・いさむ「ぬうん……」
ガギイイッ
両者、渾身の一撃を繰り出し、そのまま組み合う
萌の邪悪な剣気といさむの清々しい剣気とはぶつかり合い、相殺されていく……
ギリギリギリッ
ジャリンッ
いさむ「むっ!?」
組み合ったまま均衡が続くかと思いきや、突如さばきにかかる萌
萌「転移衝てんいしょう」
ヴオムッ
そのまま空間を転移しいさむの隙を突く……のだが……
いさむ「その技は既に見切ってるでござる!」
ギンッ
死角より迫る萌の兇刃を振り向くことなく受け止めるいさむ
萌「チッ……」
ババッ
やはり、無理だと分かった萌はすぐさま距離を取る
萌「くたばれ!!遁甲破元陣とんこうはげんじん!!」
ドギュオアアアアッ
亜空間を切り裂き相手をバラバラにしようとする萌
いさむ「おおお!!」
シャガキンッ
対するはみたび明鏡止水流、朱雀鳳陣すざくおおとりじん!……回避して瞬時に2度の抜き打ちを行ういさむ
バシュッ
ビシュウッ
互いに斬り傷がつく
萌、いさむ「くっ……」
ザザッ
そして、再び距離を取る両雄……
萌「お互い無血では勝負は決まらないようだな……」
いさむ「……そのようでござるな……」
ジリジリジリ……
対峙したまま僅かながら距離を詰めつつ間合いを保つ両雄……そして……先に動いたのは萌
萌「太乙煉無陣たいいつれんぶじん!」
いさむ「キィエエイ!」
邪悪な剣圧でいさむを切り刻みにかかる萌。
対するいさむみたび明鏡止水流、颶風雷鳴陣ぐふうらいめいじん……大量の真空波を放ってそれを相殺
バアッシュッ……
いさむ「おおおっ!!」
バキバキバキバキッ
更に氷E灼煉陣ひょうびょうしゃくれんじんの追撃……氷の檻を出現させて萌をその中に閉じ込めるいさむ
萌「これしきで、俺を閉じ込められると思ったか!!」
ヴオムッ
だが、萌は萌で空間を転移して呆気なく脱出

#6
萌「ハッ!雷公殺鳴陣らいこうさいめいじん!」
ちゅぎゃおおおおおおんっ
転移衝てんいしょういさむの死角より出現し、そのままいさむに雷を落とす萌
すっ
ビジャアアアッ
いさむは、明星幻爪みょうじょうげんそうを掲げ、雷を刃にて受ける
萌「なっ!?」
流石にこれには驚きを隠せない萌
いさむ「これは……返すでござる」
ジュアオオオンッ
そのまま雷気を萌に返すいさむ
萌「ちぃい……なめおってぇ……」
ババッ
だが、すんでのところで回避し、事なきを得る
※それにしても……剣で雷を受けて、よく感電しないな……いさむ……明星幻爪みょうじょうげんそうの力なのか!?
ダダンッ
そして……またしても、両者は距離を置き、対峙……
ジキキッ
チキッ
……今度は両雄……そのまま微動だにしない……
・
・・
・・・
萌(まだだ……まだ……もっと……もっと俺に力を!!邪眼の……力を!!)
ズオオオオオオッ
萌の邪悪なが一層高まる
いさむ(……あの邪悪な……そのしんを視る!!)
こおおおおおおおっ
いさむも清々しい殺気が高まっていく
いさむ、萌「おおおおおおああああ!!!」
ドンッ
両雄、一足飛びにかかる……そのままを纏った刃と刃がぶつかり合い……
ゴガアアアアアッ
萌、いさむ「ぐううう!!?」
両者の剣気が弾ける
パアアアッ
そして……その瞬間、2人を光が包む
いさむ(こ……これはあ!!?)
萌(斬れる!!この力なら……俺は!!)
一同「な……何だ!?……アレは!!?」
ギャラリーもビックリ……
そのとき、萌は邪眼を超えた邪眼の、いさむは心眼を超えた心眼の一端を垣間見た……
いさむ「……某敢それがし・いさむ……参るッ!!チェストオオオッ」
コアアアアアッ
みたび明鏡止水流・奥義、潜蛟十六夜陣せんきょういざよいじん……月の光が萌を照らし、太陽の光を纏った刃が萌に襲い掛かる
萌「お……おおおおお!!!六壬移臠陣りくじんいれんじん」
ドドドドドドドドドッ
萌も萌で、空間転移しながらいさむを斬り刻む
ドドンッ
萌、いさむ「……」
両者……究極に匹敵するような気合で一撃を放つ
一同「!!!!」
死合の結末は……!?一同が固唾を飲んで見守る中……結果は……訪れる……
いさむ「ぐ……ぐう……!?」
がくりっ
明星幻爪みょうじょうげんそうを杖代わりに地面に突き刺しひざまずいさむ
一同「いさむ!!?」
萌「フ……ハハハ……」
ドタリッ
笑い声と共にその場にくずおれる萌……
・
・・
・・・
しばらくして両者は起き上がる
萌「……負けた……俺の負けだ……いさむ……」
勝敗は……ついた……死合の勝者はいさむ……敗者は萌……
いさむ「……」
萌「だから……とっとと殺せ!!」
既に覚悟を決めている萌は……そのままドカリと座り込み、介錯を待つ……
※まぁ、一応萌は女性なのであぐらをかいたりはしませんが……
パチリッ
だが、その声に耳を貸さず納刀するいさむ
萌「なっ……貴様……」
死を汚された……と萌は怒るのだが、そこにいさむは続ける
いさむ「言ったはずでござるよ……拙者の剣はいたずらに人を殺めるものではござらん……心を斬る為のものでござる
 ……と……」
萌「……き……さま……」
ギリギリと震える萌
萌「そんな……そんな甘い考えで……」
ババッ
地面に転がっていた元屠剣を回収すると、納刀し、そのまま距離を置く萌
萌「……貴様……いずれ、俺を殺さなかったことを……必ず後悔させてやる……」
ダダッ
萌、そう言い残し、その場を後にする……
いさむ「萌……殿……」
……萌といさむ……今回の死合はこれで終わりだが……両者の決着はまだ着かないみたいである……


続

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