Eighter -Verdant Nightmare-
1ster 〜砕かれし世界結界 C〜
#5
余計な情報はさておき、捜査は続く。
警官「メイドは全員、鍵のかかった自室にて胸を鋭利な刃物で一突きにされて死亡しており、この屋敷の主である
萬聖院喜一は屋敷の地下室で同じ様に……」
中川邦武(「つまり、密室殺人と言うわけだな」
警官「はい、通報によりますと屋敷からメイド二人が出てきて、空を飛んでどこかへ消えた……とのことですので、
犯人はその二人に違いないかと」
邦武(「うん?」
聞き捨てならない言葉があって思わず首をかしげる中川警部。
警官「中川警部、空を飛んで逃げるという部分が気になりますが、犯人はその二人組で間違いないんじゃないかと
思います」
邦武(「よし、お前たちはもう一度そのタレコミについて詳しく調べ上げろ!空を飛ぶという不思議現象も必ず何か
しらのトリックがあるはずだ!」
警官一同「ハッ!」
やはり聞き間違えではないようだった。が、それはさておいて、一気呵成に捜査が始まる……かに思えたが、し
かし、その次の瞬間、一行は硬直する。
上(総介「何を馬鹿なことをやっているんだお前らは?」
一同「かっかか、かかかっ、かかかかかっ!?」
山咲(桜「はぁ、ついに名前も出てこなくなりましたか……」
唐突に登場した総介に一同は驚きを隠せない。そして、毎度同じ態度で驚きだす警官一行に桜も驚きを隠せない
総介「この事件(は俺が仕切る!お前らは帰れ!」
邦武(「なっ、上(警部……確かに我々に事件を解決に導こうという気持ちは五割程度でしたけど、捜査権を剥奪する
のは辞めてくださいよ」
桜「へぇ、最初から半分諦めているんですか?」
邦武(「え?いや……その……」
いらんことを言ってしまい、桜にジト目で睨まれて冷や汗が止まらない中川警部であった。
※口は禍の元……というか、そんなんだから無能警官の謗(りを受けるのです
その後、総介の邪魔をしないのであれば……何もしないのであれば、別にこの場に居合わせても構わんという事
になり、ひとまず現場からの撤退を免れた中川警部と無能警官であった。
桜「さて、調べたところ、屋敷に勤務しているメイドは全員屋敷で殺されているようです」
邦武(「え?じゃあ屋敷から出ていった二人って何なの?」
総介「……」
中川警部の質問は無視して、総介は屋敷の地下へと足を運ぶ。
#6
桜「この魔法陣……何かの儀式でもやっていたのでしょうか?」
総介「さぁな……」
床に描かれた魔法陣も気になるが、荒れ果てた惨状も気になる点だ。更に地下室から天井を貫き、屋敷を貫通す
る大穴。これも気になる点の一つである。
総介「奴らはここで一体何をした?」
そもそも、総介がここへやってきたのは、世界が破滅へ向かう予兆のようなものを感じ取ったからだ。
それは、総介が真理の断片に触れたからこそ分かる……いや、総介にしか分からない出来事だ。
総介「ひとまずは鑑識の結果を待つ。行くぞ、山咲(」
桜「はい、警部」
と、言うわけでひとまず警視庁へと戻る総介。
総介(おそらく、この事件は未解決のまま終了してしまうだろう……だが、問題はそこではない……)
桜「警部、鑑識の結果ですが、屋敷の地下室の惨状は一度氷結して、その直後爆発的な高温で熱せられたのが原因
ではないか……とあります」
総介「氷結か……」
しかし、その冷気と熱気は一体どこから?という疑問が出てくる。
総介(考えられるのは、あの魔法陣で何かを召喚した……おそらく萬聖院(喜一はその生贄……)
現場の惨状から考えるに氷と炎を司る神性……あるいは二柱?
ちゃん〜〜る〜〜る〜〜る〜〜る〜て〜てんてんてん♪る〜〜るるる〜〜る〜るる〜るんるん♪
総介が思想に耽っていると、突如携帯が鳴りだす。発信者は不明だが、ひとまずは電話に出る
*「お前がSRAPの上総介だな?」
総介「そういう貴様は誰だ?」
*「我々は……いや、まだ名乗ることはできない。そして私は……ちょ、ちょっと待ってくれ!」
電話の向こうではでは何か良さげなコードネームはないか?と聞こえてくる。どうやら誰かと話している様子だ
明らかに怪しい謎の人物からの電話である。で、あるのだが……
更に存在X?管理者D?染色体YY?う〜〜ん、もう一声などと会話が繰り広げられており、こいつは一体何がした
いんだ?と総介は首をかしげていた。
総介(しかし、『我々』と来たか……つまり、相手は単独ではなく、組織だって動いているということか……?)
*「待たせたな。私の事はレース・アルカーナと呼んでくれ!」
さっきのやりとり、まる聞こえだったけど……というのは言わぬが花だ
#7
総介(レース・アルカーナ……ラテン語で神秘・謎……巫山戯(た名前だ)
総介「で、レース・アルカーナ、貴様の要件はなんだ?」
レース・アルカーナ「そう遠くないうちに、世界は破滅する」
総介「何?」
突如トンデモないことを告げられる。
レース・アルカーナ「我々はそれを阻止するために活動している」
総介「ハッ、それはまた突拍子もないな」
レース・アルカーナ「だが、SRAPの上(総介ならば、分かるのだろう?」
総介「貴様……」
電話の相手は総介が真理の断片に触れたことを知っている。でなければそんな言い回しはしない。
それに『SRAPの』と強調するのも気になる点だ。
レース・アルカーナ「話を戻そう……我々としても世界が滅んでもらっては困る。だから、お前に協力する」
総介「……」
暫くの間、沈黙する総介。やがて電話の相手も不安になったのか、確認してくる
レース・アルカーナ「聞いているのか?」
総介「いいだろう。貴様が何者であれ、協力してくれるといのであれば、最大限利用してやる」
かくて、世界滅亡を防ぐための同盟が密かに締結された。
END
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