朱い宇宙そらの侍・祖章エデン
第19幕 〜真実に辿り着く者〜



意思を持ち使い手を選ぶ刀……神魔光叢牙しんまこうそうが!……その刀を使いし漢がSS学院に乱入しひかるとの壮絶な死合を
繰り広げ、滅したのだが……疑念は残り……それでも日は巡る……
綱國こうこく財閥邸宅
国田正貫まさぬき「お待ちしておりました。青江丸あおえまる殿」
珠数青江丸たます・あおえまる「……うむ」
神魔光叢牙しんまこうそうがを持った漢との死合の後、財閥の力をもってして調査を進めた正貫まさぬき青江丸あおえまるを邸宅へと招きいれ、
対談を望んだのであった……
青江丸あおえまる「……話とは……何でしょうか?」
正貫まさぬき「ええ、立ち話も何です、どうぞ、中へお進みください……」
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・・
・・・
そして書斎の奥、書院へと導かれる
正貫まさぬき「……今回あなたをお呼び致しましたのは他でもございません。ひかる殿の仇のことについてです」
青江丸あおえまる「……紅い髪の侍ですか……?やはり、一介の人間より、財閥の力を駆使した方が情報は集まる……
 そういうことですかな?」
正貫まさぬき「……いえ、確かに……貴方様の働きもたいしたものです……ですが、今回は……」
青江丸あおえまる「……ふむ?」
正貫まさぬき「……我々財閥はまず事件の方から調査し直しました」
青江丸あおえまる「……なるほど、まずは原点から……ですか」
正貫まさぬき「……はい、そこで、奇妙なことに気がついたのです」
青江丸あおえまる「奇妙な点?」
正貫まさぬき「ええ、しかも、これはひかる殿には内密にしておいた方がよろしいかと思い、こうして貴方を招いたので
 ございます」
青江丸あおえまる「……何が分かった……のかね?」
正貫まさぬき「……ええ、調査の結果……なのですが……と、言うことが分かりまして……」
ボソボソと話す正貫まさぬき……
青江丸あおえまる「な、何ですと!!?……バカな……」
正貫まさぬき「さらに、こちらの資料もご覧下さい……」
すっ……
資料を渡す正貫まさぬき
青江丸あおえまる「……これは!?」
正貫まさぬき「……あの事件が起こる数日前の……天文記録……でございます」
青江丸あおえまる「いや、それは分かるのだが……」
正貫まさぬき「隕石の落下……の記録はありますが、クレーターなどの地表へのダメージの記録はありません……」
青江丸あおえまる「むぅ……」
正貫まさぬき「……そして……場所も……問題です……」
青江丸あおえまる「……事件現場の近く……と……もう1つ……だが……これが何か!?」
正貫まさぬき「ええ、……おそらくあれは隕石ではなかった……」
青江丸あおえまる「……では何だと言うのですか!?」
正貫まさぬき「……生命体……しかも、外宇宙から来た……」
青江丸あおえまる「そんな……ことが!!?……いや、しかし、……仮にそうだとしても……なぜ結びつく……」
正貫まさぬき「……おそらく……この外宇宙かた来た生命体は……我々を快く思わない存在だったのでしょう……
 それゆえに……」
青江丸あおえまる「……それゆえに……近くにいたひかるの家族を殺した……と……?」
正貫まさぬき「ええ。おそらく……と、言うわけで……すれば……この推理が成り立つわけです」
またボソボソと話す正貫まさぬき……
※そんなに現段階ではヒミツにしたいのかよ!
青江丸あおえまる「……では、紅い髪の侍というのは……?」
正貫まさぬき「ええ、おそらくは……」
青江丸あおえまる「……なんと言うことだ……」
真実に到達するもの……だが、彼らの話をこっそり聞いている者がいようとは……今はまだ知りようが
無かった……
青江丸あおえまる「……では……なぜひかるだけ生き延びた!?……あなたの話からするにその生命体は……我々と
 共存することが不可能……と聞き取れるが……」
正貫まさぬき「そのことでしたら……おそらく……」
※さぁてみんなで考えよう……ってか推理しよう……ひかるの仇って誰〜〜だ!?
青江丸あおえまる「……」
正貫まさぬき「……さて、話はもう2つあるのですが……よろしいでしょうか?」
イキナリ話を切り替える正貫まさぬき……
青江丸あおえまる「ふむ。もう1つ……とな?」
正貫まさぬき「はい。1つはナゾの女……烏丸について……」
青江丸あおえまる「……何か……分かりましたか?」
正貫まさぬき「……やはり、財閥の力をもってしても……分かりません。……ですが、彼女は烏丸・アマツという
 名であることは分かりました」
青江丸あおえまる「本名か……ふむぅ……」
正貫まさぬき「あちこちに出没してはなにやら画策しているようでありますが……やはり、それ以上のことは分かり
 ません……」
青江丸あおえまる「……やはり、財閥の力をもってしても……無理……でしたか?」
正貫まさぬき「……申し訳ありません……」
青江丸あおえまる「いや、何もあなたが謝る必要はありますまい……」
正貫まさぬき「……」
青江丸あおえまる「……正貫まさぬきさん、もう1つの話とは……?」
正貫まさぬき「……安童切子氏のことでございます」
青江丸あおえまる「ぬ?」
正貫まさぬき「……先日、SS学院に神魔光叢牙しんまこうそうがを繰る侍が乱入し、ひかる殿と死合ったことはご存知ですな?」
青江丸あおえまる「ええ……ひかると共に滅した……と聞きましたが……」
正貫まさぬき「……その死合の最中の出来事なのですが、彼女の持つ大太刀が神魔光叢牙しんまこうそうがを受けたのです」
青江丸あおえまる「……それが……何か?」
正貫まさぬき「伝承によりますと、神魔光叢牙しんまこうそうがは……技術あってのこと、そのうえ神魔光叢牙しんまこうそうがでないと受けることは
 適わぬはずなのです」
青江丸あおえまる「……では……彼女の持つ刀も……そして、彼女も選ばれし者だと!?」
正貫まさぬき「いえ、ならば刀が蒼く光り輝くはず……しかし、彼女にはそれがなかった……」
青江丸あおえまる「……では……何故!?」
正貫まさぬき「ええ、疑問に思い私も財閥の力を持って調べ上げてみました……その結果ですが……おそらく……
 彼女は……」
……まぁ〜〜たヒミツの話ですよ……はい。
青江丸あおえまる「……そんな……馬鹿な……では……彼女も……同じだというのですか!?」
正貫まさぬき「……いえ、これは私の予想ですが……彼女は……真にあの紅い髪の侍を討つべくこの地にやって
 来たのだと思われます……」
青江丸あおえまる「……なぜ……そのようなことがいえる?」
正貫まさぬき「……もし、意志を同じくするものであれば出現場所がそれほど変わらないはず……ですが……資料
 によりますと……」
青江丸あおえまる「……なるほど……確かに……そういえる……」
正貫まさぬき「……」
この2人の話は……一体……ひかるに何をもたらすというのだろうか……そして、この話がひかるに告げられる日
は……来るのか……
……2人の話はまだ続きますよ〜〜


続

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