Eighter -Scarlet Nocturne-
17ther 〜凱旋門に影傑散る B〜



#3
化野梶太郎(あだしの・かぢだろう)「あの旗さえなんとかなれば後はどうにでもなる!」
一同(本当か?)
 疑念の視線が梶太郎(かぢだろう)に突き刺さるが、蛙の面に水と言った感じの梶太郎(かぢだろう)であった。
出音(でおん)・グロウシュベル「じゃあ、俺が行ってやるよ」
 旗をガルシテラヴで受け止めるからその隙に何とかしてみろや!ってことだ。
出音(でおん)陽明閃刃破(ようめいせんじんは)!」
邪ンヌ・堕ルク「竜尾墜(ドラゴンストライク)二段返し(ツインスパイク)!」
 ガガンッ
 一気に間合いを詰めてX字に斬りかかる出音(でおん)に邪ンヌ・堕ルクも回転と共に旗を二度振るって応戦。
梶太郎(かぢだろう)「この時を待っていたんだ〜ッ!今度こそ食らえ!極彩虎襲(ごくさいこしゅう)!」
邪ンヌ「竜尾墜(ドラゴンストライク)!」
梶太郎(かぢだろう)「な、何ぃ!?」
 何ということでしょう!邪ンヌ・堕ルクの使っていた旗は仕込み杖だったのです。
梓與鷹(よたか)「おおおっ!神狼九断!」
 ガガガガッ
 流石に素手で刀身に挑むのは無謀が過ぎると、與鷹(よたか)が天狼甲ショロトルをもってして受け止める。(と、言うか
弾き返す)
梶太郎(かぢだろう)「ヘッ!見たか!これが双虎拳と双狼拳のコンビネーションだ!」
與鷹(よたか)(いや、今のはコンビネーションでも何でもないんだけど……)
 さておき、漸く梶太郎(かぢだろう)の拳が邪ンヌ・堕ルクに届く。
 更に今が好機と追撃の手を緩めないのは有嗎幇(ユーマハン)の面々だ!
古畑呂司(りょうじ)祝えし棘芽(シュタッヘル・ファイエルン)!」
御御脚(ユウ・ユウジャオ)白乾児魔炎(パイカリック・バーナー)!」
 ばしっ
 ゴアアッ
 茨の鞭を邪ンヌ・堕ルクに巻き付かせるとすぐさま手を放す。その次の瞬間御脚(ユウジャオ)が火炎放射を叩き込む。
 巻き付いた茨の鞭が燃料の役目を果たし、業火に包まれる邪ンヌ・堕ルク
新田姜馬(きょうま)氷河で騒乱せし猫の九尾(グレッチャー・レルム・カッツェ)!」
 カキインッ
 更に燃え盛る邪ンヌ・堕ルクに猫のような氷の魔獣を叩きつけて急熱からの急冷。
梶太郎(かぢだろう)「やったか!」
※いや、それは失敗するフラグ
邪ンヌ「なかなかやるな……だが甘い!」
出音(でおん)「何だと!?」
姜馬(きょうま)「クッ、全員で一斉にかかってもこの程度だと!?」
灰かぶりの異人(シンデレラ・グレイ)「やはり、あれを倒すには覚悟を決めるしかなさそうですね……」
與鷹(よたか)「覚悟!?……お前、一体何を?!」

#4
邪ンヌ「何をするつもりか知らんが、無駄な足掻きよ……オルレアンの魔女に敗北はないッ!」
灰かぶりの異人(シンデレラ・グレイ)「いいえ、貴方はここで敗北します」
 キッパリと断言する灰かぶりの異人(シンデレラ・グレイ)に、怒りと共に睨みを利かせる邪ンヌ・堕ルク
灰かぶりの異人(シンデレラ・グレイ)「貴方の妄執は、ここで断ち切ります。この私が」
 バッサ〜〜とみすぼらしい衣を脱ぎ捨てる。
一同「なっ、お前は!?」
 すると、その中にから現れしは……やっぱりFa〇eシリーズに出てくるジャンヌ・ダルクそっくりな姿をしてい
た。
※なお、驚いているメンバーの中に姜馬(きょうま)は含まれておりません
邪ンヌ「ば、馬鹿な……お前は……いや、そんな馬鹿なっ!」
與鷹(よたか)「なんだ?どうして奴はそんなに狼狽えるんだ?」
姜馬(きょうま)「フッ……まさか本当にジャンヌ・ダルクが出張ってくるとは思っていなかったからだ」
梶太郎(かぢだろう)「何言ってんだお前……」
呂司(りょうじ)「なっ、貴様、なんたる暴言!」
 いがみ合う梶太郎(かぢだろう)呂司(りょうじ)はこの際無視して、話を進めてもらおう。
與鷹(よたか)「ってことは、彼女はまさか……」
 思わずバっと灰かぶりの異人(シンデレラ・グレイ)を見直す與鷹(よたか)與鷹(よたか)「お前、知っていて……」
姜馬(きょうま)「まるで灰汁(アク)を被ったかのようなみすぼらしい衣……それをもってして『灰』かぶりなどと自称する」
與鷹(よたか)「なるほど……ジャンヌ・ダルクがどうやって散っていったのかを知っていれば、おのずと答えはでるという
わけか」
邪ンヌ「だ、だが、お前が本物のジャンヌ・ダルクだったとして……」
灰かぶりの異人(シンデレラ・グレイ)「今の私は所詮、仮初の姿……貴方の魂を浄化します」
 そういうと灰かぶりの異人(シンデレラ・グレイ)は片膝立ちで腕を組んで祈りのポーズ
邪ンヌ「や、やめて……やめて……それは……い、嫌ぁ〜〜〜ッ!」
 神々しい光が差し込むと、邪ンヌ・堕ルクが浄化されていく。(と、言うか、消滅していく。)
 それだけではない、この場に犇めいていた邪悪な気配も一切合切浄化されていく。
與鷹(よたか)「こ、これは……凄いな……」
出音(でおん)「お、おい、見ろ……」
 そして、祈りをささげていた灰かぶりの異人(シンデレラ・グレイ)も光になって消えていく。
與鷹(よたか)(まさか、最初から命を賭して……そうか!仮初の存在だからこそ、命を懸ける覚悟を?!)

#5
梶太郎(かぢだろう)「おっしゃ!あとはヴァルカナを……っておい!ないぞ!」
一同「何だって!?」
弥如(びぎん)「ヴァルカナは確かに頂きましたよ」
 いつの間にか天井から逆さに立っている弥如(びぎん)がヴァルカナを見せびらかすとすぐさま懐にしまい込み腕組みをし
だす
 流石、忍者、汚い!と突っ込みたくなるような展開だった。
※をいをい
 ズゴゴゴゴゴゴッ
梶太郎(かぢだろう)「おい、なんかまた嫌な予感がするぞ……」
 直ちに後を追おうとするのだが、しかし、突如崩落が始まる。
出音(でおん)「クッ……仕方がない、逃げるぞ!」
與鷹(よたか)「あ、あぁ……だが……」
 海藤兄妹を助けないと……と思って與鷹(よたか)は棺があった場所に向かうのだが……
與鷹(よたか)「なっ、死んでる!?」
 しかも、それは戦闘に巻き込まれて死亡したというような感じではなかった。死後数年は経っているかのような
白骨化した死体がそこにあったのだ。
與鷹(よたか)(今回のことは、何者かに仕組まれた出来事?!)
 何者かがこうなるように図面を仕組んだ?!……では、その何者かは一体誰なのか……
 それは、まだ分からない……


END

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