Eighter -Scarlet Nocturne-
29ther 〜半影傑と対魔撃滅 B〜



#3
 星露(シンルー)・ユピテルメアはU(セカンド)シレントワイザードに属していながら魔術師手はなかった
 これは一体何を意味するのか?
※そういえば、彼女が使役する魔導書娘ってのは出てきてませんね
灰漸(はいぜん)「召喚呪術が使えないような相手に惹閃(じゃくせん)様が負けるわけがない!」
惹閃(じゃくせん)「……」
 ですよね?惹閃(じゃくせん)様?と窺ってみるが、沈黙するのみで、なんか不安になってくる。
栖嶺(すれい)(だ、大丈夫……なのか!?)
灰漸(はいぜん)(しかし、俺たちにできることは惹閃(じゃくせん)様を信じることのみ……)
惹閃(じゃくせん)(さ、先ほどの……あの感覚は……アレが奴の幽闘術……なのか!?)
 だとしても、今更後には引けない。これはそういう死合だ
惹閃(じゃくせん)「ならば……これは、どうだッ!雷鳴響け混乱せし鴎(ドンナー・ウンオルドニング・メーヴェ)」
 ビシャアッ
 雷で作った鴎が星露(シンルー)目掛けて飛んでいく
星露(シンルー)・ユピテルメア「無駄です」
 ズバッ
 しかし、星露(シンルー)は雷の鴎を容易く切り伏せる
灰漸(はいぜん)「馬鹿なっ……」
栖嶺(すれい)「これは、マズイんじゃないのか!?」
星露(シンルー)「どうして私が召喚術を使えないのか、なぜあなたでは私に勝てないのか、その理由を今から教えてあげます
よ!」
一同「なんだと?!」
 懇切丁寧に教えてくてるとかどう考えてもおかしい
星露(シンルー)「私の幽闘術……魔を断つ苦無(デモン・スレイヤー)は召喚呪術を無効化する!だから私は召喚呪術が使えない!」
一同「なっ!?」
 それは魔術師殺しに特化したエクストラスキル。だから星露(シンルー)は召喚呪術が使えないのだ。
 そして、魔術師が召喚呪術を使えなくてはもはやただの凡人だ。
※世の中には魔術が使えないなら物理攻撃をすればイイジャナイって魔術師もいますが……
灰漸(はいぜん)惹閃(じゃくせん)様、ここは退くべきです……召喚呪術が使えないのであれば、戦いようがない!」
惹閃(じゃくせん)「それは……できないッ!」
星露(シンルー)「ええ、私が逃がすわけ、ないでしょう?」
灰漸(はいぜん)「くっ……」
栖嶺(すれい)「だ、だが……奴の幽闘術も完璧じゃないはずだ……」
灰漸(はいぜん)「どういう?」
 あらゆる召喚呪術を無効化するのであれば、今、この場で惹閃(じゃくせん)がイェーキュブを使えるということがおかしい。
 そう諭されて灰漸(はいぜん)も納得する。分が悪いが、かといって敗北が約束されたわけではない。

#4
星露(シンルー)「どうやら、何か勘違いをしているようね……」
一同「なんだと!?」
星露(シンルー)「最初から召喚呪術が一つも使えなかったら、疑問に思うでしょ?」
惹閃(じゃくせん)「ま、まさか……お、お前……」
 強弱や範囲を自在に変えられる!?
星露(シンルー)「そろそろ遊びも終わりにしましょう……そして、あなたに咲魔(サイタマ)の恐ろしさを見せてあげるわ」
一同「え?なんだって?!」
 今可笑(おか)しな単語が聞こえた気がするが、咲魔(サイタマ)とは風魔みたいな感じの星露(シンルー)が扱う忍術の流派の名前だ。
※そんな無茶苦茶な名前の忍術、あります!?
 フッ
惹閃(じゃくせん)「な……こ、これは!?」
 そして、あらゆる召喚呪術を無効化する……その名に恥じぬ威力で、イェーキュブが掻き消える。
イオ「解除」
エル「強制ログアウトされたんだからね!」
灰漸(はいぜん)「な、何ぃ!?」
 更に我が元に帰れ(ヴォレーゲン)まで強制解除されている。
灰漸(はいぜん)栖嶺(すれい)「お逃げください。惹閃(じゃくせん)様!我らノイエDA第五分隊が血路を開きます」
惹閃(じゃくせん)「だ……だが……」
灰漸(はいぜん)栖嶺(すれい)「貴様に仏の慈悲を与えてやる!奇命無靈咒如来(きみょうむりょうじゅにょらい)!」
 ズオオオンッ
ノイエDA「うおおお!砕け散れぇ!」
 自らの命を削ってパワーアップ。文字通り、決死の覚悟で星露(シンルー)に襲い掛かるノイエDA第五分隊
星露(シンルー)咲魔(サイタマ)流忍術、磯撫(いそなで)」
 シュカカカカカッ
ノイエDA「がっ!?」
 苦無乱れ打ち。しかし、その苦無はノイエDAの脳天を確実に狙い撃つ。
灰漸(はいぜん)栖嶺(すれい)「怯むな!例え我ら、ここで朽ち果てようとも、最後に惹閃(じゃくせん)様が勝てばそれでいいのだッ!」
 例えノイエDA第五分隊が全滅しようとも
星露(シンルー)「愚かな……無駄死にもいいところです!磯撫(いそなで)!」
 雑魚は束になったところで雑魚でしかない。次々と苦無の前に砕け散るノイエDA第五分隊
惹閃(じゃくせん)「や……やめ……」
灰漸(はいぜん)栖嶺(すれい)「できません!惹閃(じゃくせん)様は大神の降真靈(こうしんりょう)にとって必要なお方」
 そのためならば、我ら、生命など惜しくはない!
灰漸(はいぜん)煩濃猖鋒錐負拳(ぼんのうしょうふすいふけん)!」
栖嶺(すれい)失納豺覇羽無拳(しつのうざいはうむけん)!」
 暴風雨のように荒れ狂う拳打と大地を噛み千切るかのような拳打が星露(シンルー)に迫る。果たして……


続

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