Eighter -Scarlet Nocturne-
24ther 〜死神は戦場に舞う B〜



#3
イシュー・ネゼリアル「ハッ!人のモノを勝手に使ってこれまで戦場を生き延びてきたんだろうが」
マイル・ネゼリアル「それも今日までだ!」
梓與鷹(よたか)(いや、それは間違いだ……)
 そもそも、普通の戦場にヴァルカナリアクターがいることは通常ありえない。
 だから奴の幽闘術が効果を発揮することはない。つまり、奴はこれまで自分の力だけで戦場を駆け抜けて伝説と
なったというわけだ。
セイ・ニングライト「兵装完全掌握術(クロス・ナイブズ)」
アーヴァ・エウリデス「貴様ッ!」
セイ「なるほど、ウルフ・オブ・イザナギはまだ真価を発揮しきれていなかったということか」
バイラ・エウリデス(マズい……兄弟喧嘩でも幽闘術を使ったことはない……)
※いや、普通はそうでしょ……幽闘術を使って喧嘩ってもう、それ殺し合いだろ
マイル「面白ぇ……だったら、俺の幽闘術も使ってみやがれ!そして、どっちが強いか勝負だ!」
セイ「いや、貴様のは使えない」
マイル「なんだとぉ!?」
 役に立たないと烙印を押されてキれるマイル
マイル「キャット・ザ・セブンライブス!」
セイ「流揣轉(るしてん)」
 ズドオンンッ
マイル「はげはっ!?」
 刹那の瞬間に繰り出す七回連撃。しかし、セイはそれを(ことごと)く回避し、渾身のカウンターを叩き込む。
 派手に吹っ飛んでそのまま気絶するマイル。
イシュー「嘘だろ……」
 マイルがたった一撃で?!
 唖然とするイシューだが、呆けている場合ではない。セイは既に次の一手を繰り出してる。
イシュー「レイン・オブ……なっ!?」
 ビキッ
 体が動かない!?
セイ「翳頗毋(えいはぶ)」
 ドンッ
與鷹(よたか)(これは、影縛りからの斬撃?!)
 それは、総の使う蒼天流・奥義、影蒼入滅(えいそうにゅうめつ)だ

バイラ「どうする!?」
アーヴァ「……」
 ざわ……ざわ……ざわ……考えろ、考えろ、考え抜くんだ!諦めたらそこで死合終了ですよ。
※いや、それ何なの!?
 と、そんな事を考えていたその時、アーヴァはあることに気づく。
アーヴァ(無限の正義製(インフィニット・ジャスティス・ワークス)が消えている!?)
 そうか!奴の幽闘術とて無敵ではない。奴がコピーできるのは一度に一つ!
※いや、だとしても兵装完全掌握術(クロス・ナイブズ)がある限り不利なことに変わりなくね?

#4
 バイラヴァ兄弟は目を見合わせて頷くと同時に飛び掛かる
バイラ「無限の正義製(インフィニット・ジャスティス・ワークス)!」
 ズドドンッ
 まずはバイラが無数の刀剣を召喚し、それを足止めに使う。
アーヴァ「死ね!俺の兵装完全掌握術(クロス・ナイブズ)の方が上だってことを貴様に知らしめてやる!ルブライトニング・バースト
リーム!」
セイ「亜蘇鑿(あそさく)!」
 ゴアッ
バイラ「マジかよ!?」
 ウルフ・オブ・イザナギに気を載せて貫くと同時に一直線に空間が刳り取られる。
與鷹(よたか)(今度は交喙(いすか)の!?)
 それは、交喙(いすか)の使う流派、絳征棒術(こうせいぼうじゅつ)・奥義、衝錐紅嘴(しょうすいくし)。
 翳羅聖玉(えいらせいぎょく)流があらゆる流派の源流というのは強ち間違いでもないのかもしれない。
 ひゅおっ
バイラ「うっ!?」
 一瞬の隙……しかし、それが致命的だった。
 一気に間合いを詰めたセイはそのまま上段から一気にウルフ・オブ・イザナギを振り下ろしバイラを下す。
アーヴァ「嘘だろ!?」
 更にそれだけでは終わらない。返す刀で斬撃と刺突を組み合わせた連続攻撃を繰り出してくるアーヴァにも痛烈
なカウンターを叩き込む。

化野梶太郎(あだしの・かぢだろう)「圧倒的実力差ッ!」
 カ〇ジばりのリアクションを行う梶太郎(かぢだろう)。
ユーサー・コージィ「すいません、ごめんなさい、撤退です」
一同「な、なんだ!?」
 その時、へこへこと平身低頭頭を下げる謎の人物が現れた。
 いや、ユーサーである。
バイラ、アーヴァ、イシュー、マイル「ぐっ……くそっ……だが!覚えておけ!次の戦争こそ、俺らが臨んだ戦争
だぁ!」
 その捨て台詞を残し、バイラヴァ兄弟、イスマイル兄弟は去っていく。
セイ「貴様ッ!無限の正義製(インフィニット・ジャスティス・ワークス)!」
 パリィンッ
一同「な、なんだ?!」
 セイが怒りに任せて無限の正義製(インフィニット・ジャスティス・ワークス)を展開し、ユーサーに直撃するかに思われた次の瞬間、刀剣がまるでガラスが
割れるが如く砕け散っていく。
ユーサー「すいません、すいません、ごめんなさい……幽闘術、反幽の領域(アンチ・レイス・フィールド)」
 それは幽闘術に対するカウンター。あらゆる幽闘術を無効化するアンチスキル!
 更に野生の道化(ワイルド・ジョーカー)でもコピーできない幽闘術のひとつである。


続

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