Eighter -Bizarre Investigate-
33rder 〜死した鮫殺人事件 B〜



#3
 年末-年始にかけて起こった殺人事件……容疑者有藤(ゆうとう)幽鬼は妹を殺害、姦淫した疑いがあり……
 現在、全力で捜査を行っている……果たして……事件の真相は……!?そして、幽鬼は今どこに!?
警官「あの、刀持警部……犯人たる兄は犯行を認めていたと言うのはどういう?」
刀持隕山(いんざん)「調書にはこうあった……」
 そして、調書をみなに見せる刀持警部
警官「ええと……『安曇(あずみ)氏の友人曰く彼女は動物に例えるなら鮫』」
隕山(いんざん)「そこはいい!」
 と、いうか、そこは先ほど言われた情報だろう!と刀持警部
警官「幽鬼氏が安曇(あずみ)氏を殺害したと思われる後に口走った言葉は『ペットの鮫が死亡した』……だそうで」
警官一同「!!!!」
 と、そこで刀持警部の推理のわけを悟る一行
隕山(いんざん)「ふふん、どうだ、我ながら眠っている内に事件が解決するような推理だっただろう!」
警官一同「……」
 それは、つまり、眠っている間に別人が本人の声色で推理を披露する……という意味なのだろうか……
 だとすればどう褒めればいいのか……いや、(むし)ろ、褒めていいものかと困惑する警官一同
隕山(いんざん)「しかし、ペットの鮫が死亡したなどと、よくよく考えるとなんてヘンタイなんだろうな、この兄は……」
警官「……ああ、ペットってそういう意味にも取れますね……」
※どういう意味なのかよく分からない人はそのままピュアなままでいてね♪

 ……さて、一呼吸置いて……
警官「……あ、そういえば刀持警部……安曇氏を切断したと思われる凶器がまだ発見されていないのですが」
隕山(いんざん)「んむ?」
警官「骨まで切断されているんですから鋸とかそんな類かと思っていたんですが……それにしては骨の断面が綺麗
なんですよ……」
隕山(いんざん)「……よほど鋭利な刃物を使ったのか……いや、しかし、現場からは刃物は何も発見されていない……か……
ううむ……」
 これは謎だな……と頭を抱える刀持警部であった。

 一方……

 東京都、某所
有藤(ゆうとう)幽鬼「……」
 その頃、犯人たる幽鬼は東京都をあてもなく彷徨っていた……
幽鬼「……クソッ!ふざけるな!」
 そして、時折聞こえる妹の幻聴……
 『……私は勉強しているから夢が叶うけどアンタはそうじゃないから無理』
幽鬼「なめるな!」
 咄嗟に近くの壁を殴る幽鬼
幽鬼「……くそっ……くそっ……ああ、そうだよ……俺には夢も希望も無い……お金も無ければ権力もない……生
きる資格もなければ死ぬために刺客も雇えない……可も無ければ不可も無い!!!……姉も居なければ姪もいな
い……彼女もいなければ愛人もいない……でもなぁ……そんな俺にだって野望くらいはあるんだよっ……そう!全
ての『姉妹』に手を出すってなぁ!!!!」
※何叫んでんだ!?コイツ……真性のヘンタイか!?

#4
(かみ)総介「……ここに居たか……」
 と、そこへやってくるのはSRAPの(かみ)総介……もはや言うまでもないが、山咲(やまざき)桜も傍にいる
幽鬼「何だ?キサマ……」
総介「有藤(ゆうとう)幽鬼……有藤(ゆうとう)安曇強姦殺害罪で逮捕する……」
幽鬼「……逮捕されてたまるか……この野郎ッ!!!」
 キれている幽鬼は手刀で総介に襲いかかる……
 が、しかし、それをひらりと回避する総介
幽鬼「何!?」
総介「フン……」
 ブシュッ
幽鬼「ヘッ!」
 だが、しかし、次の瞬間、回避したと思われた総介の左肩から出血が……
桜「警部!」
総介「心配いらん……山咲(やまざき)……」
幽鬼「ああ、そうだ!貴様に生きる心配などいらんわッ!」
 再び手刀を振りかざして襲いかかる幽鬼……をまたしても回避する総介。
 そして、今度は傷を負うことはなかった
幽鬼「……貴様……」
総介「……やはりか……モノに頼らず技で斬るか……現代では活かしづらい特技だな……」
 総介は幽鬼の特技を一目で見抜いた
桜「……はっ、その特技で妹さんをバラバラに!!?」
総介「ああ、そうだろうな……」
 その前に妹さんの衣服のみをバラバラに切り刻んだりしたんだろうが……と総介
幽鬼「ちっ……回避するとはなかなかじゃねぇか……だがな……次の一撃は躱せん!!なぜならぁ!!麗しき兄妹
愛の力がこもっているからだぁ!!!!」
総介「……『爛れた兄妹愛』の間違いだろ……まぁ、いずれにしろこのまま放っておくわけにはいかん……全力で
潰させてもらう……」
 そして、総介は右手に蒼王の刃(ブルーロード)、左手に藍后の刄(ブルーエンプレス)を構える
幽鬼「うおおおおあああああ!!!!怒兄妹衝(どけいいもうとをつく)!!」
※うわぁ何て技名なんだ!コイツ!!!
 一足飛びにかかり、そのまま両手の手刀で総介を切り刻みにかかる幽鬼
総介「フン……」
 それに対し総介は技の1つも使うことなく、無造作に左右の刀で切り払う
 バシュッ
幽鬼「え?!」
 勝負は一瞬でついた……
 敗北したのは幽鬼の方……
 それもそのはずである。幽鬼はモノに頼らず技で斬る特技の持ち主とはいえ、ただの人間……対して総介は
鬥址偶襾(ツァトゥグア)の加護を受けた真理からの生還者……
 その差は例えるならばケンシ□ウとモヒカン程である……
総介「いくぞ、山咲(やまざき)」
桜「はい、警部……」

#5
 こうして、年末-年始にかけて起こったヘンタイ兄貴による強姦殺人事件は幕を閉じたのであった……
※それにしてもふざけた犯人である……


END

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