Eighter -Verdant Nightmare-
4ther 〜親鳥を堕とす勢い B〜



#3
 善鸞会に何もかも奪われた漢、佐丸降斗(ふると)。彼の切なる願いに応えるべく、Eighterは奪われた宝玉、アースベリ
ルを奪還することにした。
 しかし、アースベリルを求むる者はなにも彼らだけではなかったのだ。
 ここで、話は数日前に戻る
メイド「漸くアースベリルの所在を突き止めたと思ったのに、まさか手元にないとはね……」
玲津迂蘭(れつ・うらん)「あぁ……うぅ……」
 虚ろな目をする迂蘭(うらん)の胸倉を掴んで持ち上げるは褐色の怪しいメイドさん。
 ゴシャッ
迂蘭(うらん)「がっ!?」
 そのまま床に彼女を叩きつけると褐色の怪しいメイドさんは忌々し気な顔をしながらその場を去っていく。
 この褐色の怪しいメイドさんは微朱主(ヴィシュヌ)配下、滅壊四魔貴族の一人であり、奴がアースベリルを求めるというので
あれば、それは世界を破滅へ導くキーアイテムなのであろう。
 そして、褐色の怪しいメイドさんが動くということは、彼女も動くということである。

 東京郊外、善鸞会本部
梓與鷹(よたか)「総、お前どうしてここに!?」
(かみ)総介「お前の方こそだ」
 いざ作戦開始と思ったら総介を発見する與鷹(よたか)。
 まさかここで総介と出会うことになるとは思いもしなかった與鷹(よたか)は、驚きと共に声をかける。
山咲(やまざき)桜「レース・アルカーナからの情報です。奴らの手にアースベリルが渡ることを阻止するのが今回の目的にな
ります」
與鷹(よたか)「なんだって!?」
 俺たちもアースベリルを奪還するためにここに来た。つまり、奇しくも目的は同じと言うことだ。
茜瑙哭(セドナ)(だが、レース・アルカーナが情報を提供してきたということは……)
白拍子かんな(……微朱主(ヴィシュヌ)に関係のあるアーティファクトであるということですね)
 密かに負けられない戦いがここに始まった。
桜「我々が調べ結果、今日は一年に一度、教祖が信徒の前に現れる特別な日。そして、善鸞が親鸞聖人(しょうにん)から賜った
という宝玉を開帳する日らしいです」
総介「言うまでもないがその宝玉ってのがアースベリルだ」
與鷹(よたか)「なっ、人の家から奪ったものを、由緒正しい宝玉だと偽るなんて……」
総介「フッ、アレは盗品の類だったと言うわけか……」
 ここに交喙(いすか)が居れば、光の天球の時の再来だな……などと総介は呟く。
與鷹(よたか)「やはり、善鸞会は叩き潰すべき相手か……」
 怪しげな宗教団体の一つや二つ、別に地上から消え失せても構わんだろう?

#4
 かんなの超運をもってすれば、部外者だろうと会場の中に潜入することは容易い。
 と、言うわけでサクっと会場に忍び込むことに成功したまではいいのだが……
與鷹(よたか)「で、問題は奴がアースベリルを御開帳した時だが……」
 いくら何でも闍鸞(じゃらん)の元に乗り込むのは正気の沙汰ではない。
 と、言うかかんなの超運があったとしてもソレはあまりに不自然極まりない。
 で、あれば、先に盗んで立ち去るか、後で盗んで去っていくかの二択になるわけだが……
桜「急ぐのであれば、先に盗んで立ち去るのが吉だと思いますが……」
総介「だが、俺たちは善鸞会を叩き潰すという目的もある。そうであるならば、狙うは御開帳の只中だ!」
 そして、一行の前に闍鸞(じゃらん)が登場する。
闍鸞(じゃらん)「みなさん、今日は忙しい中、お集まりいただき誠に感謝します」
*「闍鸞(じゃらん)、てめぇッ!」
 早速総介が動こうとしたその矢先、一人の漢が大声を張り上げる。
*「貴様のせいで母は殺され、父はマグロ漁船に乗せられ海に落ちて凍結し、兄は浄財を持ち逃げ……おかげで俺
はこのザマよ!」
 お前はどこのドモン○カッシュだよ!と突っ込みたくなるようなその漢は名を黄庄址夢(きあつ・あとむ)と言い善鸞会によって家
族を破滅に追い込まれた悲しき漢なのだ。
黄庄址夢(きあつ・あとむ)闍鸞(じゃらん)!てめぇをるるぶの錆にしてやる!」
 そのまま彼は雑誌から強化プラスチックで作った刃物を取り出すと一足飛びにかかる
総介「奴を止めろ!」
與鷹(よたか)「おうよ!」
 このままでは闍鸞(じゃらん)が逃げてしまう。それを危惧した総介はすぐさま址夢(あとむ)の取り押さえを決意。
 ドゴッ
址夢(あとむ)「ぐへっ!?」
與鷹(よたか)「悪いな……お前に恨みはないが、凶行は止めさせてもらう」
址夢(あとむ)「放せッ!俺は、奴を殺すためだけに今まで生きてきたんだッ!」
闍鸞(じゃらん)「誰かは存じ上げませんが、感謝いたします」
 危機を脱した。そう感じた闍鸞(じゃらん)址夢(あとむ)の下へと足を運ぶ。
闍鸞(じゃらん)「辛かったでしょう、悲しかったでしょう。ですが、もう大丈夫です」
址夢(あとむ)「てめぇ、何を言ってやがる!」
闍鸞(じゃらん)「ですが、安心してください。この親鸞聖人(しょうにん)をも愛用した幸せのタブレットを一噛みすれば不安は全て無くな
ります」
 そういって闍鸞(じゃらん)は懐から謎のタブレットを取り出す。


続

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