Eighter -Scarlet Nocturne-
54ther 〜九頭龍(クトゥルー)が呼ぶ夜に C〜



#5
 大会議室ではまだ今後ヴァルカナ争奪戦について論争が行われていた。しかし、突如として氷に覆われたことで
会合は一時中断された。
コージル・S・アーサッキ「何が起こった!?」
*「どうやら敵襲のようですな」
ジョスィフ・クロード「『ようですな』じゃねぇだろ!」
 ドカンと机に拳を叩きつけてジョスィフが叫ぶ。
スィーロゥ・A・マクサル「閉じ込められた?」
 ドアノブをガチャガチャと捻ってみるも、びくともしない。
クラウド・ノシュケー・マルーメ「退け!螺旋の相克(スパイラル・エア)!」
ジョスィフ「おい、まさかッ!?」
クラウド「超級武振覇影斬(ちょうきゅうぶしんはえいざん)!」
 ガガガガガガガガッ
 まるで頭だけを固定して体を回転して斬撃を繰り出して氷で閉ざされた扉を破壊する。
ジョスィフ「危ねぇな、オイ!」
 大改質の出入り口である扉目掛けて突っ込んでくるクラウド。ドアの近くにいた司祭達は咄嗟に飛び退る。
クラウド「浅かったか……」
 しかし、クラウドの斬撃は確かにドアを破壊した。破壊はしたのだが、その先にあったのは氷の壁だった。
スィーロゥ「よもやノース光輪結社総本山に乗り込んでくるような愚か者がいるとは……」
 氷の壁、その向こうに二人ほどのシルエットが覗える。
スィーロゥ「どけ、今度は俺がやる。投影の白蛇神(トレース・クリスナーガ)」
 スィーロゥの幽闘術とは武器をコピーするエクストラスキル、それを駆使してガトリングガンを作り出すと、斉
射を行う。
 ズガガガガガガガガガッ

包英清堅(つつみひで・きよかた)「おいおい、ものすごい勢いで氷の壁が削られているが、大丈夫なのか?」
新田姜馬(きょうま)(大会議室にいる司祭が全員ヴァルカナリアクターと言うわけではない……)
 姜馬(きょうま)は総介から事前に聞かされていたことがある。大会議室に集合する司祭全員がヴァルカナリアクターではな
いと言うことを。
 で、あるならば、Eighter・有嗎幇(ユーマハン)連合軍の今の手勢でも対処は可能なはずだ。
清堅(きよかた)「おい、本当に大丈夫なのか?」
 いつまでたっても返事がないので思わず姜馬(きょうま)をゆさゆさ揺さぶりつつ問い詰める。
姜馬(きょうま)「あぁ、すまん……少し考え事をしてただけだ……」
 それに、奴らの相手をするのは俺たち二人だけではない。

#6
化野梶太郎(あだしの・かぢだろう)「おらあっ!どうやら俺が一番乗りのようだな!」
 と、そこへ信徒を殴り倒しつつ梶太郎(かぢだろう)姜馬(きょうま)らの下へやってくる。
古畑呂司(りょうじ)「いやいやいや、どう考えても一番乗りは姜馬(きょうま)様だろうが!」
 呂司(りょうじ)が突っ込みを入れている間にも他のメンバーも推参。しかし、総介と與鷹(よたか)(あと桜)はいない。
 彼らは彼らで別の任務があるからだ。姜馬(きょうま)という頭脳派がいるからこそ、総介は安心してこの場を姜馬(きょうま)に任せて
おけるのだ。
御御脚(ユウ・ユウジャオ)「やれやれ、威勢ノいいことダ」
旧透水(ジウ・トウシュイ)「だが、奴ノ考えた計画ヲ忘れるなヨ」
梶太郎(かぢだろう)「問題ねぇよ、大会議室から出てきた奴を片っ端から殴り倒せばいいんだろ?……腕が鳴るぜ!」
一同(いや、絶対わかってないぞコイツ……)
 ダメだこりゃ……って感じの一行であった。

 そうこうしている間に、姜馬(きょうま)が作り上げた氷の壁の随分と薄くなってくる。
ジョスィフ「月齢掌(げつれいしょう)・上弦!」
 ドゴオンッ
 そして、ジョスィフの拳が遂に氷の壁を打ち砕く。
クラウド「超級武振覇影斬(ちょうきゅうぶしんはえいざん)!」
 と、同時にクラウドがコージル、スィーロゥ、ジョスィフを抱え、体を回転して氷の壁を突破。
 クラウドの幽闘術、螺旋の相克(スパイラル・エア)……回転剣舞を極めしエクストラスキルにはこのような使い方もある。
※なお、一緒に回転させられた方はたまったものではない。
姜馬(きょうま)吹雪く悲鳴に山猫と輪刃廻舞(ゲシュテーバー・ゲシュライ・ルクス)!」
 四人が氷の壁を突破したことを確認したのち、姜馬(きょうま)は再び氷の壁で大会議室を閉ざす。
クラウド「コイツ……」
 奴の目的は最初から司祭連中を全員大会議室に閉じ込めることだったのか!と気づかされる
ジョスィフ「くそっ、もう二度とこんなことは御免だぜ!」
コージル「あ〜、世界が回って見える」
スィーロゥ「クラウドの奴、よく平気でいられるな……」
 ケロリとしているクラウドとは対照的にグロッキーな三人。
 大会議室に閉じ込められた司祭連中を助け出すには先ほど大会議室の内側で行ったことをもう一度行えばいい。
 しかし、目の前に敵がいる以上、氷の壁の破砕に注力していては敵の恰好の餌食である。

#7
クラウド「おい、お前ら、休んでいる場合ではないぞ!」
 今は意識を切り替えなくてはならない。そんなクラウドのセリフを聞かなくとも分かっている。
梶太郎(かぢだろう)「ふっふっふ……」
 一方、梶太郎(かぢだろう)の方も早く死合いたくてしょうがない様子だ。つくづくバトルジャンキーである。
 そんな双虎拳の使い手、梶太郎(かぢだろう)の相手は月の御手(ムーン・レィス)を駆使するジョスィフだ。
梶太郎(かぢだろう)「来いや!貴様を双虎拳の錆にしてやる!」
ジョスィフ「ハッ!できるものならやってみやがれ!てめぇを月の彼方へぶっ飛ばしてやる!」
※ってか、拳の錆って何やねん!
 梶太郎(かぢだろう)とジョスィフ、互いに拳を駆使して戦う二人が死合うことは最初から決まっていた。
清堅(きよかた)「では、始めるか?」
 しかし、剣の軌道を自在に操る心に匿いし剣(ハード・アンダーソード)の使い手・コージル、武器をコピーする投影の白蛇神(トレース・クリスナーガ)の使い手・
スィーロゥ、回転剣舞を極めし螺旋の相克(スパイラル・エア)の使い手・クラウドの相手ははっきり言うと誰が誰でもあまり変わらな
いのである。
 だから、清堅(きよかた)御脚(ユウジャオ)透水(トウシュイ)の三人はそれぞれ好き勝手に死合ってもらって構わないのだ。


END

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