Eighter -Scarlet Nocturne-
57ther 〜埃及に眠る影の都 B〜
#3
ペコ姐さんの情報によると、ヴァルカナをくれた謎の漢は王家の谷、その隅にある盗掘されつくしたピラミッド
跡で出会ったという。
上総介「情報、感謝する。行くぞ！」
梓與鷹「え！？……総！？」
既に本日の営業は終了しているのならば、この場に長居するのは迷惑である。と言うのが総介の弁だった。
ペコリファルア・エルランド・ソール「アンタらがチランの事を知っているのならば、今度は営業時間の内に来て
ほしいものだねぇ……」
総介「フッ、暇があったらな……」
行けたら行くわという最低な答えを残し、総介はセベク・オーバー・ザ・センチュリーを後にする。
與鷹らも、総介を一人で行かせるわけにもいかず、総介を追うのであった。
エジプト、王家の谷某所
化野梶太郎「どうして営業時間外にあの店に訪れたんだよ」
與鷹（いや、絶対にお前が飯を食いたがるからだと思うが……）
出音・グロウシュベル「そんなことはさておき、ペコ姐さんが言っていたピラミッド跡というのはアレか？」
目当ての遺跡はすぐに見つかった。盗掘されつくしたピラミッドという特徴がから分かるように、そのピラミッ
ドはボロボロであった。
與鷹「だが、ペコ姐さんやGB夫人がであったという謎の漢はいないようだが……」
與鷹の言葉を無視して、総介はそのボロボロのピラミッドの中へ足を踏み入れる。
梶太郎「本当に何もねぇな……」
出音「まぁ、盗掘されつくしたって話だしな……」
ピラミッドの内側にはヒエログリフが描かれているものだが、それすらも盗掘されて奪われたのだろう。
本当に何もない……こんなところに本当にヴァルカナ争奪戦を黄泉帰らせる元凶たりえる謎の漢の手がかりが残
されているというのだろうか？
総介「フッ……」
総介はこれまで入手、保管してきたヴァルカナを懐から取り出す。
総介「さて、運を天に任せる……か……」
総介は《教皇》のヴァルカナを手に取ると、キャッシュカードを読み取らせるかのようは仕草で遺跡の壁にヴァ
ルカナを擦り付ける。
ズゴゴゴゴゴッ
一同「なななッ、なんだ！？」
遺跡の壁が動き、道が開く。
與鷹「隠し通路か！？」
山咲桜「はい。しかも、ヴァルカナでないと開くことがない代物です」
つまり、この先に何かあるのは確実。
#4
総介らが進む隠し通路……その入口にはVの数値が刻まれいた。
與鷹「Vってことは他にも隠し通路があるってことなのか？」
総介「フッ、それもあるだろうが、俺が今回使ったのはコレだ！」
そういって総介が見せるのは三重十字架を片手に二人の臣下に祝福を授ける人物とVの数値が刻まれたヴァルカ
ナ。
與鷹「なるほど、ヴァルカナに応じて隠し通路が登場するってワケか！」
出音「しかし、隠し通路がいくつもあって、そのすべてが同じ場所に繋がっているという保障はあるのか？」
総介「さぁな……」
與鷹「おいおい！」
だが、もし、ココが全てのヴァルカナの出発点だとするのならば、どのヴァルカナを使ったとしても、同じ場所
に辿り着ける。総介はそう予感していた。
梶太郎「ヘッ！面白いじゃねぇか！この道が続く先が、天国か、それとも地獄か」
出音「いや、地獄は勘弁してほしいんだけど……」
梶太郎「お前の姉ちゃんはもしかしたら地獄にいるかもっ……って、うおおっ、冗談、冗談だからっ！」
出音「貴様ッ！姉さんを愚弄するな！ぶっ殺すぞ！」
冗談半分でそんなことを言った梶太郎はすぐさま後悔することとなる。殺気立った出音からガルシテラヴを突き
付けられたからだ。
総介「見えてきたぞ！」
梶太郎、出音「お！？」
道の果てに見えてくるのは一つの部屋。それだけではない、その部屋をぐるりと取り囲むように、43個の通路が
あった。
つまり、それはどのヴァルカナを使ったとしても、必ずここへ辿り着くことができるということだ。
総介「さて、鬼が出るか、蛇が出るか」
出音「……巫山戯ている場合ではないが……」
梶太郎「だな！」
與鷹（いや、巫山戯てたのはお前の方だが！）
さておき、一行はドアを開き、部屋の中へ足を運ぶ。
與鷹「なっ、アレは……！？」
與鷹が驚いたのは、部屋の中にあったあるモノを見たからだ。
ソレはオーパーツCP、アトランティスやツェルツラ、ニライカナイに似たアーティファクトだった。
いや、同型機と言った方が正しいだろう。
與鷹「どういう……ことだ？」
梶太郎「あぁ？何がだよ？」
梶太郎、出音は與鷹が何に驚いているのかが分からない。
続
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