Eighter -Scarlet Nocturne-
55ther 〜九頭龍(クトゥルー)()く夜に B〜



#3
ダービー・ワッザナッヘ「先ほど見せた一手はほんの小手調べに過ぎん!今こそ見せてやるぞ!幽闘術を会得して
進化した俺の牡丹蟷螂拳、その真の姿を!」
 バリッ、バシャッ
梓與鷹(よたか)「んなっ!?」
 突如ダービーの背中からサブレッグが二本と、まるでカマキリの様な羽が生える。
 蟷螂拳って身も心もカマキリになる拳法じゃねぇだろ!と與鷹(よたか)は心の中で突っ込んだ。
ダービー「行くぜッ!」
 背中から生えた羽を羽ばたかせると宙を舞い、そのまま與鷹(よたか)に突っ込んでくる
ダービー「死ねッ!蟷螂鎌斧(トマホーク)!」
 シュッ
與鷹(よたか)(何!?)
 ガキィインッ
 カマキリの鎌のような形の手刀から繰り出される一撃。與鷹(よたか)はそれを受け止めてカウンターを叩き込もうと考え
たのだが、突如ダービーの手が本物の刃物になったような幻影を見て、素手ではなく、天狼甲ショロトルで受ける
ことを選択。
 まるで刃物が手甲にブチ当たるような衝撃が與鷹(よたか)を襲う。
ダービー「チッ、それが貴様の幽闘術ってワケか!」
 別に幽闘術ではないのだが、奴が勘違いしてくれるのならば、黙っておいた方が得策かもしれない。と與鷹(よたか)は考
えた。
與鷹(よたか)(奴の幽闘術は象形拳の具現化……いや、最初の一撃も先ほどの一撃と同様にまるで本物の刃物のような手刀
だった……)
 そう、ダービーの幽闘術とは賭けに勝った相手の魂を人形に……
※いや、それ違うダービーだから!
 ……話を戻そう。ダービーの幽闘術とは拳を刃物に変化させるエクストラスキル。
 蟷螂拳の使い手が自分の手を刃物に変化させる。それはつまり、蟷螂の斧を体現した幽闘術だといえよう。
※いや『蟷螂の斧』って弱い者が、自分の力量もわきまえず、強敵に向かうことの例えだからね!
ダービー「ならば、これはどうだ!蟷螂銛槍(ハープーン)!」
 シュッ
 今度は左手を銛の様に突き出すダービー。すると、本当に左手が銛となって與鷹(よたか)を襲う。
與鷹(よたか)聖狼躱虚(しょうろうたうろ)!」
 しかし、今度は與鷹(よたか)も落ち着いてダービーの左手を回避すると同時にカウンターを叩き込む。
 ダービーの幽闘術は初見殺しとしては有効だが、何度も見せられればその効果は薄れてしまうという弱点が発覚
した瞬間であった。
ダービー「ぐおっ!?」
 双狼拳 VS 蟷螂拳……やはり双狼拳の方が一枚上手か?

#4
 そして、與鷹(よたか)とダービーが死合っている最中、総介は全権代行と対話を行っていた。
上総介「さて、では改めて問おう、貴様らノース光輪結社はなぜヴァルカナを求める?」
ミニッツナル・イシュター「全てはC(クトゥルー)文書にある予言を現実の物とするため」
 C(クトゥルー)文書にはこうある……『大いなる徽章集いし時、聖域への扉は開かれる』
 そのためにノース光輪結社はヴァルカナを求むるのだ。しかし、ここで疑問が一つ出てくる。
山咲(やまざき)桜「それとヴァルカナとどのような関係があるのでしょうか?」
 そう、『大いなる徽章』がヴァルカナであるという確証がどこにあるのか?
ミニッツナル「なるほど、信じられない様子ですね……では、あなた方にも分かるようにお見せしましょう」
 すると全権代行は近くにあった金庫のようなモノから何かを取り出す。
桜「それは?」
ミニッツナル「これは(いにしえ)羅神盤(らしんばん)C(クトゥルー)文書にある予言……その聖域を開く鍵と言われているアーティファクト!」
 それは中心に燃える目をもった五芒星が描かれたアーティファクトだった。
 更に言うならば、『中心に燃える目をもった五芒星』というのは旧神の印(エルダーサイン)であり、紛れもなくクトゥルー神話に
出てくる代物だ。
※やはり、どこからどう考えてもノース光輪結社はキリスト教の一派などではなく、邪教じゃねぇか!
 さて、この(いにしえ)羅神盤(らしんばん)、黒いラインで五芒星が描かれているのだが、そのうちの2つの角は赤く光り輝いていた
ミニッツナル「分かりますか?この赤く光る部分」
総介「それが?」
ミニッツナル「ノース光輪結社では司祭になった者は聖別の儀式の一環として(いにしえ)羅神盤(らしんばん)に触れてもらう必要があ
るのです!」
 そして、ダービー、スィーロゥの2人が触れた時、(いにしえ)羅神盤(らしんばん)が反応し、赤く光り輝いたという。
総介「コージル、ジョスィフ、クラウドとやらもヴァルカナリアクターだと思うが?」
 貴様が探すものが真にヴァルカナであるのならば、既に5つとも光り輝いているはずではないか?と総介は問う
ミニッツナル「だがヴァルカナは全部で43種ある。そのすべてが反応するわけではないということだ!」
 しかし、全権代行はソレに対して独自の答えを叫ぶ。


続

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