Eighter -Scarlet Nocturne-
41ster ～火山の底に眠る影 B～
#3
梓與鷹「おおお！神狼九断！」
上総介「ハッ！臠蒼極連！」
エンケラドゥス「……」
拳と剣、九回ずつの攻撃がエンケラドゥスに炸裂するも、何の痛痒も感じていない様子にエンケラドゥス。
古畑呂司「あまり効いてないみたいだが……」
新田姜馬「まぁ、それは見ればわかる」
ちなみに、お前は戦いに参加しないのかよ？という疑問が出てくるが、姜馬は氷の召喚呪術の使い手であり、炎
がありふれているエトナ火山では相性が悪いのだ。
更に言うと呂司は樹の召喚呪術の使い手なのでやっぱり、エトナ火山では相性が悪いのだ。
じゃあ、なんでお前らついてきてるんだ？って突っ込む人もいるかもしれないが、有嗎幇と共闘している以上、
有嗎幇のメンバーもついて着ざるを得ないのだ
※じゃあ、今回は御御脚とか旧透水が来ればよかったんじゃね？
炎属性の火山が相手では氷と樹の召喚呪術の使い手である新田姜馬と古畑呂司は戦力としては期待できない。
が、しかし、それでも、出来ることはある。そう、情報を分析して伝えることだ。
姜馬（何かあの巨人を倒すための手掛かりでもあれば……）
な～～お
そんな時、姜馬は猫の鳴き声を聞く
姜馬（猫！？）
鳴き声のする方を見やると、そこには赤い帽子を被った燃える炎のような目をした黒猫が一匹、姜馬をじっと見
つめていた。
姜馬「なぜこんなところに猫が！？」
呂司「へ！？猫！？何を言っているんです？」
姜馬「何を言っている。そこにいるではないか！」
指をさして告げる姜馬だが、呂司は首をかしげるばかりだ
姜馬「どういう……はっ！？」
と、ここで、姜馬は思い立つ。もしや、あの猫は自分にしか見えていないのでは……と。
そして、そんなことをしている間にもその姜馬にしか見えない猫は、歩みだす。
姜馬（ついて来い……と、そういうことか……ならば……）
呂司「え！？ちょ、どこへ！？」
姜馬の奇行に驚きながらも、それでも姜馬についていく呂司。
姜馬「ここか……」
暫く猫についていくと、突如その猫の姿が掻き消える。
そこをよく見ると金属片のようなものが頭を出している。何かが埋まっているようだ。
#4
姜馬「これは、手甲か？」
掘り起こしてみると、それは古びた手甲の様だった。あの猫が何なのかは分からないが、ここまで呼び寄せたと
いうことはコレを使ってほしいのだと考えた姜馬は早速その手甲を装備しようとする。
バチッ
姜馬「ぐっ！？」
ところが、突如静電気のようなモノが走る。
姜馬（どういう！？……俺をここまで呼び寄せたのならば、俺にコレを使えということのはず……）
そんなことを考えながら、姜馬は自分の右手を見る。
姜馬「はっ！？まさか……」
赤と青の四角を組み合わせた八芒星にCDXの数値が描かれたデミカナリアクターである証を見て姜馬は考える。
姜馬「ちょっとこれ、預かってろ」
呂司「え！？」
自らの百万朱版の転生小聖印を取り出し呂司に渡すと、再び古びた手甲を手に取り右手に装着する。
すると今度は静電気が発生することなく、すんなりと姜馬の手にはまる。
姜馬「神器、冥爪甲……モナチェロ……それがこいつの名前か……」
山咲桜「……曰く、さる鍛冶の神は、炎の神をこのエトナ火山から追い出した……」
呂司「うおっ！？びっくりした……」
いつの間にかそこに立つ桜に驚きを隠せない呂司。
桜「ついでに言うと、モナチェロと言うのはイタリア南西部のナポリにおいて知られる妖精のことで……」
そして何事もなかったかのように説明を続ける。
姜馬「お前は何を知っている……いや、言い方を変えよう。どこまで知っている？」
そんな桜の説明を遮り、姜馬は問い詰める。
桜「……そうですね……」
エトナ火山にまつわる伝説。桜はそれの重要な部分をボカして喋っていた。では、ここで君たちに最新情報をお
伝えしよう
※どこのガオ〇イガーだよ！
かつてエトナ火山はアドラノスという炎の神に支配されていた。その神のせいでたびたび噴火が行われた……の
かは不明だが（ええ！？）、ある時、エトナ火山に目を付けた『焔』の破壊神、炳佩鍍嵩はアドラノスを追い出し、
エトナ火山に自分の鍛冶工房を作り上げたという。
しかし、エトナ火山には鍛冶を行うにあたって決定的に足りていない者があった。
……それは風である。そこで炳佩鍍嵩は『風』の破壊神、靉颪栖に頼み、エトナ火山に風を閉じ込めてもらった
のだ。
その風のおかげでエトナ火山の鍛冶工房では鞴や蹈鞴がなくても鍛冶が行えたという。
続
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