朱い宇宙そらの侍・祖章エデン
第20幕 〜胸に秘めたる真実想い



ひかるに内密に正貫まさぬき青江丸あおえまるを邸宅に案内し対談を始める……それはひかるの仇に関する重大なことであった……
さてさて、このことがひかるに話される日は来るのだろうか……
綱國こうこく財閥邸宅、書院の中
珠数青江丸たます・あおえまる「……」
国田正貫まさぬき「……」
しばし沈黙が続く……
青江丸あおえまる「……しかし……だとすると……」
先に口を開いたのは青江丸あおえまる……
青江丸あおえまる「……烏丸は何の思わくがあって彼女をひかるに引き合わせたのだろうか?」
※『思惑』って本当は当て字なんだぞ、本当は『思わく』なんだぞって……何の話だ!?
正貫まさぬき「……これは私の推測になるのですが……」
またぼそぼそと語りだす正貫まさぬき
正貫まさぬき「……というようなためかと……」
青江丸あおえまる「……うむ……しかし、そこまでして仇を討たせたいという烏丸の思わくが全く分からんな……」
正貫まさぬき「……ええ、全く、その通りです。現段階でも烏丸というあの女性が全ての謎でありこの一連の事件を
 解く鍵でもある……と我々は推察しているのです」
ガチャッ
と、その時、書院の扉が開く……
青江丸あおえまる「むっ!?」
正貫まさぬき「誰……?」
咄嗟に2人が扉の方を向くと
綱國丸鬼こうこく・まき正貫まさぬき!今までの話は本当なのですか!?」
そこには丸鬼まきの姿があった……
正貫まさぬき「お嬢様……?」
※前回の話で2人の話をコッソリ聞いていた人物ってのがこの丸鬼まきだ!……他にもいる……かもね♪
 (何だ?そりゃ!?)
正貫まさぬき「……盗み聞きはいけませんよ……」
※しかも正すとこそこかよ!!
丸鬼まき「……そんなことを言っている場合ではないでしょう……答えなさい、正貫まさぬき!」
正貫まさぬき「……お嬢様……」
詰め寄って正貫まさぬきをきつくにらみつける丸鬼まき……
正貫まさぬき(やれやれ……これは話をはぐらかすことが出来ませんね……)
正貫まさぬき「……確かに……今、青江丸あおえまる殿と話し合っていたことは……真実です……」
※そういえば学校はどうしたんだって?……きっと休日なんですよ、今日……(いいのか!?そんなんで)
 ……あるいは放課後とか……(う〜〜ん、時間を設定しなかったのがいけなかったんだよねぇ……)
丸鬼まき「……そんな……それじゃあ……ひかる様は大きな十字架ロザリオを背負って生きていることに……
 なりません……?」
青江丸あおえまる「……確かに……そうなりますかな……」
丸鬼まき「そんなサラっと……」
机の上においてある資料に眼を通す
丸鬼まき「……どうして……どうしてこんなことになったのです?」
青江丸あおえまる「……それは、我々には掛かり知れ得ぬものだと……思います……」
丸鬼まき「……」
正貫まさぬき「……ですから、お嬢様……どうか今お聞きになられたことは……」
丸鬼まき「……ええ、分かっていますわ……他言無用……」
一瞬の沈黙の後に……
丸鬼まき「……ですが……いずれ……露呈してしまいますわよ?」
青江丸あおえまる「……ええ、確かに……いずれ……仇と邂逅すれば……死合えば、語れば……分かってしまう
 ことです」
正貫まさぬき「ですが、今はまだ……知るには早い……」
青江丸あおえまる(……だから……そのために彼女がいる……)
正貫まさぬき(ええ……いわば彼女は精神安定剤……)
正貫まさぬき「さて、話すべきことは全てお話いたしました」
青江丸あおえまる「……うむ、では、私も帰りますかな……」
丸鬼まき「次の会合には私も参加させなさいよね?」
正貫まさぬき「……分かりました。お嬢様……」
と、丸鬼まきと会話をした後
正貫まさぬき「では、外までお送りいたします……」
・
・・
・・・
と、言うわけで今回の会合は終了。以後、調査を進め、追って報告するとのことである。
……そのころの綱國こうこく財閥邸宅の屋根上では……
烏丸・アマツ「ん〜〜、随分と早く真実に辿り付けたものだねぇ……さぁて……ここからどうしようか
 ……消しちゃうってな方法(手)もあるんだけどねぇ……さすがにそれはマズイか……彼らも少なからず
 関わったもの……消すのは得策じゃあ無い……」
盗聴器でも仕掛けていたのか会話の全容を把握している烏丸……
烏丸「……だったら……このまま次のステップに進めることも一興」
笑みを浮かべる烏丸……
烏丸「……さて、現状では彼のレベルは規定値に達していない……が、成長率からすると……おそらく
 もうすぐ達する……そう、いよいよ全てが揃うんだ……次のコマを動かしてもいい頃合かな……うふふ
 神鉄が咆哮する……進化のときは近いよ……うふふふ……ふふふふ……」
ヒュオアッ
そして、烏丸は風のようにその場所から去っていく……
……一方、邸宅から遠く離れた某所では……
*「……呼んでる……神鉄が……」
キュイイイインッ
蒼き光を放つ漢のエモノ……
*「……お前が……行く……か?」
*「ええ……呼んでいるのでね……我が槍……見せてきますよ……」
*「フフ……よかろう……許可する!」
そして漢は槍を携え歩いていく……目指すは……当然ひかるのいる場所……
※次もSS学院……になったりして……
*(彼は中の者……槍の使い手……どのような死合になるのか楽しみだな……)
*「……フフ……ハハハハハ!!」
笑う4人と……玉座に座る漢……
*「……ククククク……楽しき時間の始まりだな……」
*(さて……ひかる……お前の力を見せてもらおう……見事このものを斃せたあかつきには我と四天王……
 その力を全て注いでお前を潰しに行こうではないか……)
一同「ハハハハハ……ハハハハハ!!!」
やっぱり出てきた謎の集団……高々に笑うトップにひかるを斃しに出向く槍使い……
……さてさて烏丸は何を画策してるのか……そして、ひかるには隠しておくべき真実とは……一体!?
そして、またしてもひかるらの前に神鉄の使い手が立ちはだかる……?


続

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