Eighter -Bizarre Investigate-
22nder 〜麻薬と山と遭難と〜



#0
 ……これは……山に囲まれた土地、長野県で起きた事件を綴った事件簿である。

#1
 長野県、野母家
野母銀城「……帰ってこないなぁ……」
 娘の帰りが遅いので心配になる父親……
野母美炒(びいる)「心配のしすぎですよ……たかが30分くらい」
銀城「たかが30分と侮ってはいかんぞ、何が起こるか分からない世の中だからな」
 速親も流石に親バカね、あなた……と思いつつ口に出してみると……見事に言い返されてしまう
美炒(びいる)「……はいはい、分かりましたよ。探してこればいいんでしょ、探してこれば……」
 かくて、母親たる美炒(びいる)は娘探しの旅に出るのであった……
留潤有有(るうる・ゆゆ)「あら、奥さん、買い物かしら?」
美炒(びいる)「いえいえ、ウチの子が帰ってこないもので……」
有有(ゆゆ)「あら、ヘンねぇ……ウチの無無(なな)はもう帰ってきているんだし……」
 途中で出会った近所の奥さんと他愛ない話をしてみる美炒(びいる)
美炒(びいる)「どこか寄り道しているのかしらねぇ?」
有有(ゆゆ)「何だったら探しましょうか?」
美炒(びいる)「いえ、そんな……」
有有(ゆゆ)「何遠慮してるのよ、困った時はお互い様でしょ?」
美炒(びいる)「は……はぁ……では……お願いします」

 と、言うわけで2人で探す事に
美炒(びいる)氣炒(きいる)樵雲(こるん)〜〜」
※父親が吟醸、母親がビール……子供の名前がキールにコルン……黒の組織一家だな。
 ……しかし、どこを探しても一行に子供は見つからず……更に、家にも何の連絡もないまま、時間ばかりが過ぎ
て行った……
美炒(びいる)「やっぱり、警察に頼んだほうがいいのかしら?」
有有(ゆゆ)「……そうね。そうかもしれないわ……」
 かくて、警察に捜索願を出す美炒(びいる)であった……
 長野県、長野県警
警官「後鈴碁(ごりんご)警部……少女誘拐の可能性も……ありえますかね?」
後鈴碁(ごりんご)周平「今の時点では分からん……」
警官「後鈴碁(ごりんご)警部!!」
 と、そこへやってくる警官が1人……
周平「どうした!?」
警官「いいから来て下さい」
周平「はぁ!?」
 言われるがまま近くの立ち入り禁止となっている山へと足を運ぶ

#2
 長野県、某所
警官「これを……」
周平「こ……これはぁ!?」
 そこには……一面の芥子の花が……
警官「立ち入り禁止であることをいい事に麻薬栽培を行っていたんですな……」
周平「いや、それはそれで捜査をするとしてだな……」
警官「後鈴碁(ごりんご)警部!!見つかりました……こっちに来て下さい」
周平「何!?」
 ……そして、とうとう氣炒(きいる)樵雲(こるん)が見つかった事は見つかったのだが……2人は生きてはいなかった……すぐさ
ま連絡を受け、美炒(びいる)が現場へ急行する
美炒(びいる)「どういうことなの!?一体!?」
警官「あ〜〜、司法解剖の結果、体内から大量の阿片が検出されました」
銀城「なっ!?どういうことだね!?」
警官「おそらく、芥子の花を誤って食べてしまったのでしょう」
美炒(びいる)「なっ!ウチの子が道端に生えている雑草なんか食べませんよ!」
 失礼にもほどがあるわ!と叫ぶ美炒(びいる)
周平「う……むぅ……」

 そして、2人の葬儀がしめやかに行われているころ……警察署では……山の所有者、不二舞云人(まうんと)が呼び出され、
取り調べを受けていた
 長野県、長野県警
不二舞云人(まうんと)「ふざけるな!儂は知らん!!」
周平「いいですか、あの山の所有者はあなたであり、さらに3年前から立ち入り禁止にしている」
警官「そのころからだ……ここ長野県で麻薬の徴収が増えたのは……」
舞云人(まうんと)「だから……知らん……儂は知らん……知らんのだぁ!!!大体な……芥子の花くらい自然に生えることも
あろう!?」
警官「それは……そうですが……」
 警官一同……言葉に詰まる……
 ガチャッ
(かみ)総介「……確かに自然に生えることもあるだろうが……土地が自然に畑みたいに整備されることがあるか!?」
一同「かかかかか……(かみ)警部ぅ!!!?」
 そこへ突如、総介登場……一同は突然の出来事に騒然となる
山咲(やまざき)桜「……いくら、芥子の花をまばらに植えようとも、植えた土台がキッチリした畑になっているのなら意味は
ないですね……」
警官「……あ……確かに……」
 そういえば、確かに芥子の花はまばらに生えてはいたが……その土台となっていた部分はキッチリと畑になって
いたなぁ……ということを思い出す一行
舞云人(まうんと)「……しかし……だな……」
総介「それでも知らないと言い張るか!?……そうか……だったら、お前の山で、一体誰が麻薬の栽培を……しか
も、お前の管理体制をすり抜けて行っていたんだろうな?」
舞云人(まうんと)「……ぐ……ぐぐぐ……」
総介「反論できないか……それはつまり、罪を認めるということだな……」
舞云人(まうんと)「……く……そ……」
 こうして、事件は幕を閉じた……
 どうやら、麻薬栽培が発覚することを恐れ、口封じのために2人を殺したらしい。


END

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