Eighter -Bizarre Investigate-
35ther 〜偽訳・義鏈(よいてん)の野望 A〜



#0
 私の弟!諸君らが愛してくれた座尾香留馬(すわお・かるうま)は死んだ。 何故だ!?
 こんな世界(ボウヤ)だからさ……
 ……これはとある家族の愛憎劇を綴った事件簿である。

#1
 奈良県、某所
 ゴオオオオオオオッ
 燃え盛る家とその前に立つ少年
*「ちょ、誰かカメラカメラ!!この写真でコンテストに……じゃなかった、警察と救急車!」
※待てコラ!どんな間違いだ!!

 すぐさま警察と消防が駆けつけ、火は消し止められたのだが、家の中にいた座尾岸李亜(すわお・がりあ)48歳と香留馬(かるうま)17歳が死亡、
家の前にいた義鏈(よいてん)19歳が家に火を放った現行犯として逮捕、送検された……
 奈良県、奈良県警
 ……そして、早速取り調べが始まった……のだが……
円笑仙泣(まどわら・せんきゅう)「なぜ自分の家に火なんかつけたんだ?ああ?!」
 バンッ
 机を叩く円笑(まどわら)警部
座尾義鏈(すわお・よいてん)「……」
 しかし、何も語らない義鏈(よいてん)
仙泣(せんきゅう)「黙っていては何も解決せんぞ……」
義鏈(よいてん)「……」
仙泣(せんきゅう)「……」
 そして、そのまま無言の睨みあいが続き、やがて口を開いたのは義鏈(よいてん)であった。
義鏈(よいてん)「……親が……憎かった……父親が……奴刷(やっさつ)が……」
仙泣(せんきゅう)「……だからといって自分の家に火をつけることは無かろう……」
警官「ああ、そうだ、父親が憎いのなら、父親を殺すだけでよかったんじゃないか」
警官一同「コラコラコラ!!そこ!別の犯罪を薦めるんじゃない!!」
 放火は別にいいのか?とか一同総突っ込みであった。
 さてさて……事件はこれで解決した……などと思った人はよくよく考えてほしい、火事で死亡したのは岸李亜(母親)香留馬()……そう、父親が死んでいないのである……
警官「……あの〜〜円笑(まどわら)警部……」
仙泣(せんきゅう)「あん?何だ?この事件は父親に恨みを持つ息子の犯行……犯行を起こす前にカウンセリングでもしておけば
巻き添えも出ずにすんだという哀しい事件……あとは……」
警官「警部……それは違います!!」
 分かってない無能な上司(円笑警部)に新米警官が叫び出す。
仙泣(せんきゅう)「あん?何だ?何が違うって?……まさかお前、(かみ)警部みたいに難癖つける気じゃないだろうな……」
警官「いえ、違います……とにかく、話を聞いてください。……いいですか!死亡したのは彼の母親と弟……父親
が死んでいないんです!!」

#2
警官一同「な……なんだってぇええ!!!?」
 まるでMMRで衝撃の展開が走ったかのように驚く警官一行
警官「MMRかッ!」
 バババシッ
 そして、すかさずそんな展開に突っ込みを入れる警官が1人
一同「タカ&トシかッ!」
 ドゴボスバキッ
 更に、返り討ちにあう警官
※なんだか酷く殴られている気がします……
仙泣(せんきゅう)「……し、しかし、そうなると……なんで家に放火したんだ!?」
 そして、気を取り直して円笑(まどわら)警部がぽつりと投げかける。
警官「円笑(まどわら)警部……そこを調べないといけないんじゃないですか……」
 それが我々警察の仕事ですよね……と最もなことを言う警官。
警官「まさか父親が家にいないと思わず犯行に及んだんじゃあるまいし……」
警官一同「おいおい」
 いくらなんでもそれはない、と一同全突っ込み。
警官「……ですよね〜〜……いくらなんでも家族なんだからいるのかいないのか分かりますよね?」
仙泣(せんきゅう)「ま、中には何年もどこにいるのか分からないってな親もいるけどな……うんうん」
警官一同「……」
仙泣(せんきゅう)「まてまて、まず、父親を微塵切りに殺し、そして隠滅するために火を放った……こう考えると……」
警官「なるほど、それなら家の中に父親の死体が発見されないのも頷けますね……」
警官「あ、いえ、円笑(まどわら)警部……現在その父親がやってきているんですが……」
 揚げ足を取る警官
仙泣(せんきゅう)「あら〜〜〜!?」
 そして、取り調べ室に颯爽と登場する奴刷(やっさつ)。そのまま義鏈(よいてん)を見るや否や彼の襟もとを掴み持ち上げる
座尾奴刷(すわお・やっさつ)「お前というヤツは……お前というヤツはぁああ!!嶺羽(れいう)貫葉幡(ぬき・ははた)に預けてきた隙に……なんてことを…
…してくれたんだぁあ!!」
義鏈(よいてん)「……全部アンタが悪いんだ!アンタが……アンタが!!」
 売り言葉に買い言葉……義鏈(よいてん)も啖呵を切る
義鏈(よいてん)「……私の弟……諸君らが愛してくれた座尾香留馬(すわお・かるうま)は死んだ。 何故だ!?」
奴刷(やっさつ)「……坊やだからさ……」
 そして唐突に始まる謎の会話……
義鏈(よいてん)の台詞は彼のモデルになった人物の台詞だけど、それに対する奴刷(やっさつ)の台詞は彼のモデルになった人物の台詞
 とはかけ離れれいます……というか、奴刷(やっさつ)の台詞は香留馬(かるうま)のモデルになった人物を殺した人物の台詞です
奴刷(やっさつ)「お前というやつは……そんなに俺が憎いか!!?」
義鏈(よいてん)「ああ、憎いさ!!」
奴刷(やっさつ)「だったら……なぜ俺ではなく……」
義鏈(よいてん)「……別にいいだろ!そんなこと……どうでも……些細なことだろ……大体……アンタは……」
奴刷(やっさつ)「よくないわ!!全然些細じゃねぇし!!ええい!!そこになおれぇ!!」
※……う〜〜ん、この事件……収集つくのかなぁ……?(マテヤ!)
 ……とりあえず次回、あの漢が登場し、解決してくれる……ハズ。


続

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